落語家をしています

こう見えても
(どう見えてるか分かりませんが)
職業は落語家です

酪農家ではありません
落伍者でもありません
(たまに落伍者の時もあり)

お客様から
「落語家さんは普段は何をしていますか?」と
よく聞かれます

空いた時間は
寝ても覚めても稽古
稽古アンド稽古オンザ稽古インザ稽古

とにかく稽古!!!!!!

という人は1人もいません

稽古を寡黙に熱心にする
そんな真面目な人間は
そもそも落語家になっていない
と師匠方はよくおっしゃいます

それでも稽古しないと
身に付かない芸でもあります

稽古する=良い事 とすると
野暮ったくなるんでしょうか
皆さんあんまり口には出しません

稽古以外では
高座上がるのが我々の勤めです

よく言われるのが

稽古が仕事 高座は集金

だそうです

そうなのです
高座は大切な集金の場なのです
(言い方がせこい)

若手は高座に上がりましても
持ち時間が15分もない場合があります
むしろそっちが普通です

「労働時間が少なくてお金もらえてええな」
「この給料どろぼう」
「世の中は残業代も出ないんやぞ」
とお怒り立ちもごもっともです

しかし!

我々は勤務時間が15分の後に
打ち上げが6時間もあったりする
哺乳類の中でも変わった生態をもつ種族なのです

ここで先輩方にお給仕をさせて頂き
話し方を学びます
間とかボケ、ツッコミ、
文字通り話し方の「いろは」です

随分とためになる話しを
しこたま聞かせていただくのですが
お酒というのは怖いもので
翌日はきれいさっぱり忘れています

酔いだけを残し記憶を消し去る
厄介やでお酒てやつは!!!!!!

と、言い訳をしてみますが
酒のせいに出来ない名言があります

「酒が人をダメにするんじゃない。人間がもともとダメだということを教えてくれるものだ」
by立川談志師匠

ありがとうございます
そして申し訳ございません

お客様にも
「せっかくの極意を聞き逃してどうする!」
とお怒りになられる方が居られるかもしれません

そこは大丈夫なんです

また次の酒の席で
同じ話を聞かされますので


なので大丈夫です👍

しかし凄いのは
こないだ聞いた時よりも
面白くなっています
無駄が削がれていて
笑うポイントがはっきりしてくる

こうやって
日々、我々は芸を磨いているんですね
話し方のいろはを伝授していくんですね

つくづくいい加減な
いや、違った
よい良い加減を知ることが出来る職業だなぁと
感心と得心の毎日です

なので
クラスでちょっと人気ものだったとか
友達と喋って面白いと言われたとか

そんな程度で
落語家になってはいけません

そんな付け焼き刃では
太刀打ち出来ない厳しい世界です


ある師匠は仰ってました
「素人の時に面白くなくてもよい」

あえてどんな人が向いてますか?
と伺いますと

毎日な、
毎日、毎日、毎日、
毎日が日曜日やたらええなぁ
て思う人やな


これ、実話です
それを聞いた若手は皆んな心の中で

ちゃんと稽古しとこ

と想うのでした

こうやって芸や伝統が
受け継がれていくのであります
(よう知らんけど)

でんでん♪

【追記】

結構、落語会とかやってます
clubhouseやYouTubeも
よければ「露の新幸」で検索とかしてみて
下さいね
訳の分からん動画や企画が満載です👍
よろしくお願いいたします





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?