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生後7ヶ月の付き添い入院、親も過酷だった〜出られない小児科病棟〜


約8時間の日帰り入院レポです。

なぜ入院することになったのか、経緯を簡単に説明。

6月:4ヶ月検診で「お尻の形が変わっている」と診断。大学病院への紹介状を書いてもらう。
7月:大学病院へ。「MRI撮影しとこうか」と言われる。
9月:MRI撮影するため再び大学病院へ←今ココ


「MRIをパッと撮って、パッと帰るか〜」と呑気に思っていたのだが、このあと待ち受ける付き添い生活で、HPゲージをゴリゴリに削られることになる。


子どもの症例と、考えられる疾患


4ヶ月検診で「お尻の形が変わっている」と診断された。
写真ではお見せできないので、絵心ない私のイラストで説明。


紫は蒙古斑

お尻の付け根がYの字に割れている。
生まれつきだったので、「尻尾みたいだね〜」と主人と笑っていたのだが、まさか大学病院まで行くことになるとは……。

考えられる疾患としては
二分脊椎にぶんせきつい)」

二分脊椎は、胎児期に背骨の一部分がうまく形成されず、脊髄が背骨の中から外へ出てしまう疾患です。
二分脊椎の多くは腰椎や仙椎に生じることから、下半身に影響が生じます。

代表的な症状は、排尿や排便に関わる排泄機能の障害、足の痛みや感覚障害、歩行障害などです。

小児専門医療 二分脊椎センター


せ、せきずいが、せぼねの外に……?!

顔が青ざめた。
しかしテン様、ずり這いで布団の上を駆けずり回っているし、かかと落としもドンドコしている。うんちは1日1回していて、親の私が嫉妬するレベルの便通のよさ。

下半身の影響は見えないし、たぶん大丈夫だろうと思っています。

付き添いレポ


ここから付き添いレポ。

▼ 10:00
バスを乗り継いで大学病院に到着。
バスのためベビーカーが使えず、抱っこひもで移動。約8キロの息子を抱っこし、オムツやら着替えやらを入れたリュックを背負う。がんばれ私の両肩。

▼ 10:15
入院手続き。
誓約書や自費用品の同意書にサインをする。

自費用品の同意書の中に「エンゼルケア(死後処置料)」「ご遺体保管用袋」の欄があり、心臓がきゅっとなる。

案内された小児科病棟へ向かう。
節電のためか廊下は薄暗く、さらに天井が低いため、どんよりとした雰囲気がただよっていた。

▼ 10:30
古さを感じた廊下とは打って変わって、真新しい小児科病棟。

やさしい色合いで描かれた木とくまのイラストが壁を彩り、受付近くにはたくさんの絵本やおもちゃが置いてある。
全体的に明るく、かわいらしい雰囲気があって心が一瞬ぱっと輝いたものの、棟内にひびきわたる赤ん坊の声。「まんまぁぁぁ」という叫び声がいたるところから聞こえて、また私の心臓がきゅっとなる。



受付をすると、「あなたのお子さんについて教えてください」と書かれた2枚の紙を渡される。座って書いていたが、飽きたテン様がぐずりはじめ、近くにあったその紙をびりりと破いてしまった。あわわ。

プレイマットが敷かれたエリアにテン様を降ろし、近くの机で書いていく。

「どんな性格ですか」「うんちの時にどうやって知らせますか」「どんなおもちゃがお気に入りですか」

テン様と過ごす日々を思い出しながら書いていく。性格、ってむずかしい。他の赤ちゃんをじっくり見たことがないから、比較対象がない。

他の人が来たり、知らない場所へ来ると猫かぶりになる。慣れるとよく笑い、駆けずり回っている。私がトイレへ行くだけでこの世の終わりかと思うくらい大音量で泣くが、抱っこしたらピタリと泣き止む。これは性格で表すと、なんだ?

とりあえず「元気いっぱい」と性格なのかどうなのか突っ込まれそうな言葉を絞り出して書いておいた。受付に提出し、テン様と遊びながら待つ。

▼ 10:45
男性の担当看護師さんのあいさつ。
「おかあさんといっしょ」に出てきそうなお兄さん。子どもが怖がらないよう、ゆっくりと明るく喋りかけ、私に対しても警戒や不安を解きほぐそうと、心を開いて話してくれた。




「お子さん、素敵な名前ですね」「今日は夕方までなので、お母さん頑張ってくださいね」と会話を振られる。治療してもらうだけでもありがたいのに、こうやって心を砕き、真心をこめてコミュニケーションをとってくれることが嬉しい。

▼ 11:00
入院する部屋へと移動する。
4人部屋。新生児と思うくらい小さな赤ちゃんが寝かされており、腕には包帯やらガーゼやらで巻かれていて痛々しい。本日3度目、心臓がきゅっとなる。

柵が、私の背と同じくらいまであるベビーベッド。柵は鉄製で、高さもあるから、牢屋のような冷ややかな印象を受ける。赤ちゃんの落下防止のためには仕方ないのだろうけど。

男性看護師から「今日は小児科病棟から出られません」と説明を受け、戦慄する。

MRIの検査は17時からだったので、それまで親は外出できるのだと思っていた。なんなら近くのラーメン屋まで調べていた(なんつー親や)

朝はバタバタしてご飯を食べておらず、このまま17時過ぎまで食べられないのは体力がもたない。「せめて病院のコンビニだけ行かせてほしい」とお願いしたところ、30分という制限のもと、行かせてくれるのを許可してくれた。


▼ 11:15
病院のコンビニでサンドウィッチとコーヒーを買い、急いで食す。
病院にはたくさんの人がいたはずだけど、とても静かだった。


▼ 11:30
小児科病棟へ戻る。
これから夕方の検査が終わるまで、このエリアを出ることができない。

部屋に戻ると、ギャン泣きするテン様がいた。顔をぐしゃぐしゃに歪めて、「なんで置いてったんだあああああ」とばかりに号泣するテン様。慌てて抱っこする。


▼ 11:40
男性看護師さんから、簡単に検査の説明を受ける。
「睡眠薬」「点滴」などの単語が並び、「ここでは普通のことですから」「新生児にも使っている」と言葉が続く。定型文なのか言い慣れていた。



赤ちゃんへの点滴や睡眠薬。
私にとっては一生に一回のことでも、小児科病棟では毎日のように使われている。私の不安を和らげる言葉だったと分かってはいたが、切ない気持ちになった。

説明が終わったあと、「夕方まで頑張ってください」と励まされる。やさしい。「よかったら、『ひるおび』とか見てください!」とテレビの電源をつけてくれた。

ワイドショーはあまり好きじゃないんだよなぁ。と思いながら画面を見ると、「阪神優勝特集」をやっており、がっつり見てしまった。ARE!ARE!!亡き横田選手のユニフォームでちょっと泣く。


長くなってしまったので、いったん第一弾。
ここから18時までの付き添い日帰り入院がはじまります。


次回↓


4ヶ月健診のレポはこちら↓


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