読書感想文#12 イシューからはじめよ
0.そもそも
・「悩む」
→答えを出そうとしていない。長時間かけても変わらない。
・「考える」
→建設的な回答を用意して先に進もうとしている。
Q:プロフェッショナルにとってバリューのある仕事、とは?
A:その人の介在価値を生じさせること。自分の持つリソースの中からその場に最適なアウトプットを出すこと。問題を誰でも理解できるように一般化し、伝えること。
本書内の答え:
イシュー度が高い問題に対して、質の高い解を出せること。
(イシュー度とは:複数の団体、領域に渡る課題で、明確な回答が出ていないもの。
ただがむしゃらに行動量を増やすだけの犬の道では、「バリューのある仕事」までたどり着けない。しかもたどり着けたとしても、良いリーダーとなることができない。
であるからして、まずイシュー度を高めてから解の質を高めていく必要がある。
根性に逃げてしまうと、ブルーカラーの労働者と変わらなくなってしまう。いかに労力をかけずに解を出せるかが重要
「一次情報に触れ続ける」
1.解くまえに見極めることの重要性
・回答に取り掛かる前に事前に回答(仮説)を持っておくことによって、回答の方向性を示す。
・イシューは徹底的に言語化をする、言語化をできていない部分は自分の考えが煮詰まっていない部分で、そこを曖昧にしてしまうとのちのタイムロスにつながってしまう。
良いイシューの3条件
1.本質的な選択である
2.深い仮説がある
3.答えを出せる
1.本質的な選択である
問題の根本的な要因であるものを追求する
2.深い仮説がある
常識を否定し、これまでにない新しい仮説を立てる
3.答えを出せる
いくら問題であると分かっていても、答えを出せなければ意味がない
イシュー特定のためのポイント
1.一次情報に触れる
実際に現場に足を運んだり、問題に直面している人に話を聞いたり、同じ作業を行ってみたりする
2.基本情報を網羅する
自分の知見の中で「決め打ち」をするだけでなく、数字、問題意識、フレームワークを元に「基本情報」を抑える
3.集めすぎない、知りすぎない
情報を整理できるキャパや理解できるキャパが存在する。知識過多になるとクリエイティブなアイディアが浮かんでこない
2.課題を解決できない時のアプローチ
1.変数を減らす
どの変数が結果を導いているかが分からないため、変数をまとめることによって思考の幅を狭めることができる。
2.問題を可視化する
今までの思考のプロセスを二次元的な図にしたり、オートマトン的な段階を踏んだものに書き換える。それによってどの部分に問題をあるかを把握しやすくなる。
3.最終から逆算する
最終的に欲しい結果を考えることによって、あと思考を巡らせなければならない部分はどこであるのかを認識することができる。
4.「So what」と問いかける
表面的な問題を段階を踏んで掘り下げていく。トヨタのなぜなぜ式に近い。
5.極端な仮説を立ててみる
手元にある重要な変数の値を極端に変えてみることによって最終的に得られる結果がどのように変わるのかを想定することによって、どれがクリティカルな問題であるかを見極める。
イシュー分析
おおもとのイシューには容易にたどり着くことができない。
なぜならその規模が大きすぎて扱いにくいからである。
そこで、問題を小さく切り分けて「サブイシュー」として取り扱う必要がある。
ただその際に、同じ内容で切り分けるだけでは切り分ける意味がない-茹で卵をスライスするイメージ-ので、その切り分け方が重要である。
ビジネスの世界では「WHERE・ WHAT・HOW」を基礎とした型で切られることが多い、これに自分の視点を加えたオリジナルの型を持てると良い。
型を作れない場合には、最終状態から逆算し、考えるべき事項を洗い出す方法でも良い。
MECE...モレなくダブりなく。
フレームワーク...イシューを切り分ける際の型、ただ、これを使うことな目的でないのでこれによって本質を見失わないようにする必要がある。
イシューを考える上でのストーリーラインが存在する。
1.立ち上げ...何が課題なのかを分解する
2.調査...サブイシューごとの調査を行いその結果を出す
3.まとめ...サブイシューで解決した課題をまとめることによっておおもとのイシューを解決する
3.絵コンテに添いながら情報の収集を行なっていく
これまでの段階で立てたイシューとストーリーに肉付けしていく形での情報収集を行う。その際、「情報取得の難易度」ではなく、「どの情報があればイシューを説明できるか」という重要度を元にして調査を行なっていく。
分析 = 比較
定量的な分析を行う場合
1.比較
2.構成
3.変化
原因と結果から評価軸を策定する。
これによってイシューへの仮説を裏付ける数量的なデータが作成可能。
軸が整理し終わったら、軸をもとにした数値的イメージを考える。血kが現れるであろう領域をあらかじめ検討をつけて調査を行う。
その調査を行う際にへ「欲しい結果を得られること」を考えて行う必要がある。
これらは脳科学的に正しい。
脳科学の領域では、
・極端な情報
・連続でない情報
・複数の情報が組み合わさった情報
・何度も「理解」をした情報
が定着しやすい。
4.実際に調査を行う際に気をつけるべきこと
これまでの段階で明確にしてきた「調査すべきこと」の中から、特にストーリーの構成に重要に関わっている問題から扱うようにする。
そうでなければ、ただ行動量を増やすだけの犬の道へと戻ってしまう。
ただ、その答えを意識した調査の中で「論証に都合の良い結果のみ」を取り出さないように注意しなければならない。
1.調査によって直接の結果を得られない場合、フェルミ推定など、得られる情報を元にして構造的に思考することが可能。
2.自分の力では結果を得られない場合はその領域に関して知見を持っている人に答えを聞きまくることが必要。
得られた結果をまとめる際に、成熟度をあげていくことは非常に時間がかかることなので、もう一度検証を見直すことによって精度を上げるようにする。
つまり、60%の精度のものを80%にしようとするよりも60%にした過程をもう一度確認することによって質を高めていく。
5.メッセージドリブン
以下の二者に伝える想定でのプレゼンを考える。
・無知な人
・専門家
その両者が納得できるストーリーライン、構成、内容、そして行動を変えたいと思うプレゼンテーションが必要。
1.論理構造を確認する
これまでのストーリーで利用してきた論理に「矛盾」や「破綻」がないかを確認する。ただ、仮説が崩れた場合に発見である。
2.流れを磨く
発表の練習をして客観的に評価する。
3.エレベーターテストに備える
短い時間で唐突に説明を求められた場合でも説明できるように備える。
6.終わりに
「結果」のみが評価される
「努力」は結果を飾るものでしかなく、結果のない努力は意味がない。
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