【散文詩】顔

 顔ばかり老けて少しは威厳が出てきたような、ただ疲れているだけのような、そんな顔をしている。毎日朝起きると髭を剃るのだが自分の顔など全く見ていなかったらしい。今日の夕方に鏡を見て、中々老けてきたなと思った。

 顔を見れば見るほどに顔と中身の幼稚さのギャップがある気がしてくる。まだまだ毎日悩み、ああでもないこうでもない、と言って、漠然と未来を恐れている。昔は年を取ればもう少しビジョンが見えてくると思ったが、まったくもって見えてこず、焦り足掻き、逃げ出そうと思ってみたりしている。

 子供の頃見た大人たちは怖かったしもっと腹を括ったような顔つきをしていたが、自分はどうだろう。「日和見」を信条にやってきたツケが回ってきたのかな。

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