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【思い出話】FNS27時間テレビ

 2023年は約4年ぶりに夏の大型特番『FNS27時間テレビ』が復活し、千鳥・ダイアン・かまいたちの3組が総合司会を務めることになった。今回の目玉企画である「100kmサバイバルマラソン」をはじめ、『千鳥の鬼レンチャン』の人気企画「400m走生サバイバルマラソン」、恒例の「さんまのラブメイト10」などさまざまな企画が用意されている。

 中でも筆者が気になるのは、高橋愛が出演する各局対抗企画「FNS逃走中」、保田圭・矢口真里が出演する「サビだけカラオケ タッグモード大会」、モーニング娘。’23が出演する「FNS鬼レンチャン歌謡祭」の3つの企画で、ハロプロファンとしては非常に興味深い内容になっている。

 1987年から始まった『FNS27時間テレビ』は、毎年フジテレビが総力をあげて制作しており、筆者も物心がついた時から見てきた。同時期に放送される『24時間テレビ』とは違ってお笑い・バラエティ要素が強いのが特徴的である。近年は娯楽の多様化によるテレビ離れやSNSの普及もあって視聴率が右肩下がりになっているのが現状で長時間大型特番の是非が改めて問われている。

 今回は筆者が思い出として残っている回について振り返っていきたいと思う。

2003年

  • 放送日:2003年6月28日(土)〜29日(日)

  • 番組テーマ:「みんなのうた」「再会」

  • 司会者:みのもんた

  • 番組パーソナリティ:モーニング娘。

  • 視聴率:10.3%

スケジュールの組み方が異常すぎた回

 番組パーソナリティを務めたモーニング娘。は、連日行われていたミュージカル『江戸っ娘。忠臣蔵』の上演期間中で、両日ともに2回公演、29日が千秋楽公演という慌ただしいスケジュールの中での出演だった。そのため通し企画の「モーニング娘。の目指せ折り鶴1万鶴」や深夜帯の「モーニング娘。の爆笑ヒットパレード」、早朝帯の「辻・加護の早朝フジテレビ探検隊」以外は中澤裕子・保田圭・後藤真希・松浦亜弥といったハロー!プロジェクトのメンバーが番組を盛り上げていた。

 その中でも特に印象に残っているのが、安倍なつみが小学校の恩師の前でリリースを控えていた「シャボン玉」を初披露するという場面。ミュージカルの本番を終えて、明治座からお台場のスタジオへ移動して即パフォーマンスという状況だったが、これまでにない曲調と加入したばかりの新メンバーがメインボーカルを務めていること、肝心のなっちのポジションが干されていたりと色々な意味で衝撃的だった(スタジオの空気も若干冷ややかに…)。全体的にバラエティ色を抑え、感動企画を全面的に押し出したため視聴率は当時としては最低となる10.3%を記録した。

2009年

  • 放送日:2009年7月25日(土)〜26日(日)

  • 番組テーマ:「笑顔」「感動」

  • 司会者:島田紳助

  • メインパーソナリティ:ヘキサゴンファミリー

  • 視聴率:13.8%

表はヘキサゴン、裏はハロプロ?

 高視聴率を叩き出していたクイズ番組『クイズ!ヘキサゴンⅡ』を中心とした編成で放送され、目玉企画の「FNS27局対抗!三輪車12時間耐久レース」では矢口真里の応援としてモーニング娘。が駆けつけ、スタジオにいる辻希美らに見守られながら「なんちゃって恋愛」を披露した(応援というより単なる箸休めの宣伝コーナー…)。当時はOGとのセットで“バーター”として番組で共演する機会が多く、グループの存在を強くアピールしていた時期だった。グランドフィナーレではモーニング娘。に中澤裕子・保田圭・辻希美・吉澤ひとみ・紺野あさ美・小川麻琴の総勢15人で「LOVEマシーン」を披露し、長時間にわたる耐久レースのゴールに華を添えた(庄司智春の応援に駆けつけていたミキティは不参加…)。

 このように番組の主役は島田紳助率いるヘキサゴンファミリーだったが、三輪車耐久レースで大きくフューチャーされていた矢口真里、さまざまな企画に参加していたヘキサゴンファミリーの里田まい・辻希美、“応援”として2曲も披露したモーニング娘。とOG…とハロプロが大きくフューチャーされていた。

 ラストに歌唱したヘキサゴンファミリーによる「泣いてもいいですか」は名曲!

2015年

  • 放送日:2015年7月25日~26日

  • 番組テーマ:「本気」

  • 司会者:ナインティナイン、中居正広

  • メインパーソナリティ:めちゃイケメンバー

  • 視聴率:10.4%

まさかの岡女復活

 「本気」をテーマに総合司会を務めるナインティナインの岡村隆史が、テレビの危機を救うヒーロー「ホンキーマン」に扮して様々な企画を本気で挑戦し、テレビは楽しいということを証明するのがコンセプトだった(この頃ってもうYouTubeが盛り上がっていたんだっけ…?)。

 大久保佳代子の88kmマラソンやたんぽぽ白鳥のバンジージャンプのギネス記録といったさまざまな目玉企画が行われた中、FNS系列局対抗企画の「FNSちびっ子ホンキーダンス選手権」は小学生を中心に「上手さ」「見た目」「面白さ」の3つの表現力を競う熾烈なダンスバトルが繰り広げられ、岡山放送代表として当時小学4年生だったENHYPENのNI-KIが姉と共に出場していたらしい。惜しくも本戦の出場を逃したが、予選大会には当時12歳だったSnow Manのラウールも参加していたとのことで、未来のスターを発掘したコーナーとなった。

 岡村隆史が数々のアーティストとコラボレーションを行うノンストップライブ「テレビのピンチをチャンスに変えるライブ」は、EXILEやAKB48、吉本天然素材といった『めちゃイケ』の企画に関わった顔ぶれが揃い、中でもモーニング娘。OGは約11年ぶりの岡女復活とあったファンとしては感慨深いものがあった。ライブ中は終始スタジオの副音声が被っていたりと不満な点はありつつも、当時のモーニング娘。らしいパフォーマンスをテレビを通じて体感できたことが嬉しかった。

 きっと今年の『27時間テレビ』もさまざまなドラマが生まれ、記憶に残ることだろう。


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