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見えチヌ釣りに行こう ~タックル・仕掛け~

はじめに

見えチヌをまぐれで無く、いつも安定して釣るために、前打ちが最適だと考え、試行錯誤しながら取り組んできた結果、年間平均で500枚以上釣れるようになっています。
そのタックル選びからカニを針に刺してチヌが逃げないようにロッドを振り、カニを打ち誘って喰わせるまでの一連の流れについて、どのように見えチヌに近付いて釣るか方法論やテクニックなどを解説します。

タックル

前打ちの仕掛けはとてもシンプルです。
写真のロッド+リールを2セットと仕掛け4アイテムだけで1年中使っています。
 
・前打ち専用のマルチレングス2本 (4.3-5.3m、5.3-6.3m)
・タイコリール 2個
・PEライン 1号 白色
・ハリス 1.7号 フロロカーボン100%
・釣針 チヌ針1号
・ガン玉 2B

ロッド+リールと仕掛け4アイテムだけで年中釣る

ロッドとリール

ロッドとリールは、釣り人によって使いやすさが異なるため、特定のお勧めはできません。価格が高価なこともあり、購入の判断基準は、ロッドとリールに求められる役割からロッドとリールの組み合わせのシステムバランスを考えて自分自身に合った物を選択すべきだと考えています。ただし、参考までに私が使用しているロッドとリールを紹介します。
 
<ロッドとリールに求められる役割>
見えチヌに気づかれないよう、ロッドを寝かせてピンポイントを狙い、強風でも静かにカニエサを着水させることを安定して行うため、硬調で軽量なロッドが使いやすいと考えています。
なお、ラインを張って穂先でアタリをとる事はカニエサを離す可能性が高くなり行いません。
 
リールは、カニを打つ際にラインを出す必要がなく、チヌを掛けた後の取り込みにのみ使用します。
したがって、狙ったポイントでのカニ打ちを実現するために、腕とロッドが一体となるようなロッドを選び、リールは一体感を妨げないものが使いやすいと考えています。
言い換えれば、カニ打ちに支障をきたさないリールが好ましいです。
 
ノベ竿だけを使って釣る人もいますが、様々な場所にいる見えチヌを効率よく釣るにはリールが欠かせないことを実感しています。リールがないと難しいです。
長くなりましたが、実際に使用しているロッドとリールを参考までに紹介します。
 
<ロッド>
ロッドは狙うチヌの居場所によって長さを変えますが、西日本の近畿から九州まで、100本以上の河川に釣行して使った長さ別のロッドの使用頻度を参考までに紹介します。
 
ロッドの長さ別の使用頻度
4.3m 約5割
5.3m 約4割
6.3m 約1割以下
7.2m 使いたい場所が1%以下ある(重たくて使っていません)
 
初めてロッドを購入される場合は、前打ち専用のマルチレングス4.3-5.3mで硬調の軽量ロッドがお勧めです。
 
<リール>
横型のタイコリールを使用しています。親指で逆転を防止する際、縦型のタイコリールは手首を90度捻らなければならず、ロッドを振る際に不必要な力が加わりますが、横型の場合は捻ることなく、自然な握り方で力を入れずに腕を伸ばせ、ロッドと一体化した感覚があり、狙ったピンポイントにカニエサを打ちやすいと感じています。
 
ただし、横型のタイコリールにはスプールガードがないため、時折ラインのトラブルが発生しますが、釣りやすさを優先して継続して使用しています。

ロッドとリールはシステムバランスが重要

ライン

<ラインに求められる役割>
アタリはラインで取るため天候に影響されず、どんな状況でも見える視認性を重視します。
また、石積みの水際の浅場に居るチヌを釣るケースが多く、ラインが波で水際の石やフジツボなどに絡み難いラインが使い易いです。
 
<選択したライン>
ラインでアタリをとるため、ナイロンでは無く視認性が悪くPEラインを使います。
PEラインの色ですが、視認性と水中には白色系やグレー色系が多いため、白色を使う事でチヌに警戒を少しでも低減できると考えています。
PEラインの太さは、強度だけ考慮すれば0.6号で十分ですが、視認性を考えて1号を使っています。
絡み防止対策は、樹脂コーティングしたコシが強いラインを使う事で絡み難くなった感じています。
 
<購入するPEライン>
150mのPEラインを購入し、キズが入るとカットして使い、短くなると交換しますが3年以上使っています。

PE1号 水際に絡み難い樹脂コーティング

ハリス

石積みの水際など、構造物の際に居るチヌを狙う事が多く根ズレに強いハリスが必要です。
 
<ハリスの材質>
根ズレに強いフロロカーボン100%を使います。
 
<ハリスの太さ>
1年間かけて、1.2号から2号まで様々なケースでハリスの太さを試しましたが、チヌに見切られる差は見られませんでした。そのため、根ズレに強く、根掛かりしても扱いやすく、コスパも良い1.7号を1年間通して使用しています。
 
<ハリスの長さ>
ヘチ釣りや落とし込みは壁際を沈んでいるカニに気づかせて喰わせる釣りですので、矢引き(約100cm)にします。しかし、前打ちは着底したカニに気づかせて喰わせるため、PEラインが見えないように長くする必要があります。様々な釣り場での経験から、2mあればPEラインに気付かれ逃げ難いと考えています。
 
根掛かりなどでハリスが短くなった場合は、状況に寄りますが1ヒロ強になるまでそのまま使用し、それ以上短くなった場合は2mのハリスに交換します。

1.7号 根ズレに強いフロロカーボン

釣針

<釣針に求められる役割>
ヘチ釣りや落とし込みは壁際を沈み中のカニを喰わす釣りなので大きな釣針でも見切られ難いですが、前打ちの釣り方では主に着底したカニに気付かせて喰わす釣りのため、カニが自然な動きができる針刺しが求められます。
 
<釣針のサイズ>
サイズは、チヌ針1号だけ1年間通して使っています。
 
特に冬場の砂地でチヌを狙う際は、砂地でカニを見かけることがほとんどないため、チヌはカニを発見しても、20cmほど近づいてからカニを数秒間じっと観察し、違和感があれば見切って逃げる光景を何度も目撃しています。違和感がなければゆっくりと近づき、用心深く喰います。
チヌにカニを喰わせるには、少しでも違和感がないように小さな針を使用し、チヌから釣針が見えにくいように刺すことが重要です。
 
チヌ針1号は、針の懐が狭くすっぽ抜けが多いですが、すっぽ抜けた際にチヌは捕食モードに入っています。すっぽ抜けで潰されたカニの一部でも針に掛かっていれば、素早く再打ちすると沈んだボロボロのカニに飛びついて針掛かりすることが多いです。
 
<釣針の色>
カニと同系色の黒色を使っています。
可能であれ黒色の艶消しがベストです。
 
<釣針にヒネリの有無>
一応に練りアリを使用していますが、ヒネリの効果は分かりません。
 
<使い易い釣針>
硬い甲羅でも見え難い場所に簡単に刺せるように、フッ素系コーティングした釣針を使います。

チヌ針1号(フッ素系コーティング)

ガン玉

<ガン玉に求められる役割>
打ったカニが着水するときの着水音は小さく、速くカニを沈めて着底させる、相反する役割を求められます。
 
<課題>
着水音を小さくするためにガン玉を軽くしてカニをゆっくり沈めると、着底するまでの時間が長くなり沈むカニにチヌが気付き逃げる確率が増えます。また、ゆっくり沈めると沈み中のカニがフグの餌食になり易いです。
また、ガン玉を大きくすると、ビックリして逃げ易くなり、チヌ針1号に大きなガン玉を付けると釣針の懐が狭くなり掛かりが悪くなります。
 
<最適なガン玉サイズ>
試行錯誤した結果、着水音が小さく、チヌが沈むカニに気付く前に速く沈める事ができる2Bが最適と判断しました。
 
2B使用時の沈む速度が概ね20cm/秒
(年間通して2Bのみ使用)


2B 硬いガン玉

仕掛け

<仕掛けに求められる役割>
前打ちは主に横の釣りが中心ですので、チヌに気づかれないようにカニを着底させた後、チヌが不自然でないカニを発見したように見せることが求められます。
また、強度と仕掛けの交換が迅速に行えることも重要です
 
<仕掛け>
シンプルながらも、チヌ釣りに必要な余裕のある強度を持つ仕掛けをご紹介します。
ハリスの長さは、ヘチ釣りの壁際など縦方向に沈むカニを誘って喰わせる際にはヤビキ(約100cm)が適していますが、前打ちで見えチヌを狙う場合は浅場が主体のフィールドなので、底に沈めたカニを誘って釣る横の釣りになります。そのため、カニを誘う際にハリスが短いとPEラインが見えやすく、チヌが警戒して逃げやすくなります。経験上、2mあればPEラインを気付かれにくくなります。

作り易く強度がある仕掛け

4.3mのロッドを使いこの仕掛けで80センチのコブダイも釣っており、良型チヌを強引に引き寄せてもタックルシステムは余裕があります。

80cmのコブダイとれる強度

ラインとハリスの結び

ラインとハリスを使ってチチワを作り結びます。
簡単な方法ですが、かなりの強度があり、ハリスが切れた場合でも修理を短時間で行えます。
 
<結び方>
PEライン側のチチワは、8の字結びでチチワを作ります。
ハリス側のチチワは、チチワを通す輪を1回転ひねりで作ります。通常のチチワでは、根掛かりした時にラインを引っ張ると、ハリスがPEラインとの結び目で切れることがありましたが、チチワを通す輪を1回転ひねることで補強され、ハリスは釣針の根元から切れるようになり、仕掛けの修理時間が短縮されています。

PEライン側は一般的なチチワを作る
ハリス側はチチワを通す輪を1回転ひねり結束部を補強する
PEライン側とハリス側のチチワを結んで完成

Youtubeで解説

チヌが視認できることで、問題点と最適解が見えるため、釣果を落とさずタックルを絞り込むことができます。ここで紹介するタックルと仕掛けを使って、1年中砂地や石積み、護岸壁、ゴロタ場など、様々な護岸の超浅場(15cm)から深場(約2m)まで釣りを行い、常に安定した数の釣果を得ることができています。

あとがき

チヌが視認できると、問題点を把握し、対策を練り、試行錯誤して効果の有無を確かめることができます。これにより、最適なタックルと仕掛けを絞り込むことが可能です。
ここで紹介したタックルと仕掛けを使い、1年中砂地や石積みなど様々な護岸の超浅場から深場まで釣りを楽しんでいます。常に安定した釣果が得られています。
 
次回は、エサ捕り・長期保管する方法を解説します。

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