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パラレルワールド

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#散文

たゆたい①

手を握られていた。
部屋の中は柔らかな温度に包まれていて、そこにはただ優しさしか存在していなかった。私の手を握ったその手は私をどこか知らない場所へと導いてくれるようだった。そこは私が今まで足を踏み入れたことのない場所で、私と彼しか入れないところだった。私は少し緊張していて、その心地よい浮遊感の中に少しずつ爪先から入っていった。そこには暖かで清廉な水が湛えられているようだった。彼の瞳を見ると、穏やか

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