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やっと時代が俺に追いついた ──愛され力No.1芸人 狩野英孝

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ラーメン、つけ麺、僕イケメン! オケーイ! このキラーフレーズでキラ星のごとくお茶の間を席巻してから、幾年月。そこから紆余曲折を経て、狩野英孝が辿り着いた場所、それがYouTubeでのゲーム実況とクセの強すぎる歌ネタだった──。
2019年の大晦日に開設したYouTubeチャンネル「EIKO!GO!!」は今では76万人の視聴者を誇り、『千鳥のクセがスゴいネタGP』などで披露した歌ネタは大反響。『ロンハー』から誕生した50TAも10年以上続く人気企画となり、なんだかんだで芸人仲間からも視聴者からも愛され続ける狩野英孝って、なにこれ、すっごーい! そんな愛され力No.1芸人・狩野英孝の魅力に迫るインタビューをお届け。さあ、皆さんもエイコーの魅力に向かってGOしていこうぜ! EIKO! GO!!

取材・文/だるま亭へっぽ子 撮影/高岡弘 構成/末光京子

▼狩野さんからブロス読者にメッセージ!

オレと世間が思う“面白い”に温度差があること、
いまだにわっかんないっす! …らしい

――昨年の自粛期間中以来、ずっとエイコーさんに元気をいただいてきた者として、その感謝を直接お伝えしたく、また、改めてエイコーさんの愛され力を掘り下げたくノコノコとやってまいりました。

うれしいです。こちらこそ、いつも見ていただきありがたいです。YouTubeの配信内では視聴者の方々への感謝を伝えていますが、他のメディアではなかなか伝える機会がないので。

――2019年の大みそかにYouTubeチャンネル「EIKO!GO!!」がスタート。開設当初は苦戦を強いられるも、ゲーム実況配信を始めてからグングンと登録者数も増加。私も偶然、ゲーム実況配信を見たのを機に、ゴリゴリの“エイコー民”になった次第で。でも、私の伝え方が悪かったのか、当時は周囲にエイコーさんチャンネルの面白さを共有できる人がおらず…。

(伝え方が)悪い、なんてないですよ。ただ……それはそれで切ないですけど…(笑)。

――…申し訳ございません。ですが、今や76万人超えの超人気チャンネルです。この人気ぶりをエイコーさんご自身は、どう捉えていらっしゃるのでしょうか。

ベタで申し訳ないんですけど、YouTubeでは自分がやりたいことをやろうというコンセプトから入ったんですけど…。昨年やった24時間生配信にゲスト出演してくださったオリエンタルラジオの中田のあっちゃんが言ってたんですけど、「英孝さんがやりたいのは大喜利とか、そういうことだとわかるんですけど、世間が求めていることはそこではないですから!」と。オレとしては「はあ⤴?」となって…。

――なっちゃったんですね(笑)。

どうやら、みなさんが見たいのはオレが慌てている姿とからしくて…。そもそも週2本の動画配信を決めていたので、月に8本。すぐに自分がやりたいことだけではままならなくなってきて。なので、スタッフさんが考案してくれたオレが慌てるような企画も取り入れたんです…。すると、そっちの動画のほうが視聴者からのリアクションだったり、(再生回数が)伸びるんですよね…。不思議。オレの慌てる姿のほうが面白いのか…。自分自身、いまだにその答えがわからないんですよ(笑)。

――いまだにそこを消化しきれていなかったとは…。

昔からテレビもそうで、自分が現場で手応えを感じた収録のオンエア後は、世間からの反応がないんです。でも、自分が失敗した、最悪だ、と思った収録のオンエア後は面白かったと言われる。「なんなんだ、この、世間とオレの温度差は!」と。自己分析ですけど、このいまだにわかってない感じが、いやらしく見えないので楽しんでもらえているのかな、とも思います。

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▲いまだ世間との温度差を飲み込みきれない狩野さん

エイコーミ(味)を味わい尽くすゼ!
独自解説付き厳選コンテンツ① 

エイコーは世界を救う!? 誠に勝手ですけど24時間生配信しました
★「EIKO!GO!!」登録者数10万人を超え、銀の盾をもらった際にノリで言った24時間生配信を2020年9月26日~27日に敢行。ゲーム配信のほか、謎のシャワータイムなど、ゆるい企画満載で展開した。ゲストにサンドウィッチマン・富澤サンやオリエンタルラジオ・中田サン、品川庄司の品川サン、ロッチ・中岡サンらが登場。中田サンによるエイコーの魅力分析は必見。
https://www.youtube.com/watch?v=miRU1sjLO4Q&t=3744s
エイコーミ(味)を味わい尽くすゼ!
独自解説付き厳選コンテンツ②

エイコーだって地雷メイクをしたい!
★まずはエイコーが一人で挑戦した地雷メイクの仕上がりに注目。完全にFUJIWARAのフジモンさんにしか見えなかったのだけど…(笑)。
https://www.youtube.com/watch?v=v84bAV1ZxX0

友情・努力・勝利! エイコーちゃんのゲーム実況は、
まるで少年漫画の読み聞かせ!
主人公はもちろんエイコーしょうねん(39歳)!

――最初にも触れましたが、ゲーム実況が唯一無二の面白さで大人気です。特にホラーゲーム「デッド・バイ・デイライト」(以下、DbD)と、「バイオハザード」シリーズ(以下、バイオ)は人気で。

ゲームは元々好きでしたけど、ゲーム配信は見たことがなかったんです。ゲーム配信を見るより、自分でプレイしたほうが楽しいに決まってると思っていて。でも有名な配信者さんたちの動画を見たら、チャットのコメントを読んでくれたりして、なるほど、学生時代に友達の家で、友達がゲームしているのを横でお菓子食べながら見ていた感覚を思い出して。それでも、ゲーム実況はゲーム上級者がやるもので、下手くそな人のゲーム実況を誰が見るんだろうかと、疑問でしたけど(笑)。
最初に視聴者さんのリクエストでバイオハザードを始めたんですけど、収録・編集ありきで配信しようとしたら、「生配信じゃないと見ない」とまで言われて生配信をスタートしたんです。その一方で、ゲームの製作元のカプコンさんに連絡したら、「エンディングは見せないように…」という感じだったんですけど、「視聴者みんなでストーリーを追っていたのに、エンディングを見られないのは悲しいと思うんですよね…」と直接お話したら、「わかりました! 大丈夫です!」と、寛大なお許しが出まして(笑)。

エイコーミ(味)を味わい尽くすゼ!
独自解説付き厳選コンテンツ③

え、うそーん…(呆然)
バイオハザード4 4万人が見つめる中、エンディングをスキップ!

★バイオシリーズにおけるエイコー挑戦の軌跡は「RE:3」→「RE:2」→「7」→「4」。自他共に認める下手くそプレイで、当初はイライラする人も多かったが、独特なワードセンスや果敢に挑戦していく姿などで多くのファンを獲得。シリーズ4のトライ最終回は、同時接続4万人超えを記録した。ラストの難関をクリアし、いよいよエンディング、4万人でエンディングを観よう! と思った矢先、まさかの出来事が! エイコー、興奮しすぎて変なとこ押した!? エンディングシーンをスキップ。4万人が画面前で爆笑してたハズ。これぞまさに、エイコー味。
https://www.youtube.com/watch?v=6lgGUQvc1Zc

――YouTubeは送り手と受け手の距離が近いので、エイコーさんの人間力や魅力がダイレクトに伝わってきます。ゲーム実況中に何度、声を上げて笑ったことか。

うれしいですね(笑)。他の作業をやりながら聞いている方も多いみたいです。

――聞くだけでも楽しいんですよね。例えば、バイオシリーズだったら、主人公・エイコーが失敗を繰り返しながら、クリアを目指す冒険物語のような。状況の説明やゲーム主人公のセリフを読むし、その気持ちも代弁するし、自分の操作ミスを呪ってみたり(笑)。友情、努力、勝利が詰まっているんです。まるで「週刊少年ジャンプ」を読み聞かせてもらっている感じ、というか。

アニメのキャラになりたい、アニメの世界に入りたいという願望が幼少期からあって。いまだに中二病なんですよ(笑)。だから、ゲームをやっていても、漫画を読んでいても、映画を見ていても、すぐ感情移入しちゃう。その世界に入り込みやすいので、終わった後はドッと疲れるんです(笑)。

――確かに、ゲーム後のエイコーさんは常に疲れてらっしゃいます(笑)。

ゲームの主人公が痛ければ、こちらも痛みを感じる。クリアしたときの「よっしゃー!」という雄叫びも、心の底からうれしくて言っていて(笑)。それがおっしゃってくださったように、アニメを見る感覚に近いのかもしれませんね。

――現在は、芸人さんをはじめ芸能人のゲーム実況も活況ですが、その中でも、やはりエイコーさんは異彩を放ちまくっているんですよね。人気配信者さんとの交流も絶妙ですし。でも、特筆すべきはアンチコメントへの対応力かな、と。拒むのではなく、寄り添ったり、丁寧に懇願されている印象です。

本当はアンチコメントを見るのもイヤなんですけど、YouTubeのコメントは許せてしまうんですよね。別に嫌われたくないわけではないんですけど、楽しくやりたいのが一番で。生配信中に「見ていてイライラする」とかアンチ的なコメントを見つけたら、「もう少し時間をください。イライラさせないようにがんばりますから!」って本音を伝えます。そうすると不思議なもので、「もう少し見てやるか…」となってくださる。「すみませーん! ありがとうございますー」ってなりますよね(笑)。とにかく、視聴者さんと一緒に作り上げている感じで、やっていて非常に楽しいです。コントをやっている感覚にも近いですし。

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▲アニメや漫画の主人公になりたいと熱く語る狩野さん

エイコーミ(味)を味わい尽くすゼ!
独自解説付き厳選コンテンツ④

人気ゲーム実況配信者さんたちからも愛されまくり!
上級者によるコーチング動画も抜群におもろい

★初期のゲーム実況生配信にて、エイコーのコントローラーがぶっ壊れ、伝説の名言「勝手に斧を振らないで!」が誕生。ゲーム実況界にも自身の持ち味である「ポンコツ」を持ち込み、注目を集めるきっかけとなったゲームがDbD。その後、OPENREC.tvでエイコー初の冠番組がスタート。あっさりしょこサン、柏木べるくらサン、ちくのぼサン、ふぉじょれおPサン、EXAMサン、れぷちんサン、ここれもんサンなど、上級配信者たちとの交流も始まり、彼らからコーチングを受ける企画も登場。ここでもエイコー味を存分に発揮し、上級者たちを爆笑の渦へと巻きこんでいる。愛されるエイコー。
https://www.openrec.tv/movie/wez9emmwgrl
エイコーミ(味)を味わい尽くそう!
独自解説付き厳選コンテンツ⑤

コラボ配信では、エイコーがコラボ相手の新たな魅力を引き出す!
オススメはダイアン・津田サンが宙に浮いた日

★ゲーム配信をする芸能人が急増し、「EIKO!GO!!」でもコラボが盛んに。エイコーがなんとなくMCの役目を担っていたり、コラボ相手の新たな魅力も引き出している。イチ押しは、ダイアン・津田サンとのコラボ初回。“すーぐ慌てるぅー”系の2人だが、エイコーがツッコミ役に回るのも楽しい。また、津田サンがゲーム中にバグって宙に浮くというミラクルも発生。ぜひ、津田サン側からの動画も一緒にご覧あれ。
https://www.youtube.com/watch?v=2WlIKH-0s6Q&t=1230s
エイコーミ(味)を味わい尽くすゼ!
独自解説付き厳選コンテンツ⑥
39歳バースデー生配信DbDの名物キャラ!? 熊本のオジサンから手紙が届く

★ゲーム・キャラクターの独特なネーミングセンスもエイコー動画の醍醐味。DbDのサバイバー(ドワイト)の外見がエイコーの叔父に似ているため、“熊本のオジサン”と命名。39歳バースデー生配信の回で、熊本のオジサンから届いたという手紙を紹介していた。優秀なハガキ職人!!

シンガー・エイコー、クセ歌も50TAも大人気 
プロからも絶賛されるというまさかの事態も

エイコーミ(味)を味わい尽くすゼ! 
独自解説付き厳選コンテンツ⑦

クセ歌セレクション「ハナミズキ」「涙そうそう」
★エイコーはカッコいいと思って、やってますからー! あと、今のところギリギリ、誰からも怒られてませんからー!

――「千鳥のクセがスゴいネタGP」で、数々のクセ歌が大人気です。クセ歌のアイコンになるほどのご活躍で。

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