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枕草子

枕草子を読もうと思った最初の頃に手に取った本。児童書のコーナーにある本で、どうすればこの世界観・このジャンルに興味を持ってもらえるかが工夫されている。当然だが、段章を全て載せられないし、まして古文の文法説明も仮名文字についても難し過ぎる。

児童書はその文字の大きさから、なんとなくターゲットしている学年がわかると思う。この本は小学校高学年から中学生あたりと推測する。表紙も昔の少女漫画のタッチ(あさきゆめみしの影響?)を感じる。が、その年齢の人たちが、手を伸ばすかは運次第な気がする。きっかけがあるとしたら、ものすごく国語の授業で魅力をアピールされる、とか?

一周してこの本を読むと、なるほどエッセンスを抽出している、と思う。誰しもが思い浮かべる、「おかし」の導入から、香炉峰、草の庵、あたりも入っているのは言うに及ばず、藤原道隆、伊周にまつわる政変とそれによって変わって行く中宮の境遇なども記載されている。

原文を読むところまで進むと、大学レベルになると思うが、解像度として「春はあけぼの」だけを暗記して終わりではなく、これは「定子様との輝かしい日々」を「書き残すこと」を目的として書かれた物であるというところまで理解できれば、国語の授業も面白かっただろうと思う。
まあ、「春はあけぼの」をほとんどの人が知っているというのもすごいことなんだけど。

土佐日記、蜻蛉日記、徒然草、伊勢物語、落窪物語、とりかばへ物語、更級日記あたりはタイトルはなんとなく知っていても、内容、あらすじまで知っているものはほとんどない。
が、大人向けの本ではなく、この本のように児童書ジャンルであっても、むしろ児童書だからこそ、面白いところを厳選し、エッセンスを漏らさず抽出していると実感した。

おりもおり、光る君へはついに、清少納言が枕草子を書くと言うこのタイミング。もう一冊読んでみようかな。

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街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな