おろしや国酔夢譚
米原万里さんからの流れでロシアに関する本を探して今ここ。旅行記としては、武田百合子さんの『犬が星見た』高山みなみさんの「ロシア日記」米原万里さんの「マイナス50度の世界」と読んだが、今作は時代も場所も違う。1782年と言うから江戸時代、伊勢から船出したが嵐にあい、漂流してたどり着いたのがアリューシャン列島の小島。ここから、果てしないロシアでの日々が始まる。流れ着いた17人が言葉も通じない、そして何より厳しい自然の中でなにをし、なにを考えたのかが描かれている。
書き出しから主人公が流れ着く前の時代にもいた漂流者たちがどのような扱いを受けたかなど、歴史から描かれているのでなかなか読み進まない。
が、驚いたのがその人たちに対するロシア側の対応。捕虜にするのではなく、日本語学校の教師にして言葉を教えさせる。漂流してくるのは数は少ないとはいえ幾人かはいるので、その人たちをまた、教師にさせている。
この辺り、他国と地続きでありさまざまな民族で成り立っている国だけある。が、シベリアへの進出や、毛皮を取るためのやり方などが侵略者のそれになっているのだが。
と、ここまで書いたが実はまだ了読してなかったりする。小島で数回の冬を超え、去る経緯からロシア人と船を作りカムチャッカ半島にわたりさらに船でオホーツクまでゆく。この頃には言葉もなんとか覚えるまでになるが、相変わらずどこに連れてゆかれるかわからない。この状態でさらに内地へ。そこは「マイナス50度の世界」でも取り上げられていた地。寒いという感覚にもこれほどの差があるのを知った。とある通り日本の冬とは全然違う世界で、出発前に支給されたお金と片言の言葉を駆使して生き抜くための努力をする。この時にはすでに仲間も半分になり、この先もまだどうなるかわからない。
と、まだサンクトペテルブルクまで半分も辿り着いていない状態。この先一体どうなるのか?果たして最後まで読み切ることができるのか?!(最後まで読み切ることができたら感想を書こう・・・・)