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まだ、PRODUCE 101 JAPANは終わっていない…!  JO1に続くネクストグループが続々誕生!【6月号音楽コラム】

今回は次世代メンズグループにも詳しいエンタメ系ライターの吉田可奈さんに、自身もどハマりしたという『PRODUCE 101 JAPAN』から飛び出したネクストグループについてとことん語り尽くしていただきました。

文/吉田可奈

よしだ・かな●エンタメ系フリーライター。著者本「うちの子、へん?」 「シングルマザー、家を買う」(ともに扶桑社)が発売中。音楽、映画、声優、舞台、アイドル、オタク事が得意。


 大ブレイク中のJO1を生んだPRODUCE 101 JAPAN。そこで惜しくもデビューを掴めなかった90人が、新たな一歩を踏み出している。一度大きな挫折を味わっているからこそ、より強くなった意思と想いを胸に結成された新たな“ネクストグループ”を紹介したい。



 2019年9月からGyaOで配信されたオーディション番組PRODUCE 101 JAPAN。どこの事務所にも所属していない“素人”という応募条件で集められた6000人の中から選ばれた101人は、最終回が配信された2019年12月までの3ヵ月間、全員がライバルという追い詰められた状態でいながら、友情を育み、時に対立しながらも”練習生”として成長を遂げていった。”国民プロデューサー”と名付けられた視聴者の投票数でランキングが決まるため、順位発表の場で仲の良かった練習生たちの明暗が別れてしまう。勝利を掴んだメンバーも、敗退したメンバーも、お互い抱き合い、泣きながら、「がんばって」と相手を称え、声をかけ合うシーンを見て一緒になって泣き叫んだ視聴者も多いはずだ。


 そして、人気投票を勝ち抜いた11人が、今をときめくJO1として大活躍を果たしている。デビューシングル『PROTSTAR』が初週売り上げ32.7万枚を売り上げ、女性誌はもちろん、男性ファッション誌や音楽誌などに数多く露出し、絶好調のスタートを切ったが、その直後にSTAY HOME期間となり、大事なプロモーションの時期を逃してしまったように思えた。



 しかし、日本では珍しくメンバー全員が同じ宿舎に住んでいることを活かし、自宅からダンス動画やJAM(=ファンネーム)のためにジャムを作る動画などを配信するなど、毎日の様に何かしらコンテンツを提供してくれている。ちなみに、『めざましテレビ』(フジテレビ系)では全員がそれぞれの部屋で1曲パフォーマンスをして編集するという、前例のないパフォーマンスも披露。6月3日発売号のananの表紙も、宿舎でそれぞれソーシャルディスタンスを取り撮影をするなど、本当にいまだからこそできる活動を続け、ファンを飽きさせることない日々を送っている。

 JAMの熱量も高く、リーダーの與那城奨が公式SNSにてエコーヒーカップを紹介し、毎朝コーヒーを飲んでいることを明かすと、その後数時間で同じ柄のマイタンブラーが売り切れ(そのコーヒーをドリップしていた6万円越えのコーヒーメーカーを買う大人なファンも出現)。それに続くように他のメンバーが紹介した私物が、プロモーション商品ではないにもかかわらず売り切れが続出するなど、その経済効果もさすがだ。

 そんな熱狂的なファンを生んだ『PRODECE 101 JAPAN』の、残る90人を世間が放っておくわけがない。現在は、多くの“ネクストグループ”が発表されている。

 先日、番組のなかでも圧倒的な人気を得ていた本田康祐、佐野文哉、浦野秀太、中川勝就の4名が『OWV』を結成。そして、JO1が所属する事務所の親会社である吉本興業に所属するという、ファン垂涎のニュースが発表された。アニキとして慕われていた本田と、『PRODUCE 101 JAPAN』に出演する前から親交があり、いいライバルとして切磋琢磨してきた佐野文哉が同じグループになるという展開も、胸を熱くさせた。さらに、JO1の川尻蓮から歌声を認められたことで注目を浴びた浦野秀太と、圧倒的なダンスのテクニックを持ちながらも、早い段階で落ちてしまったことに多くの人が疑問を抱いていた中川勝就がここで合流するのもたまらない。彼らは原石ではなく、すでに実力を持っている。名前の意味も、Our only Way to get Victory(=勝利を勝ち得るための私たちの唯一の方法)の大文字の部分を取ったOWV。すでに生配信番組もオンエアされ、新しい一歩を踏み出している。(編集部注:年内にユニバーサルミュージックよりデビューすることが6月3日に発表された


 全員が存分にデビュー圏内だったにもかかわらず、番組後半で辞退をしてしまった韓国グループHaloのメンバーだったキム・ヒチョン、チョン・ヨンフン、キム・ユンドン、そして12位で脱落した宮島優心、みんなから愛されたムードメイカー大澤駿弥、圧倒的な歌唱力とその顔の良さで誰もがデビューを確信していた安藤誠明、ラップの上手さでは頭ひとつ飛び抜けていた上原潤。そんな7名で結成されたのが『ORBIT UNION』。全員がデビューしてもおかしくないレベルの高いメンバーだったため、国民プロデューサーたちはそのニュースに大興奮。現在は所属事務所が明かされないままファンクラブも立ち上がっているが、具体的な活動はまだ発表されていない。個人のインスタライブ(とにかく仲が良くて距離感がおかしいところがたまらない)を中心に、ファンクラブ内でのメッセージも見ることができる。誰もが彼らの音楽を、パフォーマンスを早く見たいと願っている。


 TVガイドdan(5月22日発売 vol.30)に撮りおろしグラビアが掲載された『Boom Trigger』は、番組が終わってすぐにYouTuberとして始動した岡野海斗をはじめ、安藤優、稲吉ひかり、大水陸渡、結城樹の5名でのグループ結成を発表。すでにK-POPとJ-POPを融合させたK・J-POPの確立を目指すと公言。韓国を代表するK-POPグループ、Block Bが日本で所属するWORLD ENTERTAINMENTで活動していくことが決定した彼らだからこそ、その夢を果たす日は遠くなさそうだ。個人的には、圧倒的なMC力を持つ岡野のパーソナルな部分を活かした番組なども期待したい。


 さらに、今後グループ名が決まることが発表されているNew Unit Project2020には、青木聖波、古屋亮人、西尾航暉、岡田武大、高野慧の5名の参加が発表されている。歌、ダンス、楽曲、映像で夢を叶えるために指導する新しいボーイズユニットということだが、4月20日に発表されたばかりのため、詳細は不明。これからの活躍に期待したい。


 そして、先日、北川玲叶と井汲大翔が脱退してしまったBXWには、北岡謙人とグレチェスタケルが所属。ダークなカッコよさ(ブラック)と無垢な可愛さ(ホワイト)をかけあわせた名前が由来なんだとか。すでに発表されているアーティスト写真では、とびきり可愛らしいビジュアルを披露。今後どんな展開を見せてくれるのか、吉報を待つことにしよう。


 このように次々と新しいグループが発表されていく中、先日吉本興業のグループ会社の”株式会社Showtitle”に、宮⾥⿓⽃志(タレント名は宮里ソル)、福地正(タレント名はA.rik)、中本⼤賀、瀧澤翼、⼭⽥恭、草地稜之、中林登⽣、中⾕⽇向、熊澤歩哉が所属を表明。それぞれ人気メンバーだっただけに、SNSでは歓喜の声が沸いた。瀧澤翼に関しては、“ひとりたきつば”として人気を博していただけあり、トレンドに“タキツバ”とあがるほど。タッキー&翼のファンが“なぜ?”と検索し、彼の存在を知るという微笑ましい一幕も。さらにA.rikこと福地正は、すでにファッションブランドを立ち上げており、グッズなども販売している。今後彼らは俳優、声優、ファッションなど、それぞれの個性を生かした活動をして行く模様。


 番組終了後、101人はそれぞれ新たな夢を追って新たな一歩を踏み出した。その道は違えど、同じ期間、ひとつの夢を目指して汗と涙を流した彼らには、きっと素敵な未来が待っているに違いない。いや、そう思いたい。

 

 時折、彼らをJO1と対比し“負け組”と表現されるケースもあるが、その言葉は使ってほしくない。一度チャンスを逃したからこそ、より強い決意で、新たなグループに全身全霊を注いでいる、新しいグループなのだから。


 そして、忘れてはいけないのが、彼らのその軌跡である『PRODUCE101JAPAN』がまだGyaOで視聴可能だということ。いまのところ、8月19日までの配信となっているので、未見の人はぜひ見てもらいたい。そして、何度も見ている人たちは、このまま何度でも再生し、公開が終了されるその日まで、その軌跡と奇跡を目に、脳に刻み込んでもらいたい。



彼らをより深く知るための3曲


『無限大』JO1

記念すべきデビューシングルのリード曲。彼らの無限大の可能性を楽曲に込めた力強いダンスナンバー。圧倒的な映像美と、深読みしたくなるMVはあっという間に再生500万回越えに。



『やんちゃBOYやんちゃGIRL』


番組中のコンセプトバトルで使用されたとびきり愛らしいポップソング。JO1では大平祥生が参加。ここまで甘くて可愛らしい楽曲をぜひいつかJO1でも披露してもらいたい。そのほか、ORBITからは宮島優心、Showtitleに所属した福地正が、まだ今後が発表されていない今西正彦、小松倖真、佐藤隆二、北川玲叶が参加。このやんちゃのメンバーは本当に有望な人材が多いからこそ、他のメンバーの今後の活躍を期待したい。



『YOUNG』


ファイナルで『Grand Master』とともに歌われた楽曲。セクシーさと力強さが相まって、彼らの魅力を思いきり引き出していた良曲。JO1としてカバーし直されていないので再収録に期待。JO1は川尻蓮、白岩瑠姫、大平祥生、木全翔也、與那城奨、鶴房汐恩が参加。ORBITは宮島優心と安藤誠明が、OWVは本田康祐が参加。


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