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見えチヌ釣りに行こう ~カニ刺し(安定した数釣りを目指す)~

チヌを釣るためには、様々なエサがありますが、年間を通じて安定して釣果を得ることができるカニエサについて、最適なカニを針に刺す方法について解説します。
チヌが捕食モードに入った時には、カニエサをどのように付けても喰いつくことがありますが、冬場の低活性な時期でも、安定して釣果を得るためには、喰いつきやすく、針掛かりの確率を1%でも高めることが重要です。そのために試行錯誤を重ね、たどり着いた刺し方です。

チヌがカニを喰う動き

チヌがカニを喰う光景を何度も目の当たりにした状況を紹介します。

チヌの口の構造を観察

チヌがカニをどのようにして喰うか、口の中を観察します。
口先には小さな太い歯が数本あり、口の中には先が丸い歯が上下に4~5列並んでいます。
喰い方の想像ですが、口先の小さな歯で噛みつき、口の中の無数の丸い歯で噛み潰すと思われます。
チヌに針外れが多い理由は、口の中の歯や、硬い上あごに針が刺さらず引っ掛かった状態で、取り込む最中に針が外れることが考えられます。
理想的な針掛かりは、口角(カンヌキ)または唇に掛けることです。

チヌの口の中を観察

カニを喰う基本的な動き

チヌがカニを捕食する基本的な動きを紹介します。
 
1) チヌがカニを見つけると近づいて観察します。夏場にはカニを見つけると素早く近づいて捕食しますが、水温が低い冬場には近づいてじっとカニを観察し、違和感がなければゆっくりと近づいて捕食します。しかし、不自然さを感じるとすぐに離れます。
 
2) カニに噛みつく時は、チヌは頭を下げて尾ビレを振りながら川底にカニを押し付けるようにして噛みつき、アタリは鋭く「コン」と感じられます。
 
3) 喰う時は、チヌは口の中でカニを潰すために体を泳ぐ姿勢に戻し、アタリは小さく「コツコツ」と感じられます。
 
4) 35cm前後の小型のチヌに多いですが、カニを吐き出し、再び吸い込む行動を繰り返すチヌもいます。カニを吐き出す際、釣針が外れることがありますので、釣針が外れにくい刺し方が必要です。ただし、カニに針をざっくり深く刺すと内臓に刺さり、チヌの体力が早く消耗する可能性があるため、足の筋肉に針を刺すようにします。
 
5)喰い終わるとゆっくりと移動します。この時に、アタリは、ラインがスーッと引き込まれる感じで、引き込まれた瞬間に合せることが基本的なアワセです。
稀に、他のチヌが近づくと、カニを横取りされないように逃げる動きや、釣り人や竿に気付き危険を察知して逃げる際に、強くラインを引き込むアタリがあります。

カニは正面から喰う

カニをどうやって喰うか

砂地の底にいるカニエサを食べる際、多くのチヌは泳ぐ姿勢でカニの正面から頭を下げて喰う傾向があります。また、石積みや護岸壁など傾斜のある場所では、カニの足が上下(川底と水面)に向いている場合、チヌは泳ぐ姿勢から魚体を捻り横向きになって、カニを捕食します。これは一般的にチヌがヒラウチしている状況です。
 
しかし、小さなカニを使用すると、チヌがカニの前方や後方から吸い込むように喰う場合もあります。全てのチヌがカニを正面から横向きに喰うとは限りません。

魚体を横向きにしてヒラウチするチヌ

最適なカニ刺しを科学する

前打ちにおいて、チヌがカニを喰う動きから針を刺す「尻掛け」と「横掛け」について、最適な方法を考えます。

尻掛け

尻掛けはよく見かける釣り方です。この刺し方の理由は明確ではありませんが、落とし込みやヘチ釣りで沈むカニを沈める時に、姿勢をカニが歩く状態で沈めることで、チヌが不自然と感じずに食べる可能性があると考えられます。
 
落とし込みやヘチ釣りは沈むカニを縦方向に誘う釣り方『縦の釣り』なので、この刺し方でも効果があるかもしれません。しかし、前打ちは着底したカニを横方向に誘って喰わす釣り方『横の釣り』なので、チヌがカニを喰う場面を考えると、カニを喰った際の針の向きは上顎方向になります。この状態では竿を上方向に引いた際、針が上顎や上歯に引っかかるだけで十分に刺さることは難しく針外れの原因になります。
 
また、冬場ではチヌがカニをじっと観察し、不自然だと感じると逃げるため、針が見えにくい刺し方が求められます。

見切られ易い尻掛け

尻掛けで前打ちを行っていた時期は、針が上顎方向に向いていた事が原因かと思っているのですが、時々針を潰されました。
潰された理由は、はっきり分かりませんが実際に針先が懐方向に潰された針を参考までに紹介します。

チヌがカニ喰うt気に潰した針

横掛け

前打ちでの課題に対する3つの対策方法を紹介します。これらの対策は、チヌの口の構造やカニを喰う様子に基づいてカニに横向きに針を刺す方法にしています。
 
<課題と対策>
 
1) 針外れ
チヌがカニを横向きに喰う習性に着目し、カニに横向きに針を刺し、アワセは竿を寝かせてチヌの向きと反対方向に合わせることで、カンヌキを狙って掛けます。
 
2) 見切られ
横向きに刺した際に針がカニの足の下に隠れるようになり、見切られ難くします。
 
3) 針潰れ
針を横向きに刺すことで針潰れを減少させる効果がありました。また、別の対策で軸が強い釣針に変更したことも効果があると思われますが、針潰れは年に1回程度に激減しました。

針外れが軽減した横刺し

最適なカニ刺し(カンヌキを狙って掛ける)

チヌ釣りにおいて、永遠の課題と考えています掛けたチヌが外れてしまう針外れの問題です。この課題の対策として効果がある方法が横掛けだと考えますので、針刺し方法を紹介します。
 
<横刺しの効果>
1) カニ刺しは、カニの5番目の足付近から刺して2番目の足付近から針先を出します。
2) チヌは大抵カニの正面から噛みつくため、針は横向きに口の中に入ります。
3) アワセは釣針の先が口角側(カンヌキ側)を向いているため、チヌの向きと反対方向に合わせることで、針がカンヌキに掛かる確率が高くなります。

カンヌキを狙った掛ける

YouTubeで解説

カニに針を刺す方法を紹介した動画がありますので紹介します。
 
前打ちによる見えチヌ釣りに最適な仕掛けと餌を針に刺す方法を紹介します。

 前打ちによる見えチヌ釣りでカニ餌を使う場合に、喰いを高めたカニの刺し方を紹介します。

まとめ

カニの針刺しを尻掛けから横向きに変えたことで、効果を数値化できていませんが、針が見えにくくなり、見切られることは格段に少なくなりました。同時に、針外れも以前より少なくなっています。
 
次回は、前打ちで視認したチヌをどのように釣るかについて、実際の釣りのシーンを交えて解説します。
 
#釣り #チヌ #クロダイ #前打ち #ヘチ #落とし込み #サイト

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