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重度の花粉症男が震源地のスギ林で過ごしたら一体どうなるのか!?

この記事は「真庭なりわい塾」の提供です。

1.憎き花粉症と私

雲ひとつない青空で太陽が街全体を照らし、冬から春への完全なるシフトチェンジを感じた4月頭。私は軽快な桃色気分で岡山の中心地、桃太郎大通りを歩いていた。

桃太郎線と呼ばれる路線沿線に実家を持つ私は、桃太郎空港発の飛行機の音を聞きながら、お土産屋に積み重なるきび団子の山を見て、我が故郷の桃太郎に頼りきった頼りない一本足打法に思いを馳せていた。そんな岡山が好きだ。

爽快に街を歩く私に突如あいつが襲ってきた。毎年4月になると私をハクション大魔王にするあいつだ。ご存知、花粉症のクソ野郎である。ようやく春が来て街を出歩こうとすると、花粉症が全てを台無しにしていく。そんな経験をみなさんもお持ちではないだろうか。

しかし、そこでふと気がついたことがある。私が普段生活している岡山県の真庭市は田舎で、震源地ともいえるスギの林に近いところに位置している。しかし、過去を振り返ると私がこれまで住んでいた兵庫県や愛知県の方が真庭市より都会であるにも関わらず花粉症の症状はひどかった。

なぜ木の少ない街の方が私の花粉症はひどくなるのか?

これを逆説的に考えると、木の多い田舎の方であれば私の花粉症は問題ないということか?

花粉症の犯人。こいつが原因だ

今後も田舎暮らしをしていくであろう私にとって最も大切なことは、このまま木々に近い田舎で生活をしていった時に花粉症には悩まされないのか、という一点のみだ。つまるところ、自然に近い森と都市部の間にある私にとって花粉症の影響が少ないスウィートスポットを見つけ出すことが、今の私に最も必要なことである。

やるなら限界値を知るべく、極端な事例から調査していこう。

早い話、ニュースでよく見る粉を吹くスギ林の周りに行くと花粉症はもっとエグくなるのだろうか?ということを検証するべきだ。

思い立ったが吉日。私はアレルギー検査をしてくれる病院ではなく、スギ林が乱立する山の奥地へと向かった。自分の目と足を使って正しい情報を取りに行くことに意味がある。これは私が販売しているジーンズ”JOURNEY ARMOUR”にも通ずるコンセプトである。誰かが言っていることやインターネットに書いてあることを鵜呑みにせずに、自分の体で体感をすることに価値がある。

我々探査隊は、全国民が悩まされる花粉症の謎を確かめるべく山の奥地へと向かった。

大量のティッシュを手にダッシュで山に入る男


2.検証!震源地で花粉症は悪化するのか?

今回、花粉症の震源地として選ばれたのは岡山は蒜山の中和地域。西の軽井沢とも呼ばれる岡山県を代表する観光地、蒜山高原のすぐそばにある集落だ。この真庭地域は森林面積が80%、その約6割がスギ、ヒノキの人工林からなっており、林業は一大産業となっている。数字で見ても岡山県が誇る花粉症の震源地と言うに申し分なく、今回の調査に最適な場所を提供いただいた。

はにわの森 大岩さん

ご協力いただいたのは、「はにわの森」の管理人大岩さん。

はにわの森とは、源(みなもと)体験を合言葉に、安全に十分配慮した上で、湧水や直火を使い「暮らしを手作りする原体験」を教育現場に提供している施設。リスクを回避する傾向が高まる中、自分の手足を使っての実体験が不足しがちなゲストや子供たちと合同キャンプを開催している。

満を持して、ティッシュを抱え「はにわの森」のスギの林に入っていく。


あれ、、、。


おかしい、、。


全く何の影響もないし、何ならいつもより鼻が通っている気がする。

直接花粉を出してまぶれてみるも非常に鼻腔のお通じが良く反応がない。

全身で花粉を浴びにいく男


もしかしたら、私はそもそもスギやヒノキの花粉症ではないのか?こんなはずじゃなかったと思い、急いでインターネットで検索した。そしてすぐに答えを得た。調べてみると、スギの人工林の面積が少ないはずの都会のほうが、地方よりも花粉症患者の割合が多いとの調査結果が示されているらしい。(出典

特に都市部での生活によって起きる大気汚染や、社会生活の中のストレスによる腸の乱れ、つまりは生活習慣病の一つだという説もあるという。

なんということか。私の生活の乱れがあの花粉症と呼ばれるものを引き起こしていたのだろうか。つまり、花粉の原生林の近くで生活をしていても花粉症には悩まされないということなのか。

この森に来る前、今日はやけに花粉の多い1日だと知った口を聞いたにも関わらず、それはただの思い込みで森にきてからは驚くほどに快調となっていた。

自分の足で稼いだ情報には価値がある、我ながらそう思わざるを得なかった。

3.血と涙と花粉症



甘かった。



花粉自体に問題がないことがわかり調子に乗った。その後20分ほど数十本のスギの木を揺らして花粉を摂取し続けるという蛮行を繰り返すと、突如として私のくしゃみガトリング砲が発火した。

止めたくても止まらない。この日の最長は連続27回。これまでの人生における連続くしゃみ記録が9回だったことを思うと、ちょうど3倍までレコードが塗り替えられたことになる。

※ちなみに余談ではあるが、世界一くしゃみをし続けた人は46時間30分15秒で441回とのことで、世界との差はまだある。

くしゃみは水泳と同じ全身運動だ。ほとんど休み時間がなく27回のくしゃみをした頃には肩で息をするようになっていた。鼻水の量が増え、たちまち鼻に栓をした。鼻をかめばかむほどまたかみたくなり、次に痒みがきて、その痒みが刺激となりまたくしゃみを誘発する負のループに入った。

無理のある笑顔が痛い

このくしゃみを行うエネルギーを電力会社に供給させてくれないと割に合わないくらい周りからの白い目も気になった。滞在した5時間の間に1ヶ月分ほどのティッシュを使った。

何度もティッシュに噛まれた鼻も限界を迎え、あらぬ形で鼻血が出た。その水分を利用して洗浄を試みた。文字どおり血で鼻腔を洗う戦いが始まった。戦地にたくさんの血が流れ、私の花粉に対する検証も終わりを迎えることとなった。

森を出る直前、突如として血が噴き出してきた

結論、花粉症の人でも自ら花粉を浴びにいく人でなければ都会にいるよりも花粉症はひどくならない、ということだけがわかった。自分の足で情報を取りにいくことに価値はある。きっとあるのだ。

4.「はにわの森」で見た世界

今回の調査の舞台としてご協力いただいた、「はにわの森」のオーナー大岩功さん。彼はデンマークの「フォルケホイスコーレ」という全寮制の成人向け教育期間に留学したのち、イスラエルで5年間生活しながら暮らしについて考えてきた方だ。現在は、岡山県真庭市の蒜山にて豊かな暮らしが体験できる多文化共生スペース「はにわの森」の代表であり、木や山のお医者さんとしての活動も行っている。そんな大岩さんの活動や信念には大きな共感と感動を受けたので紹介したい。

「ブラックボックス化しすぎた現代社会の中だからこそ、今一度自分で自分の暮らしの全貌を知ることが大切なんじゃないかと思う」

昔の生活ではエネルギーの生産は薪や炭から行われた。一緒に暮らす家族などの共同体の一員であれば、薪をどこから入手するか、どのように火ができるかがわかっていた。しかし、現在は少し勝手が違う。例えば、原子力発電所の工場の中は何がどうなっているかわからなくとも、そこで作られた電力がスイッチ一つで使用できる。スーパーに並んでいる肉は誰がどのように生産したのかわからないまま食卓に並ぶ。
生産における透明度の問題で知ることができないということもあるが、最も大きい理由は生きていく上で”知る必要がない”からだと思う。あらゆる分野が専門化され、効率よく革新的な進歩を遂げてきた世界はとても便利で素晴らしい。その一方で、誰かが自分の知らないところで作っている何かに頼らざるをえないとも言える。

大岩さんは言う。
「身の回りのことを自分で完結させることのできる適切な規模感が考える力を養うと思う。全員が自分のような生活をするべきだとは全く思っていないが、自分の生活を見直し改めて考え直す人が増えることを願っている。そのためにも、はにわの森をフィールドとして使ってもらいたい。ここでの体験はきっと、明日の自分を考えるきっかけとなるから。」

偏差値的には圧倒的な違いはあれど、今回の私の行動は大岩さんの考え方に通ずるものがあったから、良い話風にまとめさせてほしい。

花粉症と誰かに”名付けられた”ものが、外部の情報を通して、自分の中に存在していた。同時にそれは、自分の中でも目に見えない実態のよくわからないものでもあった。花粉症による体の変化がきっかけで、実際に花粉のある場所に足を運び、自分の目で見てみると、どこかから飛んでくる粉という存在だったもののことが、少しだけ身近に感じた。

森の中にいると、都市部よりも実際に症状が軽くなったと感じたこと、やはり摂取しすぎるととんでもないことになるということを感覚として体が覚えた。当然の結果かもしれないし、すでに誰かが出している情報でもある。バカなことをバカみたいに時間をかけてやったのかもしれない。ただ、自分の全身でもって体感した情報こそが血肉となり、明日の自分の生活を考えるきっかけとなるのだとも信じている。

やはり、自分の足で稼いだ情報には価値がある、と私は思う。

5.真庭なりわい塾

そんな「はにわの森」も参加している、なりわい塾の募集についてです。

真庭なりわい塾は、岡山県真庭市をフィールドに、農山村の新たなライフスタイルを模索する人材育成塾です。ローカルに根差して暮らしてみたい。半農半Xにあこがれる。信頼できる仲間がほしい。自分なりの豊かさや幸せをみつけたい。人生を変えるヒントがほしい。そんな皆さんのご参加をお待ちしています。

自分の手で暮らしを作っていきたいと考えている人にはピッタリのイベントです。ぜひ参加されてみてはいかがでしょうか?

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●岡山と大阪にてプレイベント開催!
〜「買う」から「つくる」暮らしへ〜
4/23(土)岡山国際交流センター
4/24(日)大阪市立住まい情報センター

※岡山会場は、オンライン配信予定です。

参加費無料/定員60名/先着順・要申し込み

詳しくは→ https://maniwa-nariwai.org/2022/03/17/pre-event2022/

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最後までお読みいただきありがとうございます。今後ともジーンズブランドRockwell Japanをよろしくお願い致します。