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おふくろは大事、妻よりも おふくろの歯は大事、義理の妹よりもー姉妹仕舞い

「お袋の歯の治療があるからさ、自宅にもうしばらく居ろよ。」
 姉が義兄から電話を受け取ったのは、私の再就職年齢制限36才の3カ月を切った時だった。もう少しだけ、あと少ししたらこの人は出ていく、そしたらラストスパートで再就職だ、と望みをかけていた私の願いは見事に打ち砕かれた。
厚さ5㎝にもなり、もうどれだけ送ったか分からない履歴書を両手に私は訴えた。
「もうお姉ちゃん出て行ってよ!お義母さんと暮らせばいいじゃないの!これだけ書いてもどこも受からない、今再就職大変なのよ……私にも人生があるの。。」
 それでも姉は頑として動かない。この人はいつもそうだ、じっとむっつりしていれば誰かがどうにかしてくれるのだ。私は義兄に連絡を取るために2階へ駆けあがろうとした。すると母に前に立ちふさがれた。
「何もするな!。」
 このまま姉に実家に居座られたら堪らない、その上慰謝料も養育費も支払われない状況で姉妹と障害児を押しつかられたらどうするのか。母なりの判断であった。そしてそれに私は逆らえない。上目遣いに私と母を見る姉を見ているとむかむかして履歴書を姉に投げつける。姉の叫び声をしり目に2階へと上がる……履歴書を書くために。

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