見出し画像

紫式部と清少納言

同じ時代を生きているが、直接の交流はなかったと言われているこのお二人。ただ、交流したという記録がないというだけで、本当のところはわからない。政治の表舞台や、宮中での出来事であれば、誰かの日記に書かれていたり、大鑑に書かれたかもしれないが、女房同士の交流だけだと記述がなくても仕方かないかも。

清少納言と紫式部が女房としては6年のずれがあるので流石に宮中で出会うことは難しい。が、女房勤めを終えた清少納言の屋敷もどんな風に暮らしているかは皆知っていたらしい。庶民はともかく貴族階級であれば、一斉を風靡している「枕草子」の作者であり、数年前までは跳ぶ鳥を落とす勢いであった中宮定子の女房となればそれも当然だろう。

この二人をどのように出会わせるか、どうやって宮中に入れるか、6年であればまだまだ顔見知りも多いであろう宮中でどのように活躍させるかが設定の肝になるだろうと読んだ。

出会いは当然、紫式部が会いに行くことになる。そこはやはり、駿馬の骨のくだりに。描写もインパクトはあるし、清少納言の性格描写もしやすいところ。

宮中には意外にあっさりと。まあ、どのぐらいしっかり確認していたのかはわからないけれど結構緩かったのではないかな?

あと外せないのが、枕草子に書かれた紫式部評をお互いがどう話すのか。光る君へを見ていると、紫式部日記にあるような感想に繋がらないのだが、かといって式部は一瞬の思い出ものを描くタイプには思えない。

同じ時代に生き、書くことを表現方法として使っている二人は、年代、性格は違えどウマがあったんじゃないかと思う。

240ページだと、時代背景や人物関係、二人のエピソードを入れるとストーリー部分が足りなくなってしまう。むしろそっちがメインなのかも。

街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな