やっぱり犯してやろうと思う

霊感はほとんど無いはずなんだけど、二十代の頃に住んでた家では「おかしいな」と思うことがいくつかあったんだよね。

なんせウチはカネが無かったんで当時はボロい借家に住んでたんやけども夏はクソ暑いわ、冬はクソ寒いわ、壁や畳は剥がれてくるわ、トイレは汲み取りで年がら年中悪臭が立ち込めるわで本当に住みにくかったんだわ。

とはいってもギリギリ家計は回ってたのでなんとか暮らしてはいたのだが、ある日仕事から帰ってきて自宅の駐車スペースへ後ろ向きに車を入れようとしたところ、小学校低学年くらいの女の子がバックミラーに映ったのな。

当然、そのままアクセルを踏むと女の子を撥ねてしまうので、身体ごと後ろを向いて、その子が退いたことを目視確認したのちに車庫入れしようと思ったわけよ。

そしたら、女の子居ないの。ミラー確認から目視まで0.5秒くらいしか空いてないのに、さっきまでハッキリ映ってたはずの女の子が煙のように消えてしまった。