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なぜブランドをつくるのか?

「ブランド」がもたらすもの

「○○さんなら〜」
「○○さんだから〜」
といった感じで商品やサービスを購入していただいたり仕事をいただくことは、どの会社でも体験したことがあると思います。
価格競争の末に手にした関係は脆く、すぐ壊れてしまいますが(すぐ価格で上回れちゃうので)、「○○さんなら〜」「○○さんだから〜」で繋がった関係はなかなか壊れません。価格以外の“価値”を感じてもらっているからです。この状態のことを『ブランド・ロイヤルティ(=このブランドめっちゃ好き!)』と言い、この状態を形成して大きくさせていくことがブランドをつくる最大の目標であり、ブランドがもたらしてくれる最大のものです。
一度ざっくりでもいいので、現状、全体の売り上げから「○○さんなら〜」「○○さんだから〜」で購入していただいてる、もしくは仕事をいただいている割合を出して見ることをおすすめします。

「ブランド」を資産と捉える

『ブランド・ロイヤルティ』をはじめ、
『ブランド認知(=このブランド知ってる!)』
『ブランド連想(=このブランドはこうだよね!)』
『知覚品質(=このブランドの質はこうだね!)』
といった要素で構成された“目に見えない価値”を表したものを、ブランド論の第一人者デイビッド・アーカーが提唱した『ブランド・エクイティ(ブランド資産)』と言います。つまりブランドは、土地や建物、特許権などの権利のようなお金を産んでくれる資産と同じだよ、ということです。

めっちゃ好きだから買う!も
知ってるから買ってみよう!も
こんなイメージだから買う!も
この質だから買っちゃう!も

すべて、このブランドという資産を持ったことによるものです。

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ただ、名前を広めたい、とにかく売り上げをあげたい、という理由でブランディングを考えてらっしゃる事業主の方は、その考え方を改めた方がいいです。認知獲得や売り上げ確保のために行うブランディングは、結局ブランドにならず、その場しのぎのお金しか産みません。ですが、資産としてブランドをつくれたなら、その資産を持っている限り、ずっとお金を産んでくれます。
これは会社の経営基盤を安定させるという意味でもあるので、まず、ブランディングはブランドという資産を手にすることだとしっかり認識しておいた方がいいと思います。

ブランドづくりは広告じゃない

ブランド=資産という認識を持つと、ブランドづくりが単なる広告や宣伝の類で無いことはご理解いただけると思います。
もちろん、ブランディングをしていく上で広告や宣伝の類は必要になってきます。ただし、これは「ブランド」の資産価値を高めるためのもので、ブランドを浸透させるための広告は、売り上げを獲得するため広く告知する「広告」であってはならないんです。ブランドのことを知ってほしい人に知ってもらうため効率よく効果のある「効告」でなくてはいけません。これによって一時的に売り上げも上がるかもしれませんが、あくまでブランドを浸透させるためであることは意識しておきましょう。

話をまとめると、
ブランドづくりはブランドという資産を手にすることで、ブランディングはその資産価値を高めていくこと。資産価値が高まっていけば「○○さんなら〜」「○○さんだから〜」という、このブランドめっちゃ好き!の割合が増え、結果、目先の売り上げだけを求める広告を打ち続けるよりも経営状況の上昇と経営基盤の強化に繋がる。だからブランドづくりは大切だということです。
ただ、目先の売り上げも確保していかなければいけない状況もあると思いますので、そのバランスも大事です。

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