実務のマーケティング課題に初めてUX手法を実践して提案してみた(ペルソナ・マインドマップ・構造化シナリオ)
今朝マーケティング部から、とある売上課題に関する打開策アイデア募集のお知らせがありました。
在籍しているカスタマーサポート部は、組織的にマーケティング部直下の部署で、「ユーザー視点で別角度からのアイデア出し求む!」とマーケ部から参加を勧められたこともあり、「これはチャンスだ!」と、ユーザー視点で論理的な提案ができるよう、これまで勉強してきたUXフレームワークの実務使用に挑戦してみました。
※詳細は社外秘につき、そのまま書けないため一部の内容にアレンジを加え、商品名などの情報は伏せて書いています。
●売上課題/お題
上記の課題と仮説から、今回出題されたお題はこちら
●今回試したこと
上記のお題が朝9時に周知され、検討MTGは当日13時から。
思考をまとめる制限時間は4時間(他業務もあるため、実質は2~3時間程度)で、以下のアウトプットを行いました。
①ターゲット顧客属性のペルソナ作成
少しずるい気がしますが、ターゲット顧客の年齢・性別・年収・志向が自分と重なる点が多いため、ペルソナとしての自分に、実際に多い顧客層や、これまでのアンケート内容からの浮かんだ顧客像の要素をミックスして作成しました(内容は一部変更しています)
【ペルソナ】
②マインドマップ作成
①で作成したペルソナへ「今回のお題」と関連する質問を投げたという設定で、
・マインドマップの中心に「お題」と関連する質問
「特別な日に高額商品・体験を購入する時のどんなこと考える?」
・左右に「プレゼント用」「自分へのご褒美用」
・さらに3つずつ心に浮かんだ欲求に大きく分類
し、そこから枝分かれする形で、連想した考えを書き出しました。
このとき注意したのは、あまり特定のサービス(特に自社)を意識せず、ぼんやりと抽象的に考えることを意識しました。
【マインドマップ】
③構造化シナリオ(価値シナリオ・行動シナリオ)作成
ここまでで残り時間が少なくなってきたので、
上記のマインドマップで「プレゼント用」の悩みが多いことが気になったので、「プレゼントするときの悩みを解消する」ことで売上を増やす提案に思考を絞って、簡易的な構造化シナリオのテンプレートで、下記2種類のシナリオを作成しました。
【価値シナリオ】
【行動シナリオ】
●フレームワークで今回導き出した提案内容
マインドマップで出てきた考えを俯瞰し、
・誰かの特別な日に「高価で希少な品物」をサプライズで贈りたいが、
相手の住所が分からない場合や、会う機会がないとサプライズとしてプレゼントできない
・品質管理がデリケートなものを手渡しすることや、渡すタイミングが難しいもの、手渡しだと相手の荷物になりそうなものを贈ることに心理的抵抗がある
という点に着目。
それに沿って、上記のペルソナ、マインドマップ、価値・行動シナリオを添えて、下記提案をしました。
●提案した結果
・「サプライズプレゼントとしての利用」「メッセージカードのニーズ」については、少し刺さった反応がありました。
・それらニーズがある層への訴求に「eギフトの活用方法の提示」「贈られた側の口コミ」が必要であるかは、話題に触れられませんでした。
後日、何かのタイミングで、上司にこの提案への詳しいフィードバックを聞いてみたいと思います。
●次回に向けた改善点
【やってよかった点】
・「知っている」だけより、「実際にやってみる」方が様々な気づきが得られました。
例えば、自分の頭の中のみで考えると、いくら無意識を意識しても、何らかのバイアスの影響を受けるということ。
チームで取り組むなどして、お互いに思考の矛盾点や漏れ等をチェックしあうなどの作業が必要だと感じました。
そして、自分が自社サービスに持っているバイアスに気づけたこと。
・頭の中をすべて書き出して俯瞰すると、自分でも今まで意識してこなかった「人に物を贈る」という行為のペインポイントに気付けたこと。
実際に第三者に行ったインタビューやアンケートを基に思考したら、どんなことに気が付くんだろう、早く試してみたい!、とワクワクしてモチベーションが上がった。
【反省点】
・後半の構造化シナリオ作成はやっつけ仕事になった。
⇒制限時間内に「構造化シナリオを使ってみる」ことが、目的化してしまったため、あまり良いアウトプットにはなりませんでした。
「手法の利用経験の獲得」を焦りすぎて、手段と目的が逆になって失敗する典型例だったと思います。立てた仮説に対し検証を行う思考にもっと時間を使えばよかったです。
・言語化力不足
⇒まだイメージを言語化しきれていない箇所があることが分かりました。
ボキャブラリ不足・根拠の説明が足りない・弱いと思える点があり、今後さ
らに意識して磨いていきたいと思いました。
・イメージを見せたかった
「こう考えたのですが、現状こうなので、こうしてみるのはいかがでしょうか?」で見せるイメージ図はやはり作りたいと思いました。今回は時間がなかったので、次回の宿題とします。
●おまけ(フレームワークで参考にした本)
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