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まさに彼女らが”ベストフォー”! フィロソフィーのダンスインタビュー

アイドルファンのみならず、音楽ファンからも注目を集めてきたフィロソフィーのダンスが、結成5年目についにメジャーデビューを発表! この5年間の思いから、最新曲『シスター』についてもたっぷり教えてもらいました。(この記事はテレビブロス2020年3月号に掲載されたインタビューを再構成したものです)

取材&文/吉田可奈 撮影/池田博美

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――2020年にメジャーデビューすることが発表されましたね。

十束おとは 結成して5周年のタイミングでメジャーデビュ―というのは、ライブアイドル業界から見たら正直遅いスタートだと思うんです。でも、この5年間、しっかりと基礎力を上げてきたからこそ、自分たちも自信があるし、誰もが安心できるメジャーデビューになったのかな、と。もともと私は、歌もダンスも経験のないなかでスタートしたので、最初の数年はずっと“みんなに追いつかなきゃ!”という焦りが強かったんです。でも、今はこの4人が“ベストフォー”と言われているように、4人の個性がしっかりとあって、ちゃんと“フィロソフィーのダンス”が出来上がってきているので、“待った甲斐があった”と思ってもらえるデビューだと胸を張って言えます。

佐藤まりあ もちろん、周りのメジャーデビューを果たしたアイドルさんを見ていて、“私たちはいつデビューできるんだろう”という焦りの気持ちはありました。でも、結成間もないタイミングでメジャーデビューをしていたら、覚悟も浅かったし、実力も伴っていなかったと思うんです。それでも、ファンの皆さんはメジャーデビューを待っていてくれたようで、2019年12月17日のライブ中に発表をしたら、泣いて喜んでくれたんです。その顔を見たら、私の中のアイドルスイッチが切れて、ついもらい泣きをしてしまいました。フィロソフィーのダンスに加入する前も入れたら、私は9年間アイドル活動をしてきたんですが、そのすべての月日が報われたと思える瞬間でした。

日向ハル 振り返ると、この下積み期間は絶対に必要なものでした。この期間があったからこそ、メンバーである私たち自身がより、フィロソフィーのダンスというグループを好きになりましたし、メンバー同士にも強い結束が生まれたんです。今でこそ、この4人のピースはしっくりハマっていますが、結成当初は正直なところ、お互いズレているなって感じることも多くて。みんなが探り探りでしたし、気も使いすぎていたんです。でも今は、ちゃんと自分たちの立ち位置もはっきりとして、ものすごく信頼ができる仲間になれたんです。

――ちなみに、それぞれどのような立ち位置なのでしょうか。

奥津マリリ (日向)ハルちゃんの歌声は、年々どんどん太くなって、アイドルとは思えない実力があり、我がチームの特攻隊長としての役割を担ってくれています。かと思えば、しっかりとアイドルをしているあんぬちゃん(佐藤まりあ)がいて、そのなかでさらにビックリするようなアニメ声を持つおとはがいるんです。この3人は音楽性も相反しているのでいろんなジャンルに対応しているんですよ。そこにひとり、エッチなお姉さん枠として私がいるという、どの方向性のオタクにも順応できる仕上がりになっています(笑)。

――それってアイドルとして最高のメンバー構成じゃないですか!

日向 私もそう思います(笑)。メンバーみんなが、活動していくうちにそれぞれが自分のキャラを確立していったんです。もともとルーツが違うので、そこを活かしたキャラになったからこそ、ぶつからなかったんだと思うんですよね。

――その流れで行くとエッチなお姉さん枠にもルーツがあるということに……!

奥津 それは変えがたい事実なので仕方がないです!

――そうか……。成長期を大事に過ごしてきたんですね……。

奥津 ご指摘の通りです(笑)。

十束 そんなキレイな表現、初めて聞きました(笑)!

――でも、MVや音源などからフィロソフィーのダンスを知ると、ものすごくカッコいいファンキーな音楽性が先に知識として入ってきて。その後に4人のキャラを知ると、なかなかのギャップがありますよね。

十束 あはは。私自身、もともとアニメソングや電波ソングなどが大好きで。グループに入ったばかりのときは、普段聴いてるものから180度違う角度の曲ばかりだったので正直受け入れるのに時間がかかりました(笑)。でも、何歳になっても歌える素敵な楽曲ですし、アイドルフェスなどで歌うと、いい意味で浮くので、耳に残りやすくて、覚えてもらいやすいしで、今はすごい“武器”をもらったんだな、と。

佐藤 ファンクって、年上の方は懐かしく感じるし、同世代〜年下の方は初めて聴く人も多いからこそ、新しさを感じてもらえるみたいで。その両極端な感想をもらえるのは、私たちの強み。今後もファンクを中心に歌い、懐かしさと新しさを広めていけたらいいなと思っています。

日向 それに、アイドルファンじゃない方にも勧めやすい音楽だと思うんです。

佐藤 そうだね。フィロソフィーのダンスを始めてから、自分の音楽偏差値も上がった気がします。

――その感覚、すごくわかります。“フィロソフィーのダンスを聴いているとオシャレ”という感覚を持ってもらえるのは大事ですよね。

佐藤 そう思ってもらえたらうれしいですね。それに、バンドさんとの対バンも多いんですが、なかでもScoobie Doさんと対バンしたときに、ファンを巻き込む力とライブパワーの強さに圧倒されたんです。そこで、私たちもライブに対する考え方が変わったんですよ。これからも、いろんなジャンルの方から刺激を受けて成長していきたいです。

日向 グループって、いろんなフックがあればあるほどいいなと思っていて。たとえば、顔がいい、衣装がかわいい、歌がいい、個性があるというなかで、“曲がいい”というのはすごく強いフックだと思うんです。私もこのグループに入って、歌声もガラッとかわったので、ファンクと出会えてよかったなと思っています。

――最新曲「シスター」も、とてもカッコいいですよね。

奥津 今までで1番グルーヴィーで、より難しい曲になっているんです。毎回、リリースごとに自分たちが今乗り越えられる少し上のハードルの曲をいただけるからこそ、この曲によってさらに成長できた気がします。

十束 エゴサーチをしていたら、”今まで1曲も刺さらなかったけど、「シスター」は刺さった”というツイートがあったんですよ。いろんな意味で“マジか!”とは思いましたが(笑)、まだまだ伸びしろがあるグループなんだということが純粋にうれしかったんです。ちゃんと“見ているよ”という意味でファボを押したら、フォローしてくれて、今ではファンになってくれたようです。

佐藤 すごくうれしいけど、そんなこと、おとはにしかできない(笑)。

十束 (笑)。でもありがたいことだよね! 好きになってくれるのは本当にうれしい! これからもどんどんファボして、ファンを捕獲していきたいと思います(笑)。

一同 (笑)。

日向 あとは、普段の私たちのダンスって、ガニ股で踊ったり、変顔をしたりと、全体的にふざけた振り付けが多いんです。でも今回はダンスの面でもステップアップしようということで、TLCをイメージして先生が振り付けをしてくださいました。そしたら奇跡的に変顔もガニ股もなかったんですよ! 

――基本が変顔とガニ股だったんですね(笑)。

日向 そうなんです(笑)!

佐藤 ファンの方も、すごく気に入ってくれていて、「他のグループがこの曲を歌っていたら嫉妬していた」と言ってくださったんです。私もそう思うくらい、すごく好きな曲なんです。

日向 さらに、今回は女性同士の恋愛について歌っているので、親指と小指を使って歌詞にリンクさせた振り付けもあるんです。そこにも注目して見てもらいたいです。

佐藤 ファンの方たちが“百合”要素に気づいた瞬間、ざわめいたよね。

十束 百合や二次元が好きなファンの方たちが、そこについて語りたいということで、特典会でアニメ好きな私の列に並んでくれたんです。“これはあの作品のカプのことですか!?”って来たときは”私が作詞したわけじゃないからな……”と戸惑いつつも、とってもうれしかったです(笑)。

――でも、グループに1人そういったことも受け止めてくれるメンバーがいるのは強いですよ。

十束 そうなんです! 「シスター」ではみなさんの欲望の受け皿になりました(笑)。この曲でみなさんの妄想が掻き立てられたのなら、オタクの私としては本望です。

――では、最後に今年の目標を教えてください。

奥津 今まではアイドル業界で戦ってきましたが、今年はもっと広い意味での音楽業界に切り込んでいきたいです。これまで出ていなかったイベントやフェスにも呼んでもらえるようなグループになりたいと思っています。あとは、衣装もさらにこだわっていきたいですね。

佐藤 いつも私たちが提案したものを衣装さん(しげたまやこさん)がまとめて作り上げてくれるんですが、本当に素晴らしいんです。

奥津 今回も、“武士の鎧みたいなのがいいです”と言ったら“タコさんウインナーみたいにしようか”となり、結果的に“冷蔵庫の冷気を逃がさないビラビラ”みたいになって、本当に素敵な衣装が仕上がったんです!

――あはは! 

日向 プライベートではメンバーみんなで旅行したり、テーマパークへ行ったりを年1くらいでしているので、今年もどこかへ行きたいですね。

――そのオフショット、ファンは絶対に見たい!

日向 推しが仲良くしているのって1番幸せじゃないですか。実際に私たちは本当に仲が良いので、その空気感も伝えていきたいなと思っています。

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ふぃろそふぃーのだんす●2015年に結成。コンテンポラリーなファンク、R&B、歌詞には哲学的なメッセージを込めるというコンセプトで活動を開始。奥津マリリ、佐藤まりあ、日向ハル、十束おとはによるアイドルユニット。ナンバーガール、Base Ball Bear、相対性理論などを輩出した加茂啓太郎がプロデュースを担当。

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