見出し画像

【読書メモ】『評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡』(著:皆川ゆか)

ここにいるインテリの目的はひとえに<革命>であって、<革命>の後にある政治ではなかった

出典:『評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡』

少し前から都知事選が始まっていますが、やはり妙な気配を感じますね、、単なる「どぶ板選挙 vs 空中戦」の延長とは思えずに、ややもすると「経済安全保障」の枠組みとその派生等々をきっちりと意識しておく必要があるのではないか、なんて感じる部分も折々に。

果たして「当選した後の<都政>」を真摯かつ現実的に考えている方がどこまでおられるのか、、少なくとも、公職選挙法すら守る気配を欠片もみせない「蓮舫氏」、「石丸伸二氏」の両名にはその真摯さはないだろうな、と既にきっています、蓮舫氏は告発もされたのかな。

また石丸伸二氏も大概ひどくて、道交法すら守れていないようですし、恫喝裁判、踏み倒し裁判と金銭に汚すぎます。なにより「東京都を壊す、弱くする」と公言しているヤカラに都政に入って欲しくないですね、それこそ「国政」ではないのですから。学歴はご立派なようですが、実社会では役に立たなかった典型との見立てです(三菱UFJ時代の逸話とか出てこないのかな)。

私自身、前職(大学事務職)で類似の輩には結構遭遇してきました、東大京大も含めてどこにでも地頭がアレな方はいるのは実体験としてあります。そんな石丸伸二氏、実際に安芸高田市でも何一つ成果を残せていなく、複数の裁判でも負け続けているようですネ(2024年6月23日時点)、、閑話休題。

自分が二流であることを自覚しながら、一流の目標のために動かねばならぬ人間は不幸だ

出典:『評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡』

ふと、自分が二流・三流であることに気づくことなく一流であるように扱われることを強権的に求める人を何と評すればよいのだろうか、と『評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡』との一冊を思い出しながら。

こちら『機動戦士ガンダム』における架空の人物、シャア・アズナブルの軌跡を、一年戦争からグリプス戦役、そして第2次ネオ・ジオン戦争まで追いかけた一冊です、、妙にロジカルで読みごたえもあります。

ティターンズは、地球の重力に魂を引かれた人々で、地球の論理だけで革命を進めようとしているのだ。しかし、それは改革ではない。
地球に住む人と宇宙に住む人という階級だけを作り、その緊張感の中で、特定の人々だけが、利益を得る社会構造を作るだけである。
それでは、中世である。人に成長するなと言うに等しい。

ティターンズは、このような時でさえも、戦闘を仕掛けてくるのだ。この暴虐な行為は、かつての地球連邦軍から膨れ上がった組織が、逆らう者はすべて悪と称して、掃討しようという意思を持っている証明である。これこそ悪であり、人類を衰退させていくと言い切れる。

出典:『機動戦士Zガンダム 第四部 ザビ家再臨』

革命はさ、いつもインテリが始めたんだよな?
しかし、観念的な理想論だけで革命をやるインテリは、実践ではいつも過激なことしかやらない。悪い癖だ

革命が勝利して、組織を整備されていくと、革命の理想は、官僚と大衆の中に吞み込まれていくのがプロセスだ。そうすると、それを嫌って、世間から逃げ出すのが、インテリなんだよな?

出典:『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』

個人的にはこの対比がどうにも印象的で、物語だからこそ可能ともなる構成なのでしょうが、一人の男が時代時代で役割をスイッチしていくことでの「人はかわっていくもの」との見せ方にはやはり、ある種の美しさは感じます。

20代後半に抱えた拘泥を経ても、傲慢になりきれぬシャアには歯がゆさを覚えぬでもない。だが、大衆の信任に自己の責任を委ねず、最後まで自己の行為と、個人として向き合おうとしたこの男は、「英雄」でありながら終生、「独りの男」だったのだ。

出典:『評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡』

いい感じに熟成されたロンド・ベル時代のアムロもプレーヤーとしては好ましいのですが、それなりに人生経験を重ねてきた身としてはシャアの煩悶にも共感できますし、その在り様と結末にもある種の憧憬も覚えます、、物語だからこそ(アクシズ落としはただのテロと認識した上でです)。

なお個人的に、『逆襲のシャア』をしっかりと観たのであれば少なくとも「サイコフレームで東京を動かそう」との発言は出てこないかな、、「都民に人の心の光を見せたい」とかならまだ理解はできたんですけどねぇ、、なんて思いながら。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?