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アイドルにおけるセンター

 先日、元モーニング娘。の後藤真希のインタビュー記事を読んでいたところ、「絶対的センター」と紹介されていたことに違和感を覚えてしまった。確かに中心メンバーとして活躍していたことに変わりはないが、どうしても元AKB48の前田敦子の方を連想してしまう。

 そもそも1990年代に「センター」という概念はあったのだろうか。初代モーニング娘。は安倍なつみが常にセンターを務めていたが、当時は「メインボーカル」と呼ばれることの方が多かった。

 後藤真希がAKB48の柏木由紀のYouTubeチャンネルにゲストとして出演した際に、センターについて興味深いエピソードを語っていた。

柏木「その時のモーニング娘。さんって『センターが誰々』と言われなかったんですか?」
後藤「言われない。『ザ☆ピ〜ス!』の時に初めて『今回は石川梨華を盛り上げたいから安倍(なつみ)と後藤、サポート頼むよ』と言われたぐらいで、そういうのない。」

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 センターは公式に発表されないことが多く、アーティスト写真やジャケット写真、楽曲のメインボーカル、雑誌の表紙によって異なることもあるため明確なセンターが分かりづらい場合がある。

モーニング娘。センターの移り変わり

 歴代モーニング娘。のセンターの移り変わりはどうなっているだろうか。

 今回はアーティスト写真やジャケット写真、MV(立ち位置のセンター回数)、雑誌の表紙またはグラビアなどから判断してシングル楽曲におけるセンターを独自に決めてみた。あくまでも個人的見解なので参考程度にご覧ください。

初期〜黄金期(1998年~2002年)

 デビュー初期は安倍なつみで、雑誌のグラビアは前列または中央列のセンターが多く、グループ在籍時からソロで表紙を飾ることもあった。2000年に入ると、さまざまな場面において後藤真希または安倍・後藤の2トップ体制でセンターを務めることが多くなった。2001年の夏以降はお試し期間(?)として「ザ☆ピ〜ス!」で石川梨華、「Mr. Moonlight 〜愛のビッグバンド〜」で吉澤ひとみ、「そうだ!We’re ALIVE」で矢口真里とリリースごとに交代していったが、翌年の夏にリリースされた「Do it!Now」で再び安倍・後藤の2トップ体制へと戻った。

転換期(2002年~2005年)

 後藤真希の卒業後は、さまざまな場面においてセンターが異なったが、基本的には安倍なつみを中心とした石川梨華・高橋愛の3トップ体制で構成されていた。

 2003年からは4期以降のメンバーのお試し期間(?)として「ひょっこりひょうたん島」で高橋愛、「AS FOR ONE DAY」で石川梨華、「シャボン玉」で加入したての田中れいなと次世代エース格メンバーのセンターが続き、下半期は安倍なつみが一時的に後列の端へと追いやられた(※翌年1月にリリースされた「愛あらば IT’S ALL RIGHT!」で前列に復活している)。

 安倍なつみの卒業後は、石川梨華・高橋愛・藤本美貴の3トップ体制で構成され、「涙が止まらない放課後」で紺野あさ美がセンターを務めることもあった。

 2003年下半期から2004年上半期にかけて活動していたモーニング娘。さくら組では高橋愛、モーニング娘。おとめ組では石川梨華がそれぞれセンターを務めていた。

青空期(2005年~2007年)

 石川梨華の卒業後は、ミラクルエース級と評された7期メンバーの久住小春が2作連続でセンターを務め、2006年以降は高橋愛を中心とした藤本美貴・田中れいなの3トップ体制で構成された。

プラチナ期(2007年~2010年)

 藤本美貴の脱退後は高橋愛を中心とした田中れいな・久住小春の3トップ体制となり、2008年以降は高橋愛・田中れいなの2トップ体制で、久住小春は後列のセンターを務めることが多かった。

カラフル期〜現在(2011年〜2021年)

 2011年の春から高橋愛・田中れいなに鞘師里保が加わった3トップ体制となり、高橋愛卒業後は田中れいな・鞘師里保の2トップ体制に。田中れいな卒業後の2013年の夏以降は楽曲面では鞘師里保、それ以外では道重さゆみがセンターを務めるようになり、2015年は鞘師里保、2016年以降は譜久村聖・佐藤優樹・小田さくらのスリートップ体制へと変わっていき、「そうじゃない」では牧野真莉愛、「若いんだし!」では工藤遥がセンターポジションを務めた。

 近年は両A面またはトリプルA面シングルが多く、楽曲によってメインボーカルも異なってくるため明確なセンターポジションが分かりづらいのが現状である。

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