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日本のモンテッソーリ教育の現状

■日本におけるモンテッソーリ教育

 つっつ君の幼児期を形成したマインクラフトを中心としたゲーム・YouTube配信などを利用した教育方法は、やりたいことをやらせてあげるという、確固とした教育理念がおとうさんとおかあさんにあったからです。
 この『やりたいことをやらせてあげる』という理念は「モンテッソーリ教育」に沿ったものであり、つっつ君にとって非常に良い結果をもたらしました。
 しかし、誰しもがモンテッソーリ教育で効果をあげるわけではありません。
 特に日本で行われているモンテッソーリ教育に対して私たち夫婦はとても懐疑的な目で見ています。

 日本では戦争の始まり、そして戦後の第一次ベビーブームにより、先生と生徒のマンツーマンが理想であるモンテッソーリ教育が日本で普及することはなく、日本でモンテッソーリ協会が発足したのは1968年とだいぶ遅れを取っています。
 発足後も第二次ベビーブームにより、集団行動を基本とする日本の教育とは正反対であったため、少子化となった今になってやっとモンテッソーリ教育が施されるようになったのだと推測しております。
 なので、我が子にモンテッソーリ教育を受けさせたいと思っても、歴史が浅く実績に乏しい場所が多いのです。
 さらにもっとも残念なことは、歴史に名を馳せる著名人がモンテッソーリ教育を受けていたということで、日本におけるモンテッソーリ教育が小学校受験や能力向上のための看板として掲げられていることです。

 私たち夫婦はモンテッソーリ教育はもちろん、それに近い理念を持った保育園・幼稚園を、有名・無名問わず時間の許す限り見学しましたが、納得するものはありませんでした。
 日本モンテッソーリ協会では認定の教員資格免状を発行しておりますが、モンテッソーリという名前だけが独り歩きをし、ひどいところでは、受験用のオプション保育として用意された一室だけがモンテッソーリの玩具を置き、特別講師がマンツーマンで迎え入れているだけで、他の幼児は特にモンテッソーリ教育でないのにも関わらず、モンテッソーリの看板を掲げているなんてところもありました。
 もちろん中には集団教育の中でうまくモンテッソーリ教育を取り入れている幼稚園もありました。
 モンテッソーリの玩具は揃えられ、子どもたちはお絵かきしたり園庭で遊んでいたりと自由な環境が作られていました。
 けれど、お絵かきの中には茶色や灰色といった濁った色がなく、はちゃめちゃに描いても綺麗に見える配色のクレヨンしかなかったのです。
 つっつ君に150色のクレヨンをプレゼントしていた私たちにとっては、それが保護者向けに作られた見せかけの自由にしか見えなかったのです。

 そもそも日本で保育士になるためには国家資格を取らなければならず、絵画・工作・音楽・ダンス・料理といった専門家が幼児教育の現場に常駐することが難しい状況にあり、本来のモンテッソーリ教育の理念である『五感による様々な刺激』に乏しくなってしまいます。
 少子化と言っても、人手の足りない日本の幼児教育の現場にとってそれは非常に困難なことなのだと理解はできるのですが、「モンテッソーリ教育で使用する独特な玩具をただ取り揃えただけの集団教育でしかない」というのが私たち夫婦の感想です。

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