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#20 番外編 初めて泣いた日、弱みを見せることの大切さ

今日は10月11日(金)です。
今日は特別な日になったので、今のうちに書き残しておきます。
結論から言うと、留学して2ヶ月経過した今日、初めて泣いてしまいました。


グループで勉強してタコスを食べた日

この日は、仲良しグループ6人で大学のグループワークの部屋を予約して、勉強をしていました。
私は1人で勉強するのが好きなのですが、たまにはと思って参加をしてみました。
1時間くらい各自集中して勉強した後、それぞれが質問をするタイムに。

友達の中の一人が、プレゼンや課題にかなり真剣というか常に疑問を持っていて、「これってこういうこと?」「これでいいの?どう思う?」って聞くタイプで。
私は、とりあえず自分で調べ上げてざっくりと準備して、それから人に意見を求めるので、正直「もうちょっと気軽に考えて進めてもいいのに」って思ってしまいました。
まぁ、私のこういう融通の利かなさは悪いところではあります。彼らは修士1年目だからそりゃ不安はたくさんあるよね。

んで、私は自分が伝えられることだけ伝えていました。ここまでは良かった。

性的嗜好や宗教の話をしている時の居心地の悪さ

勉強後はそれぞれが材料を持ち寄ってタコスパーティが始まりました。
私は何も持っていってなかったので、申し訳ない気持ちがありながら参加しました。

それで、私たちしかいない空間だからか、クラスメートの誰々ってゲイっぽいよねとか、そういう話になって。
私、その人がいないところで、誰かが〜っぽいとか話すのあまり好きじゃなくて。聞いてるだけなら良くても、「誰々がゲイっぽいって思う人!手あげて!」とかなって。
考えざるを得なくなっちゃうじゃんって思いながら。

んで、なぜかその後ムスリムの話になって。私たちのグループには、ムスリムが2人いるけど、それぞれ違う慣習を持っていて。それについて皆が急に挙手しながらディスカッションを始めて。
私はムスリムのことはさらっとしか知らないし、あまり踏み込んでその人に直接聞くのもなって思っていて。
食事が終わっても延々とその話が続いて、私は本当に黙りこくってその場にいるのが辛くなって。

もともと勉強していた部屋に戻りました。それで、皆が戻ってきて、「私もう帰ろうかな」って準備をしていて。
そしたら一緒に帰る予定だった友達が「あと30分、そしたら帰ろう」って言って、また座り直してパソコン開いて作業をしようとしました。

何も意見しない私に皆が優しい、どうしても止められなかった涙

その後も全然集中できなくて。文字を読んでいても、「なんで私はこんなにグループ内で話せないんだろう、協調できないんだろう、皆こんなに優しいのに」って考えちゃって。

他のこと考えようって思っても、涙が溢れてきて。それで、まずいと思って部屋を出て、ちょっと離れた廊下で座って一人で泣いて。

少ししたら、友達の中の一人のHadizaが来て、「あぁ、どうしたの」って横に座ってくれて。Enejdaも来てくれて、一緒に外に出ることにしました。

歩きながら、「私、なんで今泣いているのか、自分でもよくわからない。でも、グループ内で複雑な話するのがすごく苦手なんだ」って言いました。
そしたらHadizaが「あぁ、ムスリムの話ね。ちょっと話しすぎたよね。そういうのに皆がオープンってわけじゃないもんね。私もムスリムだからすごく話したけど、他のことはあまり話せない時あるよ」って言ってくれて。
Enejdaも「ひかるは初めてここに来て、英語で生活してるんだもんね。そりゃ難しいよ。普通のことだよ」って言ってくれて。

川辺に座って、30分くらい話していました。
私は初めて、文法や間違い、どう思われるかを気にせずに、私は難しい課題でも自分自身でなんとかできると思っていること、ディスカッションが苦手だから英会話で練習しているけど現実とは違うこと、会話の中で自分が話し出すことが難しいことなどを話しました。

私が言葉に詰まっても、二人は待ってくれて、「うん、私も最初はそうだったよ」って言ってくれて。「気持ちが落ち着かない時は、いつでも電話してね。いつでも一緒に話せるよ」って言ってくれて。

あぁ、もっと人に頼っていいんだって思った。
全然関係ないことも話して、少しスッキリしたので、部屋に戻りました。

感情的になるのは普通のこと、今までは普通じゃなかった

その後、一緒に帰る約束をしていたArathanaと一緒に大学を後にしました。
歩いている途中で、HadizaとEnejdaに話したことを、彼女にも話しました。
「英語で勉強することは本当に難しいよね。私も大学で初めて全部英語で勉強して、本当に辛かったよ。だから、辛いと思うのは普通のことだよ」って。
私たちのクラスには一人だけアメリカ人の英語ネイティブがいるのですが、「ほら、彼が日本の大学に行くことを考えてみてよ。あなたと同じようになるよ」って。正直私はネイティブの彼のプレゼンテーションに感動していたので、羨ましいと思ってたけど、日本でそれができるわけじゃないもんな。

Arathanaは、留学して最初の頃から一緒に大学に行っていて、いろいろ助けてくれて一番仲が良いと思っています。
「ひかるは修士号を持っていて博士課程にいるでしょ。だからひかるはどうやって修士号を取るのかとか、博士課程がどんな感じなのか教えてあげられるし、お互いに学び合えるよ」って言ってくれて。
うん、そうだね。いつも皆がすごくて優しくて、自分にできることは、って思ってたけど私にもできることはあるよね。

気持ちを打ち明けた3人とも、私が今こうなっているのは「普通のこと」って言っていて。それで、気がついたんだけど、今まで普通じゃなかったんだって。
こんなに離れた場所に、言語も環境も違う中で日本人、ましてやアジア人がいない中で過ごしていて。友達はできたけど、言いたいことが言えないことも多くて。そんな中で過ごしてて、自分は適応できていると思ってた。少し落ち込むことがあっても、泣くこともなかった。でもこの状況ってハイというか、異常だったのかも。

キッカケがあって、普通のことが起きたって考えたら、今日、この出来事があって良かったって思った。

Arathanaも、「何か話したいことがあったらいつでも電話して、いつでも会えるから」って言ってくれて。ありがとう、本当に。

弱みを見せてもいいし、これは大切なこと

今まで、全て自分で解決しようと思っていたところがありました。
そりゃ、わからないことは聞くけど、それでも最終的には自分で判断できると思っていて。
「楽しいよ」「好きだよ」「大丈夫だよ」って言っていることが多かったかなと思う。

でも、そういう私ってどこか仮面をかぶっていた気もする。英語が間違えているかもって思ったら言えないこともあったし、周りに合わせることも多かった。

今日は、自分の弱みを見せてしまったけど、初めて本音が言えた日だったかもしれない。「大丈夫だよ」って言うんじゃなくて「〜が辛い」って言った。そしたらふっと心が軽くなって。相手も「私もそういうことあるよ」って弱みを見せてくれて。

こうやって理解しあっていくのかなって思った。

なんとなく、違う国の友達とは、どこか心の底から日本人同士みたいに仲良くなれる自信はなかったんだけど。でも、こうやって少しずつ、良いところも悪いところも見せ合って受け入れることで、もしかしたらすごく仲良くなれるのかなって思った。

だから…どうする?

さて、今日は留学中の印象に残る、特別な日になると思います。
一つ、何かを乗り越えた日。乗り越えるきっかけになる日。

「嫌だな」「辛いな」って思うことは、普通のこと。そうだとしたら、自分の感情に素直に従うことが大事なんだろうなと思う。

嫌なことは嫌って言うし、居たくない場所には居なくていい。これができるように、自分に優しく、相手を気遣いながらも、自分のしたいようにできるように、意識してみよう。

自分のキャパは限られているし、人それぞれ良いところも悪いところもあるからね。そのままの自分を受け入れることって、どこかで完全にできるわけじゃなくて、少しずつできるようになっていくものなんだと学びました。

これが、留学。海外生活。学んでいます。



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