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「黒く霞む刻」三日目終了、作品の事①

gallery hydrangea企画公募展「黒く霞む刻」三日目が終了いたしました。

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ギャラリーも独特の静寂が漂い不思議な空間ですが、「白昼夢」というテーマで集められた作品が非現実的な空間をさらに高めているように思えます。

私は2点ペン画で参加しておりますが、その中の一点

「囁く夢」についてイメージなど書きたいと思います。

まず思いついたのは現実からの逃避。

昨今の世情もありますが、日々思わぬことや叶わぬことに相対すると頭に過る事があります。「今が夢であればいいのに」・・と。

現実、そんな事はあり得ないのですが・・その願いが強ければそこへ行くのは容易だとも思えます。

音楽を聴く、本を読む、映画を見る、劇場やライブハウスなどの異空間に行くのも良い。でもあまりにも精神が傷つきすぎるとその場から足が動かなくなる時もあるものです。

何を聞いても、見ても、話を聞いても潤うことは無く。何かに飢え、何かを探し、裸足で茨の道を歩いているような苦痛の日々を・・

いつ終わるとも知れない息苦しい日々の中でそんな時、夢に見る事がある理想の世界と理想の自分。今が全て夢で、目を覚ませば違う自分がいるのではないかという【逃避】という仮想現実。

そんな中で優しい声で「幸福をあげよう」と囁く者が不意にやってくる。

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「囁く夢」2020年

F3(273×220㎜)インク・紅茶・アクリル・水彩・ケント紙・木製パネル

目を閉じて

茨のような今よりも

幸福な永遠を君に上げよう

むせかえる薔薇の香りに

満月も腐り落ちる

私の声だけに耳を傾けて

君の明日を僕に

此処にある永遠を繰り返そう

「囁く夢」に寄せて by卯月螢

もしかしたら、今を絶えれば明日になれば世界が変わっているかもしれない

でも、その明日さえ夢に見れないその時に

そんな囁きをされたら

今と引き換えに「夢」を選ぶのか

今の一瞬の為に自分の人生を無くすのか

この作品を描きながらそんな事を思いました。

人はそんなに強い生き物では無いのですが、弱いながらも日々の生活を誠実に生きていればあるいはと・・思う事がありますね。

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gallery hydrangea企画公募展「黒く霞む刻」

2020年11月5日(木)~11月15日(日)定休日:火・水

13:00~18:30(最終日17:00まで)

ご無理のないように、マスク着用の上御来廊ください。


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