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2月読書まとめ

2月は読書の時間が少なめだったけど、
今まで読まなかったタイプの本も開拓することができた。

全9冊の中から個人的おすすめ3冊:

1. オスカー・ワオの短く凄まじい人生
2. 逆ソクラテス
3. 本屋さんで待ちあわせ

2021年2月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2455ページ
ナイス数:191ナイス


■新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)
最初から最後まで読むのがきつかった。
若者のドラッグを取り囲む生活が、主人公リュウの視点で語られる。登場人物のキャラクター云々ではなく、もう彼らのいる世界が非日常的すぎて理解が難しかった。暴力やセックスの描写が強すぎて読むのに精神力が必要だなと。
解説を読んで、そんな世界の一員でありながらリュウも苦しみ感情を爆発させたということに納得。再読したら理解を深められるのかな。でもすぐには再びページを開けないほど、ずっしり気持ちが持っていかれる読後感。
読了日:02月02日 著者:村上 龍

■本屋さんで待ちあわせ (だいわ文庫)
「思わず書店に走りたくなる情熱的ブックガイド!」と。まさに今日このあとは書店に行くつもり。そしてこの本で紹介されていた何冊かを探してみようと思う。
三浦しをんさん全開でとっても面白い!ジャンルの幅の広さには驚かされるばかりだけど、こんな風に色々な本・漫画を読まれてたくさんの面白い小説が出来上がるんだろうなと、勝手に想像した。
今まで自分では辿り着けなかったジャンルの“読みたい本”をたくさん見つけることができて、わくわくしてきた。
読了日:02月07日 著者:三浦 しをん


■斜陽 (新潮文庫)
太宰治の何がおもしろいのか、上手く言葉で表現できない。でもやっぱりこれも引き込まれる。
読み終えた時の「え、そういうこと?」という感じや流れるような文体や会話文に楽しさを見出しているのかも。
太宰治の愛人の一人である太田静子の日記を元に書かれた本作。
いつの間にそんなに恋していたのかと思わずにはいられなかったけど、かず子の気持ちが高ぶった感じがすごく伝わる。直治の苦悩とお母さんの病床の様子はちょっと辛い。ポイントとなる蛇も、ありありと目に浮かぶようだった。
そして最後のオチ、すごいよなぁ。
読了日:02月08日 著者:太宰 治


■あなたの会社、その働き方は幸せですか? (単行本)
出口治明さん✕上野千鶴子さんという、なんとも豪華な対談。二人の多くの経験から語られる、働き方、教育の在り方、そしてジェンダーについても。
働き方として、「給与分はしっかり働き同期の平均よりは上をいく」という身の振り方がとても参考になった。周りを気にしすぎず、とにかく自分の給与分はちゃんと働くという、シンプルかつリアリティを持って自分を保ちやすい信念を常に持っていたいと思う。
教育論の章などは特に、日本語話者のバイリンガルの需要などを知り、まだまだ勉強が必要だと気持ちを高めてくれる。
読了日:02月12日 著者:出口 治明,上野 千鶴子


■逆ソクラテス
あぁ良かった。面白かった。
小学生が主人公の短編5作品。どれも良くてベストは選べない。伊坂さんらしい伏線を辿ってみたけど確実なことは分からないものも。
大人の視点ではなく子供の世界で起きる色んな出来事。それが大人になってからどう影響してくるのか、その部分が面白かった。とくに「逆ソクラテス」のテレビを見る人と画面の中の野球選手、「アンスポーツマンライク」の5人の少年とミニバスのコーチ、彼らとそこで関わった人のその後。どの話も晴やかで爽やか。でもどうしても人物の繋がりの本当のところが気になってしょうがない。
読了日:02月13日 著者:伊坂 幸太郎


■うらおもて人生録 (新潮文庫)
劣等生へ向けた生き方を説いたエッセイ。著者色川武大さん自身が劣等生として生きたからこその説得力のある一冊。
理解するのは簡単ではない内容。言っていることは分かるけど、個人的には腑に落ちるまでに再読は必須。勝ち負けの論理、人生は九勝六敗がベスト、というのは本当に納得。どうやっても全勝は難しいし全敗ってこともそうそうない。そのためには学びや経験は欠かせないし、集団の中では他人の性質や自分の役割をきっちり見極めることも大事。欠点を看板掲げて見せつつ、それを上回る長所を磨く。これができると本当に愛されるよな。
読了日:02月21日 著者:色川 武大


■命がけの証言
恥ずかしながらこの問題について深く知見を持たないまま初読。
中国共産党によるウイグル人に対するジェノサイドはひどいものだった。現実に起きたことの証言の数々を事実として捉えられたことに加え、何年後かの日本に同様のことが起きないとは言い切れない恐怖を感じる。日本人である一個人の自分に何ができるか、事実を知った今、考えて行動に移さなければいけないな。誰かに伝え広めることはすぐできるし、本中にあった、「中国製のものを購入しない」、関連本を読みより多くの情報を得る、というのも一つの手段かもしれない。
読了日:02月21日 著者:清水 ともみ


■オスカー・ワオの短く凄まじい人生 (新潮クレスト・ブックス)
今まで読んだことのない新しい雰囲気の小説だった。小説の世界観が広がった感じ。オタク青年の生涯を、独裁政治の時代背景、移民、差別、SF、オタクなど本当にたくさんの物語とともに描いている。注釈が多いことに驚くも慣れる。ただそれを全て逐一読むことよりもメインのストーリーを読み進めることに注力してしまったので、今度注釈だけで読んでも世界が広がりそう。コミカルなテイストが一貫していて「青春小説」とあるものの全然爽やかではない。捉え方によっては重いけど、オスカーという青年がこういう生き方をしたことに万歳!
読了日:02月26日 著者:ジュノ ディアス


■優れたリーダーは部下を見ていない
コンサルタント会社代表の著者が書く「チームのあり方とタスクありきの働き方」。
説いている内容は非常に明快で分かりやすいが、その分良くも悪くもシンプルな内容に落ち着いている印象。タスクを明確にしそこへ適材を当て込むというのは納得できるしやるべきだけど、実践できている企業は多くないのだろう(少なくとも弊社はグズタスチームだと思った)。4章5章はこの概念に沿って、個人で実践しやすい“話し方"と“無駄な会議/タスクの切捨て”について触れられていて特に興味深かった。3つの余裕についても深く納得。
読了日:02月27日 著者:横山 信弘


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