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わたしのお茶割り、あなたのお茶割り。


多治見と申します。

直近のインタビュー記事で、「お茶割り界の風雲児」と書いていただきました。

某誌に「お茶割りのパイオニア」と記載されていた時もうれしくて、ついつい自分のプロフィール欄に追記してみたりもしたのですが、「風雲児」ときました。

日本国語大辞典で調べますと、風雲児の項には次のように書いてあります。
 〘名〙 事変などの機会をとらえて才能をあらわし、目ざましい活動をする人。

事変、まさに今のこの世の中。飲食店は、そのあり様の転換を求められています。いやなに、誰も直接には「頼む変わってくれよ」などと言ってはきませんが、なにしろ夜分に人と会って酒を飲み、うまいものを食うということが、不要不急であると断言されてしまったのです。

もちろん知っていましたよ、生きるのに必要のないことだって。でもそれが文化だったり何だったりを育ててきたわけじゃあないですか、多分。

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しかし大ピンチは大チャンス。風雲児と呼ばれたことに恥じぬよう、いまなら何でもできる、そんなつもりでああでもないこうでもないと実験を重ねて参りますので、程よい温度の視線で見守ってください。お願いいたします。


閑話休題、本稿ではレシピを紹介せねばなりません。

やはりここはお茶割りのつくりかたを書くべきなのでしょう。念のため確認しておこうかしらと、チャーハンでもいいか、と聞いたら「他所でやってくれ」と遠回しに言われました。誠に残念ですが、いつかこちら( https://note.com/chawari )へ書こうと思います。

学芸大学と目黒と代官山の3ヶ所にある『茶割』という店では、10の茶と10の酒を掛け合わせることによって「100種のお茶割り」をつくっています

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全部飲んだの?おいしいのはどれ?まずいのもあるんじゃないの?とよく聞かれますが、お答えしましょう。ご自身の好きな組み合わせを見つけてください。

聞かれたスタッフのお気に入り、よく頼まれる人気のもの、あの雑誌で話題になってたあれ、などはいくらでもお伝えします。ペアリングや料理の技法にのっとり、原産地が近いものはあいやすいとか、液色が似た色合いのものはだいたいあうとか、判断の基準もお教えできます。

しかしそれは、おいしいとかまずいとかではないのです。好きか、嫌いか、です。

例えば学芸大学で提供している「阿波晩茶×泡盛」が最も好例でしょう。
阿波晩茶は、徳島県那賀郡那賀町および勝浦郡上勝町の特産品。乳酸菌発酵を工程に含む珍しい製法の茶で、まろやかな甘みと、ほんのりとした酸みが混じった、独特な味です。
泡盛はご存知の通り、琉球諸島でつくられる米を原料とする焼酎の一種で、濃厚で芳醇な香りが特徴。

独特な味×濃厚な香り。好きな人は大好きな組み合わせですし、苦手な方は飲み切れない一杯です。

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多くの人が好きだと言っているものは、ありていの言葉で言えば「おいしいもの」なのかもしれません。お店で提供している10×10は、スタッフたちと念入りに選んだものであることも確かです。でも、今あなたがいるのは御自宅。好きなものを好きなように飲んでください。

だからここでは、基準となるような淹れ方だけをお伝えします。茶葉も酒も、世界中にごまんとあります。選ぶの、楽しいですよ。好きなものを見つけてください。僕が知らなさそうなものを見つけたら、ぜひ教えてください。

下記のレシピは、2020年3月5日号の女性セブンで「免疫力を高めてウイルスに克つ最強食品」として紹介されていた「80℃緑茶」を甲類焼酎のお茶割りにします。免疫力が高まるお茶でアルコール消毒。最強の飲み物です。

ちなみに、私たちの使っているものと同じ茶葉も買えるようになりました。ぜひお試しください。

https://shop.chawari.tokyo/categories/2395417

お茶割りという飲み物が、その概念が、もっと広まりますように。
世界に誇る日本の飲酒文化の一つになりますように。


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