第18回 劇画狼が選ぶ、来年単行本が出そうなオススメ作品いくつか!
ということで! どこにもいない皆様お待たせしました!
もう来月になったらいろんな所で年末のマンガランキングが発表される時期になるので、それに先駆けて、そのランキング予想とは関係なく「単行本まだ出てないけど今年いいマンガが始まってるから来年楽しみ!」というものの中から、もちろん暴力と殺戮の作品をいくつか挙げていきたいと思います。
まずは『ゲモノが通す』ですが、これはいいですよ。
寝る時間以外は全部現場作業をしている人間だけができる思考とコミュニケーション。圧倒的な熱さが反一方的に異常に伝わって、理解できないまま凄まじいので最高です。
魔法×任侠!『極道ファウスト』も素晴らしい。
横尾先生のマンガはキャラ名も技名も、全部飾りすぎない「最初のかっこよさの結晶」みたいなものの塊なので必読です。
いい意味で「お前らどうせ難しいこと描いても理解できねえんだろ!?」という圧がすごく心地いい。だって俺たちはバカだから。
『ドゲドウ』も絶品。
死刑囚同士の御前試合でしょう? 冒頭で何の罪もない人が死ぬでしょ?
そして殺人力士が出るでしょ? 登場するキャラクターの魅力を伝えるために「まず人が死ぬ」でしょ? もう褒めるところしかないじゃないですか。全員読んでください。
全展開容赦ないといえば『桃太郎殺し太郎』。
荒さと色気のバランスが奇跡。おそらく今後も「無残に死ぬためだけに考えられた魅力的なキャラ」がいいタイミングで出ては死ぬ予感しかしないのでこれはもう見逃す手はない。
これは縦読み専用のマンガなので単行本にはならなさそうなんだけど、『天神回線』未読の方は是非読んでほしい。
ドット絵作画ですよ。ゲームボーイカラーとかメガドラの画面でコミックボンボンに載ってるノリでポストアポカリプスですよ。心の中の全10歳児が大歓喜じゃないですか。
『Beautiful place』はもう説明不要でしょう。
セーラー服と膝プロテクターの組み合わせは至高。その日のノリで入れたい場所に入れたタトゥーのバランスも最高としか言い様がない。最高です。
『BADDUCKS』もオススメです。今後どう考えても誰も幸せにならなさそうなお膳立てが整ったところなので大期待。
作画/真じろう 原作/原田重光『新約カニコウセン(1)』(白泉社)※ヤングアニマル で連載中
岡田淳司『双生遊戯(1)』(講談社)※週刊ヤングマガジンで連載中
先月の新刊に関しては『新約カニコウセン』が、巨大蟹を関節技で捕獲する力技の再構築ですごく良かったのと、『双生遊戯』については、とにかく未読の方は試し読みの第一話の美しさを体感してください。登場キャラだいたい自由に狂ってて読んでて気持ちいいので。
ということで! 個人的にはこのあたりの作品を「来年盛り上がってほしいなー」と思いながら読んでいるので、1巻が発売される際は皆さん手に取っていただければと思います。
暴力と殺戮をお約束!
げきが・うるふ●マイナーマンガ紹介ブログ・なめくじ長屋奇考録の管理人&特殊出版レーベル・おおかみ書房編集長。12月の画廊モモモグラは「タケダサナ展」です。12/18(木)~1/9(日)!https://www.momomogura.com/
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