訪問リハビリをしていたときの話

以前にも書いていたのですがその第2弾。と言っても、訪問リハビリはつらいよっていう話しかしていないので、今回はこんな人がいましたよっていう感じでまとめました。第1弾は下で確認できます。


奥さんと2人暮らし。ガン末期で高齢なため明るい希望は持てません。ただ、トイレはポータブルトイレに行けるレベルで、お話はたくさん出来ます。
訪問リハビリは、筋力訓練とか動作訓練とか本人の状態に合わせてやっていきました。ただ、何より大事なことは楽しみを持ってもらうこと。なんでもない話から人と接する喜びを感じたり、そこから生活について見つめ直したり…
関わりの中で前向きに行く日もあれば調子の悪いもありましたが、徐々に調子の悪い日の方が多くなっていきました。
セラピストは動作レベルが落ちてきたらまた生活の見直しをして筋力が落ちないように訓練をしていきます。
学校の先生をだったのもあるのか、人と話をすることは好きだったのが認知症になり全身の機能が落ちていってそして会話も十分にできなくなっていきました。
奥さんは献身的な人で、本人が話せなくなってくると奥さんとのコミュニケーションも増えていきました。老老介護は辛いですが、残される人も辛く近い将来1人になることは覚悟している様子ですがセラピストの言葉遣いは気を張っていました。
介入時は、看護師との連携も重要です。点滴や服薬の内容は適宜教えてくれ、行動が変わってきたらそれに対してセラピストとしてアクションしていきました。調子の良い日を喜ぶこともありますが、そのような日は多くありません。日に日にリスク管理の内容が増え、感覚的に「死」が見えてきます。
僕が働いていた所は、亡くなったあとにも挨拶をしに行っていました。気丈に奥さんは振る舞いますが、そんな簡単には気持ちの整理はつきません。僕らも言葉を選びながら対応はするのですが、明るい気持ちにはなれません。少しでも前を向けるような関わりをしたいのですが、奥さんの人生も決して長くはなく無責任なことは言えません。
訪問リハビリは暗い話ばかりではないですが、そのような環境は今現在もありメンタルコントロールはかなり重要だと個人的に思っています。


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