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祝! 第5シーズンスタート 警視庁・捜査一課長における素晴らしき世界

テレビ朝日系の連続ドラマ「警視庁・捜査一課長」(※正式名称は「警視庁・捜査一課長 ヒラから成り上がった最強の刑事!」)が大好きでたまらない。この4月から新作「 season5」の放映がスタートすると聞き、止まらない胸の高鳴り、そりゃもうドッキドキである。

文/水野春奈

みずの・はるな●ライターたまにコラムニスト。テレビ情報誌記者を経て、仏教美術を学ぶため京都の大学に社会人入学。長年にわたり、寺社仏閣や歴史にまつわる広告などの編集制作を手掛けつつ、エンタメ関連の執筆も多数。趣味はストイック寺めぐり、新宿三井ビル会社対抗のど自慢大会鑑賞、特技はイントロクイズ。好きな食べ物は白米とタマゴサンド。
前回記事はこちら→https://note.com/tv_bros/n/ne1a9e3dcf694

と、当たり前のようにのっけから感情を吐き出してみたが、正直なところ「何それ?」「CMは見たことあるけど本編は見たことない」「水野、大丈夫か」という声もちょいちょい聞こえるので、はじめに少しドラマについて説明を。

ドラマ「警視庁・捜査一課長」はテレビ朝日で放映されている主演・内藤剛志の刑事ドラマ。たまに昼下がりの午後2時や3時にも再放送を見ることができる。←(「あ、内藤さん!」と気づいた時、その傍らに沢口靖子もしくは風間トオルがいる場合は「科捜研の女」なので要注意。もちろん「科捜研」も大好きです。祝! 映画化)

警視庁の花形部署である捜査一課で指揮を執るのがヒラから成り上がった“捜査一課長”こと大岩純一(内藤剛志)。“大福”こと平井真琴(斉藤由貴)、管理官の小山田大介(金田昭夫)、運転担当刑事の奥野親道(塙宣之)ら、信頼する部下たちと共に地道な捜査を重ねながら、東京で起こるあらゆる凶悪事件に立ち向かう。捜査一課長が劇中、捜査会議や現場でほぼ毎回叫ぶ「必ず、犯人(ホシ)をあげる!」はこのドラマを象徴する名フレーズだ。

2020年に放映された前シリーズでは最高視聴率14.5%(平均視聴率13.1%※)を記録。このご時世でも圧倒的な人気を誇る「警視庁・捜査一課長」は2012年の「土曜ワイド劇場」での初放送から、連続ドラマ化を経て、今年でシリーズ誕生から10年目。ついにこの4月から待望のseason5がスタートする。
(※ビデオリサーチ調べ)

と、真面目に書くとこのような感じになるのだが少々補足を。

このドラマはよくある刑事ドラマと少々異なる。もちろん、刑事も犯人も登場するがポイントになるのは被害者だ。普通の刺殺体や撲殺体はあまり登場しない。奇抜な殺害現場やアイテムに驚きの連続である。そしてもう一つ、設定はバラバラだが、遺体発見から解決までの流れがほぼ毎回同じにも関わらず、決して飽きることのないストーリー展開。最高レベルのルーティンが毎週繰り広げられている。

【だいたいの流れ】
①警視庁の空撮→警視庁の中にいる捜査一課長・大岩純一の手元の電話が鳴る
②「一課長、大岩。何? ●●●●●を握ったご遺体が!? わかった! すぐ臨場する」
③事件現場とされる都内の区や市の地名と地図が出る。
④一課長、現場到着→現場検証→捜査開始。
⑤特別捜査本部を設置→多数の刑事を前に一課長が「必ず、ホシをあげる!」と叫ぶ。
⑥捜査続行→容疑者っぽい人物が登場。
⑦容疑者っぽい人物の証言をもとに捜査続行。
⑧捜査行き詰まる→笹川刑事部長(本田博太郎)が登場、助言を与える。
⑨一課長、自宅にて妻・小春もしくは猫のビビからヒントを得る→ひらめく。
⑩容疑者っぽい人物とは異なる、それまでちょいちょい映っていた人物が逮捕され、事件解決。
(※すべてがこのパターンでなく、流れの順序も入れ替わることや捜査本部がない場合もある)

私がいつも楽しみにしているのは主に②と⑤と⑧である。

電話の向こうのご遺体待ち


番組スタート直後に、電話を受けた捜査一課長が「何?●●●●●●●ご遺体が!? わかった!すぐ臨場する」と、現場へ向かう流れになるのがほぼ毎回のお約束。注目すべきは「●●●●●」の部分に入るもの。ご遺体の近くには事件解決のヒントとなる何かが必ずある。特に何かを握っていることが多い。

ご遺体が握っているものはさまざま。昨年に放映された「警視庁・捜査一課長2020」(※以下「2020」)を振り返っても「割引シール」「餃子の皮」「石ころ」「ナタデココ」「謎の消しゴム」」と、ご遺体の皆さま、いろいろと握り過ぎ。他にも「自分で墓穴を掘ったご遺体」「アンパンまみれのご遺体」「100人の恋人がいるご遺体」など、不思議シチュエーションのご遺体が見つかること多数。

心の中で「さて、今週のご遺体は?」と、ついついサザエさん的な感覚で期待してしまう放送前(やや不謹慎)。そして、今までその気持ちを裏切られたことはあまりない。私たちは一課長の部屋の電話が鳴るのをひたすら待つ身だ。

偉いけどヤバい刑事部長と可愛いビビちゃんも見逃せない


他にも、一課長の上司にあたる笹川刑事部長(本田博太郎)の神出鬼没っぷりも外せない。予想できぬ場所から、あり得ない姿(キラキラな鳥など)でいきなり出現しては、捜査に行き詰った一課長に解決のヒントを授ける。新宿中央公園の噴水の中からガチ濡れで登場した回(「2020」第14話)には驚いた。都庁のお膝元で、警視庁の刑事部長がそんな事を……、と。

そしてもう一つ、一課長の愛猫・ビビちゃんが最高に可愛いので、猫好きの方にも強めにおすすめしたい。ただし、ビビちゃんは可愛いだけの猫ではない。激務の中、帰宅した一課長がビビちゃんから事件解決のヒントを得る大活躍パターンもたまにあり。素敵なヒントをくれるのはビビちゃんだけでなく妻の小春(床嶋佳子)からも。一課長は家族に支えられている。

各エピソードのタイトルが素晴らしい


何かを握ったりしているご遺体と並んで、好き過ぎて震えるのが各話のタイトルだ。昨年放送されたシリーズ「2000」の中から、気になったものをいくつかピックアップしてみた。

「3割引シール殺人!? 絶対怒らないクレーム処理女の謎」(2020年第3話)
「ナタデココは見た!? 高輪ゲートウェイ駅殺人ルートの謎」(2020年第8話)
「埋蔵金1万円殺人!? 密室トリックと恐怖の味噌汁の謎」(2020年9話)
「ヤギは見た!? 都心でメェ〜と鳴いた4人の美人容疑者」(2020年12話)
「殺人トリックを実演販売!? 生卵をゆで卵に変えた美女」(2020年14話)

(いずれも『警視庁・捜査一課長2020』より)

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