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集大成のその先が大事だと思っているので、期待していてください!【2022年4月 フィロソフィーのダンス「偏愛記」】

フィロソフィーのダンスによる連載「偏愛記」。メンバー全員が登場し、最新アルバム『愛の哲学』について、そして先日、十束おとはの卒業と、新メンバー募集を発表したばかりのフィロソフィーのダンスに、今の率直な思いを聞かせてもらった。


取材&文/南波一海 撮影/飯田エリカ


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――十束さんに卒業発表直前にお話しをうかがいましたが、発表後はどうでしたか。気持ち的にスッキリできましたか?

十束おとは 考えていた年数が長かったのでやっと発表できたという実感はありました。ネガティブな意見もあるかなと予想していたんですけど、ファンのかたが想像以上に温かくて。11月まで応援するし、その先のフィロソフィーのダンスも応援すると言ってくれるかたが多かったので、本当にファンのかたに恵まれているなというのが率直な気持ちです。新メンバーオーディションに関しては、4人でやってきた期間が長いので反対意見もあって当然なんですけど、私たちも審査に関わらせてもらうので、しっかり選んで、その子を育てていきたいなという気持ちになっています。

――十束さんから卒業発表のコメントがあって、そのあとにインタビュー記事を公開して。それ以降もオンラインライブで話したり、インスタライブもやっていましたよね。何度も説明していたのが十束さんらしい丁寧さだなと感じました。

十束 卒業発表は18時ちょうどにしたんですけど、そのときにみんなでグループ通話していて、怒られたんですよ。

――怒られた?

十束 「通話に加わるのが遅いよ」って(笑)。私、ツイートしなきゃいけないのに!

日向ハル だって約束したじゃん。グループ通話しながらそのときを迎えようねって。

――いい話!

奥津マリリ その前まで会ってたんですけど、夕方以降は一緒にいなかったので、それぞれがそわそわしていて。「みんなで通話しよう。じゃあ18時ね」と決まったんです。

日向 はす(十束)がいないところで勝手に通話することを決めてて(笑)。

十束 知らなくて、ひとりでめっちゃドキドキしてたら「LINE通話始まりました」みたいになってて。それで入ってみたら「遅いよ」って怒られて。本当に変な人たちだなと思いましたよ(笑)。

――そこで反応を見て、話し合ったりして。

日向 はい。温かい人が多いね、みたいな話をしてました。でも、発表当日は、本当に現実だったんだ……みたいな、傷口を見て痛くなるみたいな感じではありました。わかってたのにダウナーモードにはなりました。寝たら元気になりましたけど。

十束 睡眠って大事だね。

日向 でも、はすが辞めても、私たちは心で繋がってるんでね。

佐藤まりあ 急にどうしたの(笑)。

――それらしいことを言わないでいいですよ! 今回はついにメジャー1stアルバム『愛の哲学』リリースということで、じっくりと作品について語っていただきたいと思っています。

日向 どうでしたか?

――アルバムを通して聴いてみると、特定のジャンルに寄りかかることなく、どんなものを歌っても自分たちのものにできているという自信のようなものを感じました。

日向 嬉しい。それはよいことですね!

奥津 仰ってくださったように、バラエティに富んだ1枚になったな、というのが率直な感想です。これまでのシングル曲たちとアルバムの新曲が半々で入っていて。いままでは出してきた曲をまとめるだけのアルバムが多かったんですけど、今回は新規収録曲も多くて、新たな気持ちでドカッと新曲を歌っているのがみんなにも喜んでもらえるんじゃないかなと思ってます。

日向 こうして振り返ってみると、ほとんどの曲で誰かとコラボしていて。本当に恵まれた、楽しい1年半だったなというアルバムでもあるし、同時に、みなさんの力を借りて出すことができたので、もっと頑張らなきゃいけないという気持ちを引き締め直すことができる作品でもあります。

佐藤 どれも見せかたにこだわっていて。例えば「ロック★with you」はバスケットボール女子日本リーグ“Wリーグ”の公式応援ソングなので、振り付けは強めの攻めたものになっているし、新たなことに挑戦しようということで、ダンスチームのTeam“S”さんとコラボして踊ったりもします。私たちにとっては初めてダンサーのかたを交えて作品を完成させて、配信ライブで披露されるんです(4/21に開催される配信ライブ「フィロのス ★with you」)。曲の幅が広がったからこそ、できる表現が増えたのがよかった点だなと思ってます。

十束 まずはみんなで1年半、メジャーで頑張ってこられて、これだけ多くの曲を作ってもらえたことと、インディーズ時代の曲も入れてもらえて、集大成となるようなアルバムを作らせてもらえたのが嬉しいです。ラップしながら踊る曲とか、7年目にして新たな挑戦できて楽しいなと思える瞬間も多かったですね。ツアーも発表されて、アルバムの曲をどうパフォーマンスするんだろうという期待をして来てくれる人も多いと思うので、ちゃんとしたものを見せないといけないという緊張感も生まれ始めているところです。

――アルバム用の録りおろしが多いという話が出ましたが、以前、1枚のシングルを作るのにたくさんのプリプロをするという話をしてくれたじゃないですか。もちろんアルバムもそうですよね。

十束 そうです! 一時期、えげつない量のプリプロをやっていて。

佐藤 去年の秋くらい?

日向 うん。その頃は常に摸索している感じだったかもしれない。

奥津 アルバム曲が決まるまでがね。プリプロだからと言って手を抜くことなく、これまで通り1曲1曲大切に歌って。「誓い合ったんだってね、LOVE」は詞先の曲だったので、歌詞にハマるのはどれかということで同じ歌詞で違う曲を4パターンくらい歌ったんです。

日向 それはさすがに初めての経験だったね。

奥津 パッと聴きでいいなと思っていた曲と、実際に4人で歌ってみて、仮で歌割りをはめてみて聴くのとでは全然聴こえかたが違う曲もあったりして。プリプロの必要性を改めて感じることができました。

――ここにあるアルバムの新曲5曲も、ただ5曲を録ったわけではなくて、そういった途方もない試行錯誤を経て残った曲ということですよね。

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