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『カーナビラジオ午後一番!』パーソナリティー・YASUにとっての「北海道」【全国ラジオ特集 発売記念⑥】【無料記事】


※現在発売中の「別冊TV Bros.全国ラジオ特集powered by radiko」で掲載中の特集から、未公開トークや追加取材を交えた特集をお送りします。


北海道で大人気の午後ワイド『カーナビラジオ午後一番!』。人に温かく、時に世の中の話題にピリリとスパイスを効かせたコメントをするYASUと、いつも朗らかな山根あゆみのコンビが大人気。今年4月で25年目を迎えた番組と、北海道の魅力について改めて迫った。

取材・文/やきそばかおる 撮影/ツダヒロキ

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北海道の人たちの人柄と落ち着いた状況の中で
暮らすうちに人間らしくなった

――YASUさんはもともと深夜番組のパーソナリティーを務めていたんですよね。

『カーナビラジオ午後一番!』がスタートしたのは僕が35歳の時。その前は昼の番組のリポーターと深夜番組のパーソナリティーをしていました。深夜番組では馬鹿話もしていましたが、昼の番組を始めるにあたり、スーツとネクタイ姿で喋った方がいいと思ってスーツを5着ほど買いました。ところが3日ほど経って僕がスーツ姿で喋っていると全然面白くならないことに気付いたんです(笑)。「僕が目指すのものはそういうことじゃないな」と思って、それ以来は1年中Tシャツを着てます。冬でも喋っていると汗をかきますからね。

――番組では世の中の出来事に対して、YASUさんが1歩踏み込んだ話をされますね。

はじめの頃はニュースに対する私見をあまり言わなかったんです。すると「YASUさんの意見はどうなの?」という声が多くなってきて、ある程度踏み込んだコメントをするようになりました。ただし、どこまで踏み込んでいいのかが難しくて、今でも探っている日々です。番組を通じて人とやり取りをする時もどのようにすれば楽しくなるか、模索していますね。爆笑問題のラジオの特別番組で太田光さんと話した時は、太田さんの方からイジってきてくれて喋りやすかったり、仕事でTBSの安住紳一郎さんにお世話になった時は、僕が遠慮していたら安住さんから「もう少し突っ込んできていいですよ」と仰ってくれました。間合いの取り方に敏感な方だと思いました。

――YASUさんが東京から北海道に引っ越して25年になりますが、“北海道の良いところ”はどんなところですか?

皆さんの性格が穏やかなところですね。東京はテンションを高くしていないとこの業界では残れないところがあるんです。僕は東京で10年ほどテレビの仕事などをさせてもらいましたが、テンションが高くないと負けた感じになっちゃうんです。もちろんそうではない人もいます。例えば、太田さんやオードリーの若林(正恭)さんみたいに飲みに行かずに終わったらすぐに帰るという人もいますが、基本的にはテンションを高くしていないといけない気がしていて、僕自身、疲れることがありました。その後、所属するバンドが解散したり今後の仕事も不安定になってきた時に週に1度、HBCの番組にお世話になることになったんです。東京は厳しいし、実家の群馬に帰ってもすることがない状況で東京と北海道を往復するうちに、北海道で自然に受け入れてもらえるようになりました。その後、東京の彼女と結婚して北海道に移住。翌年の1996年に『カーナビラジオ午後一番!』が始まることが決まりました。東京でしかできない仕事もたくさんあると思うんですけど、生活していくなら北海道が1番ですね。落ち着いた状況の中で暮らすうちに人間らしくなりました(笑)。

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テレビでは感じられない
ラジオのリスナーとの心の距離の近さ


番組では毎年年末に「カーナビ紅白歌合戦」を行っている。番組の出演者をはじめ、HBCラジオの社員や関係者も出演して盛大に開催。既に21回開かれている大人気の企画だ。

――「カーナビ紅白歌合戦」を聴くと、HBCラジオの皆さんの普段からの関係性の良さが伝わってきます。

リスナーの皆さんに1年間の感謝の気持ちを表すべく、なぜか歌ったり踊ったりしてます(笑)。今はロビーで公開形式でやっていますが、最初はスタジオに入れ代わり立ち代わり来て歌ってもらっていて、そのうちロビーにお客さんを招いて公開で行うことにしました。

――先ほどは北海道の良さをお聞きしましたが、リスナーの皆さんの特徴はありますか?

おっとりして純朴。その性格が僕の番組と合ったんじゃないかと思います。農業や漁業などの作業中に聴いている人も多いからか、ありがたいことに根強いファンも多いです。あと、これは北海道だけではないかもしれませんが、僕を街で見かけて気さくに話しかけてくれる人は大抵ラジオで知ってくれた人です。それだけ心の距離が近いということですね。テレビで知ってくれた人は指を差すだけで近寄ってきません。以前、街でサラリーマン風の方に「あ、YASUさんだ!」って言われて「スポンサーの人かな?」と思って「どうもどうも!」って言ってたら「いつもラジオ聴いてますよ」って言われて「リスナーさんですね。ありがとうございます!」というやりとりをしました(笑)。道内のいろいろな地域に仕事で行くと、打ち上げで焼鳥屋とかに行くんですけど、初めて会った青年団の人がリスナーだったりすると、番組のことを愛してくれているが故に初対面でも「YASUさん、ここをこう直したらもっと番組が面白くなるよ」とダメ出しされます(笑)。

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<プロフィール>
YASU(やす)●1960年群馬県生まれ。東京でミュージシャンとして活動後、1996年より『カーナビラジオ午後一番!』(HBCラジオ)のメインパーソナリティーを務める。また、声優としても活動し、映画『ファインディング・ニモ』などに出演。


<番組情報>
『カーナビラジオ午後一番!』
北海道・HBCラジオ 毎週月~金曜後0・00~4・00
出演 YASU 山根あゆみ 大森俊治
●『北海道の午後に笑いと涙と興奮を!』をコンセプトに、北海道の情報から芸能ニュースまで幅広いテーマでトークを展開。年末のレギュラー放送最終日の放送では『カーナビ紅白歌合戦』と題して、パーソナリティーからHBC社長までが扮装して歌う企画も。

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▲取材時に偶然通りかかった山根あゆみとのツーショット。


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