見出し画像

メルカリ政策企画meetupイベントに行ってきました

「政策企画meetup / Mercari Public Policy Meetup」ー霞ヶ関 × ベンチャーの可能性ーというタイトルのメルカリさんの政策企画meetupイベントに行きました。「霞ヶ関の役人」でもないし「ベンチャー」でもなく弊社はむしろ経団連会員企業だから場違いかなと思いつつ。

とはいえ、Twitterで投稿をいつも拝見しているマカイラ代表の藤井宏一郎さんが出席されるのであればお話をお伺いしてみたいとまず思い、ふらふらと行きました。また、霞ヶ関の役人は大学院の同期もいてよく知っているのですが、富士通本体以外の政策渉外している人がどういう空気感を醸し出しているのかが知りたいのもありました。

途中パネルディスカッションがあり、藤井宏一郎さん・飯村由香理さん(総務省情報流通高度化推進室長)・吉川徳明さん(株式会社メルカリ社長室政策企画マネージャー)・高橋亮平さん(株式会社メルカリ社長室政策企画参事)が登壇されていました。全然どうでもいい話ですが、「参事」とはメルカリさんらしからぬ意外に古風な自治体でありそうな役職名。

特に印象に残ったのは藤井さんが話されていたGR(Government Relations:政策渉外)を行うために必要なスキルセットについて。

少なくとも国レベルのGRを行うなら霞ヶ関の法文プログラミング技術が基礎力としてあって、次いでネットワーカーとして霞ヶ関マップと永田町マップがあるかがポイントと分かりました。自分を振り返ってみれば、霞ヶ関マップはあれどほかは弱いと実感(特に永田町マップ)。ただ、最終的に提案を持って政策形成するのは役人なわけで、役人の負荷を減らすための役人が持って回れる資料を作る力ならいい感じな気もします。

吉川さんもおっしゃっていたように霞ヶ関の役人が最後持って回るので、現下のバースト寸前の余裕のない中で提案するとすれば、「もっと提案側でもできることはやるべきだ」という指摘は私も強く同意するところです。

自治体レベルでは全国初の案件を何度か起動したこともあり、GRに近い動きをチャレンジしたこともあります。それこそパワーストラクチャーを意識して、誰に何をどの順番で伝えるかはとても重要。このスキルは伝統的大企業で形は違えど身につくパターンが多い気もします。

コンサルティングや調査研究の後に抽象化した知見やノウハウを情報発信して、最先端を起動することができることはシンクタンクのひとつの醍醐味だと思っていますが、それを具体的な動きとして作るには「技術としてのGR」の必要性を感じていたのでよい勉強になりました。「最先端を起動する」方法は違えど、GRも変化を楽しむ人であれば面白い仕事だと感じます。一方、リスク管理として「防戦」のお仕事も半分はあると藤井さんはおっしゃっていました。もちろん我々と同じように多くは地味で泥臭い仕事なわけです。

そしてベンチャー系の政策渉外のほうが全般的に政策感度が高い気がしました(霞ヶ関人材を吸着していることもあるかと)。当然既存のルールを形成してきた大企業側の政策渉外の方が新卒採用で間接部門の異動の中で入ってきたパターンが多いような。

そうするとGRを行う上で具備すべきスキルはどこで身につくのだろうかと感じました。それをある意味では経団連などにアウトソーシングしているとも解釈できるかもしれません。

今度経団連の規制改革部会に規制改革関係の講演でお招き頂いているので、私の知見はフルに出してこようと思います。藤井さんも吉川さんも同じ趣旨の話をされていましたが、個別の規制改革の「タマ」に関心があるというよりはメタレベルでどういう「仕組み」を形成するかが決定的に重要という問題意識を持っています。

ちなみに私が関わってきた規制改革関係の論考やお仕事は以下のとおりです。ご関心のある方はご覧くださいませ。もともとのコアコンピタンスは自治体経営支援で、政策評価あたりの知見から入って、規制の政策評価の見直し、地域単位・企業単位の規制改革評価に一部にでも携わった経験はうまく生かせたらと思っています。今年度は府省初の委託による行政手続コスト算出にも取り組んでいたりしています。

若生幸也「国家戦略特区とは何か 課題残る規制改革の全国展開」『Kyodo Weekly(2017年8月14日号)』2017年8月、共同通信社
国家戦略特別区域会議合同会議「平成28年度 国家戦略特区の評価について」2017年5月16日
株式会社富士通総研「平成29年度産業経済研究委託事業(グレーゾーン解消制度、企業実証特例制度の活用等における規制改革の取り組みに関する調査研究)報告書」2018年3月(経済産業省受託調査)
株式会社富士通総研「英国における規制の政策評価に関する調査研究報告書」2016年3月(総務省受託調査)
株式会社富士通総研「欧州連合(EU)における規制の政策評価に関する調査研究報告書」2016年12月(総務省受託調査)
株式会社富士通総研「オーストラリアにおける規制の政策評価に関する調査研究報告書」2017年9月(総務省受託調査)

書いてみてこれならnoteではなくブログに書いてもよかったと思いました(笑)企画してくださったメルカリさん、お話ししてくださったみなさんありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?