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実写映画「ゴールデンカムイ」が凄すぎて2回も映画館で見た話

ゴールデンカムイの映画を2回見た。
凄すぎて2回も見に行った。
「サウンドトラックも映画主題歌も買ったので大満足!」と思っていたのに2回目を見に行った。
もうストーリーも演出も知っているはずなのに初見の時と同じくらい楽しめた。楽しすぎてもう一回分のチケットを購入しそうになったが、「一日に何度も同じ人間が同じ映画の席を取ってしまったら迷惑になる」と考え直し、後ろ髪を引かれる思いで映画館を出た。

なぜ2回も見に行ったことを強調するのかというと、私は一度映画館で映画を見たら二度と行くことはないからだ。
映画が面白くなかったという話ではない。もう一度映画館に行くのが面倒くさいだけなのだ。
私は面倒くさがり屋で、部屋の掃除も二週間に一回やればいいというほどの怠け者っぷりである。加えて、年を重ねる度に映像作品を最後まで見続けるのが難しくなってしまった。
そのため映画館を見て「また見に行きたいな〜」と思っても結局見に行くことがなかったり、Blu-rayやDVDを手に入れても結局見なかったり、見るまでに時間がかかったりする。
そんな私が2回も映画館に足を運んで同じ映画を2回視聴した。「これは本当に凄い作品だ」と心の底から思った。

※この先、映画冒頭部分のネタバレを含みます。まだ映画をご覧になっていない方はご注意下さい。

まず、オープニング前の二〇三高地での戦争シーンが凄かった。ナレーターの低く静かな声で語られる二〇三高地という戦場。
いつ戦闘が開始されるかわからない緊張した沈黙を突然切り裂く砲撃音。
上官の「突撃」の合図を受け、塹壕から一斉に出る兵士たちの咆哮に混じるラッパ音。
強ばった表情の杉元。
ロシア兵の放つ機関銃の雨に打たれて次々と倒れる味方。
ぶつかり合うロシア兵と日本兵。敵と味方の血が飛び交う。
ロシア側の塹壕に突撃し、鬼神のように戦った杉元が砲弾の音を遠くに聞き、見る者に恐怖を抱かせるほどぎらついた目で「俺は不死身の杉元だ」を叫ぶ……。
もう、この二〇三高地の戦争シーンだけでぐっと心を掴まれた。
この冒頭の戦争シーンのためだけに2回目を見に行ったと言っても言い。
戦争シーンがある小説を書いている最中、マンガやアニメの戦争シーンを見てもどう表現すればいいのか悩んでいた私に「戦争シーンはこう表現すればいいのか……」と教えてくれた。
2回目を見に行った理由は他にもある。実は、二〇三高地のシーンで既にメイン登場人物の一部メンバーが出ているという情報を受け、「どこにいたんだろう」と探してみることにしたのだ。
そして、X(旧Twitter)の情報を頼りにじっと目をこらして探してみたのだが、メイン登場人物は杉元と尾形しかわからなかった。尾形に関しても、尾形のあの独特な狙撃スタイルがなければ尾形を見つけることは困難だったろう。
逆に他のメイン登場人物を見つけられた人はどうして見つけられたんだ。
見つけた人の動体視力と観察力が高すぎる。今回の映画には登場しないのだが、原作コミックスの中盤あたりから宇佐美上等兵という軍人が出てくる。
そして、なんと今回の映画で「宇佐美らしき人物が登場している」との噂があった。そのため、2回目はよく注意して鑑賞したのだが、…さっぱりわからん。どこにいるの?
公式、実写映画のBlu-ray特典に「宇佐美をさがせ」を追加してくれないだろうか。

そして、北海道の真っ白な銀世界の中。
ひとり雪原を歩く、冷たく昏い目をした杉元が歩く後ろ姿を背景に、「ゴールデンカムイ」と英語で綴られたタイトル。
オープニングの後のことも書きたいのだが、もう冒頭だけでかなりネタバレをしてしまったので、映画の内容に触れるのは冒頭だけにする。
気になった方は是非映画を見て欲しい。映画でなくても、このPVを見て欲しい。

もう、ティザーPVだけで格好いい。
映画の予告以外にも、各登場人物の紹介PVや各TVCM、メイキングシーンやキャストのコメント動画なども配信されている。
映画館から出ても実写ゴールデンカムイの世界に浸れるなんて夢のようである。
しかし、いくら公式から提供される動画を見ても映画館に行きたくて堪らなくなるので、おそらく上映期間中はゴールデンカムイを鑑賞するためだけに映画館を訪れるだろう。

なお、今回の映画で語られているのは原作1~31巻のうち、3巻までに収録されている内容である。
全ての話が映画化されるまで一体何年かかるのだろうか……。
「早く続きが見たいよー!」と家の中でダダを捏ねていた私に朗報が届いた。

なんと、続編ドラマがWOWOWで連続ドラマとして放送されることになったのである。
PV内で元気に走る薩摩隼人の姿に興奮する私。
「薩摩隼人ってなに?」と思った方は原作を読んでほしい。

ドラマ化されることが決まった瞬間、私はあることを考えていた。

「果たして姉畑先生は実写化できるのだろうか」

姉畑先生とは作中に出てくる刺青囚人の中でもトップクラスにヤバい囚人である。
戦闘能力ではない。性癖が作中の誰よりブッ飛んでいるのだ。
いったいどんな性癖をしているかについては原作を読んでいただくしかないのだが、姉畑先生が原因でゴールデンカムイを読むことができなくなってしまった読者の方もいるため、閲覧には注意がいる。
姉畑先生のエピソードに関してはアニメ監督が「地上波で放送するのは無理」と仰っている。読者ですら「姉畑先生は…まぁ…うん…しょうがないね」としか言いようがない。
そのため実写化できるかどうか問われると、答えはNOになってしまう。
しかし、姉畑先生のエピソードは地上派では放送できなかったが、「単行本付属OVA」という形でならアニメにできたので、方法さえ考えれば映像化できないことはない。多分。

ゴールデンカムイ史上最も挑戦したと言える姉畑先生のことはひとまずおいといて。
これからもますます盛り上がるだろう実写ゴールデンカムイの世界に、今後も期待せざるを得ない。

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