見えチヌだから初心者でも釣れる手順書 ~竿・リールの選択~
はじめに
見えているチヌを砂地や石積みなど、様々な護岸で安定して釣るには、前打ちが最適と考えていますが、前打ちで効率よく釣るためには、竿とリールの組み合わせによるタックルバランスが重要です。
本書では、前打ち用の竿とリールの選び方について解説します。
竿の調子について
前打ちに使用する竿の調子は、様々な護岸に対応するため、硬調が最適だと考え、10年以上使い続けています。硬調では、穂先で繊細なアタリが取れるか心配されるかもしれませんが、穂先でアタリを取ろうと、ラインを軽くでも張ると、チヌは違和感を感じてカニを離すことが多く、アタリの大半はPEラインの動きやチヌの動きで判断します。
穂先でアタリを取るのは、居食いの場合に限られます。
竿の長さについて
前打ち竿の長さについてですが、見えチヌを釣り始めた頃は、チヌに近づくと逃げてしまうため、長い竿を使って遠くからカニを打っていました。しかし、その結果、釣果はあまり伸びませんでした。試行錯誤の末、できるだけチヌに近づき、短い竿を使ってピンポイントで正確にカニを打つ方が釣れることがわかりました。
使用する竿の長さは下記の3種類で、2本のマルチレングス竿を釣り場の環境に応じて使い分けています。
<長さ>
4.3m
5.3m
6.3m
<使用する竿は2本>
4.3-5.3m マルチレングス
6.3-6.3m マルチレングス
竿の長さについて
長い竿は、竿自体の重さや風、周囲の障害物に当たるなどの影響を受けやすく、カニを狙ったピンポイントに打つのが難しい場合が多いです。また、チヌがカニに気付かない時など、再度カニを打つために竿を起こして回収しようとすると、チヌがその動きに気付いて逃げてしまうことがよくあります。
ただし、長竿を使わなければ釣れない護岸の構造や潮位など、特定の環境もあるため、竿を出す前に釣り場の環境や見えているチヌの動きを確認し、4.3m-5.3mのマルチレングス竿を使うか、5.3m-6.3mのマルチレングス竿を使うかを判断します。
具体的には、できるだけチヌに近づくため、経験や勘に加えて、背後に溶け込む保護色の服装、光の屈折を利用したアプローチ、気象条件(太陽の位置、風、天気、水温など)や潮位など、科学的な観点からも工夫しています。そして、できるだけ短い竿を使い、ピンポイントでカニを打つ精度を高めることを意識しています。
竿の使用頻度
竿は4.3-5.3mのマルチレングス、または5.3-6.3mのマルチレングスのどちらかを使用しますが、年間を通じて様々な河川で釣行する中で、使用頻度はおおまかに下記のようになります。
<長さ別の使用頻度>
4.3m(約5割)
5.3m(約4割)
6.3(1割以下)
<竿2本の使用頻度>
4.3-5.3mマルチレングス 約9割
5.3-6.3mマルチレングス 約1割
<参考までに>
好みがあるいと思いますので参考までに使用している製品名を紹介します。
この竿は可もなく不可もなく無難に使えますので10年以上前から使い続けています。
使い続ける理由は、同じ竿を購入続ける事で、壊れた竿が保守パーツとして使えます。
<製品名>
ブラックジャックスナイパー前打ち
MH-53UM・Y
MH-63UM・Y
リールの選択(最適なタックルシステム)
リールは多種多様な商品があり、好みは人それぞれ異なります。リールを選ぶ際に重視しているのは、リールと竿、さらには竿を握る腕も含めたタックルシステム全体のバランスが重要だと考えている点です。
ここでは、リールについて個人的に考えていることを参考までに紹介します。前打ちに使う片軸リールは、大きく縦型と横型の2つに分類できると思います。リールに求められる機能は、見えているチヌを釣るために、チヌに気付かれにくい離れた位置から竿を振り、カニを狙ったピンポイントに正確に着水させることができるよう、操作に支障がないことです。
<縦型リールを使ったタックルシステム>
縦型リールは、落とし込みやヘチ釣りのように、竿下にカニを落とす場合に最適で、カニの沈め方やラインの出し入れを細かくコントロールするのに適しているリールだと思います。しかし、カニを遠くに正確に飛ばすには、リールが回転しないように腕を90度ひねり、親指でリールを押さえてから竿を振る必要があります。これにより、カニを飛ばすための力とは別に腕の力が必要になります。
リールが回転しないように押さえるために余分な筋肉を使うことで、カニを狙ったピンポイントに正確に飛ばすのが難しくなります。
<横型リールを使ったタックルシステム>
横型リールは、逆に落とし込みやヘチ釣りのように竿下にカニを落とす際、ラインの出し入れやカニの沈め方を細かくコントロールするのが難しいと思います。しかし、カニを遠くに狙ったポイントに正確に飛ばすには、最適なリールだと考えています。
写真の通り、横型リールは竿とリールを握手するように腕をひねらず握手するように握ることができ、更に、親指は竿の上を押さえることでリールをがっちり挟んでホールドして竿を振るときにブレない為、腕と竿が一体化した感覚を得られます。そのため、強風時でも硬調の竿を使うことで、カニを狙ったピンポイントに正確に打つことが容易になります。
動画の紹介
見えチヌ釣り(仕掛5)前打ちで見えチヌを竿リールと仕掛け4アイテムだけで年間500枚以上釣る最小限のタックルを解説【見えチヌを釣る/前打ち/ヘチ釣り/落とし込み/河川/釣り方/サイトフィッシング】
まとめ
見えるチヌを狙うには、チヌに気付かれないように竿を振り、カニを狙ったピンポイントに正確に落とすことが求められます。そのため、腕を含めた竿とリールのタックルシステム全体のバランスが非常に重要だと考えています。自分に合った竿とリールを見つけることができれば、見えるチヌをいつも安定して釣るための基盤が整ったと言えるでしょう。
次回は、前打ちによる見チヌを釣るための仕掛けについて説明します。
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