推しの引退とともに、思い出を語る。

2021年12月12日。
一人の舞台役者さんが、その道から引退することになった。

私の、ただ一人の【推し】と言える役者さん。
今回は、この【推し】について語っていこうと思います。
※出演作品一作一作の感想は無いです。ダイジェストだけ。
感想とか入れたらめっちゃ長くなるので・・・

初めて知ったのは、SNS(ツイッター)上だった。
地元(山梨県)出身で舞台役者さん・・・?新しいなと思ってフォローした。すぐフォローバックされた。

彼女の名前は【亜蘭】。
本名でもあり、舞台活動も敢えてフルネームではなく、このファーストネームで活動してきた。

まだ当時は本格的に役者としてデビュー前で、とにかく初舞台へ向けて色んなオーディションを受けている段階だった。
ヴァンフォーレの試合で小瀬に行ったときに、彼女を知る、同じ役者さんとして活動しているフォロワーさんと会ったら「亜蘭ちゃん?知ってる。可愛くて良い子だよ。応援してあげて」と言われた。

そして2018年9月。
黒薔薇少女地獄『私はここにいる』で役者デビュー。

画像1

画像10

画像11

私自身『舞台観劇』というものは生まれて初めてだった。
初舞台とは思えないほど、堂々とした演技と立ち回り(素人目だけどね)。
千秋楽のカーテンコールで、舞台上で見せた涙を見て、『推していく』決心を固めた。


彼女自身が当時掲げていたキャッチコピーと目標
『亜蘭に一生ついてこい』
『一生ついてきてくれる人を150人作りたい』

及ばずながら、協力していこうと思った。
ヴァンフォーレの試合で小瀬に行くたびに、知り合いに布教活動もしたw
その成果もあって、『ファン第一号』の称号?もいただいた。

2回目の舞台は、意外とすぐに来た。
劇団おねがいシスターズ【HOME】。

画像2

この舞台を語るうえで外せないのが『越前カニ子』という真っ赤な衣装にカニの被り物をして演じる役目(しかも女子高生が演じていたw)があるのだが、ちょっと今回のnoteの目的から外れるので、また別の機会があったらw

画像13

画像14

この舞台から販売されたTシャツ、というかグッズ(正式名称:亜蘭についてこいTシャツ)は、今後今日に至るまでお付き合いすることになるのです。
(当然、購入者第1号でした)

画像12

画像15

前述の「越前カニ子」というキャラといい、劇中にコロッケ屋のエプロンが衣装として登場するので、なんかコロッケとカニカマが食べたくなる演劇でしたね。

3回目の舞台は、あっという間に訪れる。
初舞台を踏んだ座組、黒薔薇少女地獄の代表作とも言える(と思う)
【緋色、凍レル刻ノ世界、永遠】の再演。
確か、会場となる『中野ザ・ポケット』を満席にしようと躍起になってたっけ。

画像3

画像4

画像16

ちなみにこの作品、DVD化されています。
彼女自身引退してしまうので、もう生で舞台を観ることはできませんが、確かに役者としての道を歩んでいた形が映像に残る、貴重な作品です。

そして4作目。
忘れられない一作となった【中女(あたりめ)】という舞台。
何が忘れられないかというと、(たぶん)初めて山梨県出身の役者さんとの共演。
そして、私自身初めてTwitterのフォロワーさんが見に行ってくれた舞台。
そして、初めて祝い花を贈った舞台と、『初モノ尽くし』が多かった作品なんですね。
初めてお花を贈るにあたり、草花は疎いので業者さんに丸投げしたんですが、【アランセラ】という花を入れてくれたそうで、業者さん曰く、
「亜蘭、というお名前を伺って閃きました」と言ってくれて、嬉しかったな。

画像5

集いました!その名もズバリ、チーム山梨!

画像19

画像18

画像19

そして5作目【シェイリ】。
非常に申し訳ないことに、実はコレ、舞台の内容を殆ど覚えてないんですよ・・・
理由はというと、コレ本人にも言ってないので初告白なんですが、この舞台を見る5日前に父が亡くなり、観劇2日前に葬儀を終えたばっかりの状態で心身ともに疲弊しきってしまっていたので。
事前キャンセルを考えていたくらい心ここにあらずで、ただ行っただけ・・・といった感じ。
※この作品もDVD化されているそうです。

画像6

画像7

6作品目。
これも忘れられない作品になりました。
【ここハ東京、夢のなか】という舞台。
この舞台をもって、役者デビュー1周年。
1周年を記念して、お花も少しゴッツい、スタンド花を贈りました。
ちなみにこの作品なんですが、第31回池袋演劇祭というものにエントリーしていて、【豊島区観光協会賞】を受賞したそうです。
そういった作品に関われたことも誇らしいし、観劇できたこともまた、誇りに思います。

画像19

画像20

画像21

画像9

画像22

↑贈ったスタンド花、評判は上々だったようで、良かったの一言に尽きます。
千秋楽を見に行きましたが、確か台風が接近していて「帰れなくなるんじゃないか」という不安が付きまといましたが、台風がめっちゃ気を使ってくれて速度を遅くしてくれたおかげで、なんとか帰れたのを覚えている。

ちなみに、この舞台もフォロワーさんが見に来てくれました。

そして・・・
この後くらいだったかな。
【スカレッティーナ演劇研究所】の研究生となると。

で、7作品目。
その【スカレッティーナ演劇研究所】実験室講演と呼ばれていましたね。
古典演劇の『温室の前』という作品。
この作品、セリフもない、動きもない。いわゆる【静】の時間が多く、
見てるほうとしても凄い緊張した。
それだけに、演者さんたちの声が凄く通っていたね。
ちょっと驚いたのは、カーテンコール無し。
物販も無し。
お花は会場の広さの都合で置けない。

カーテンコールが無いのは、他の客席からも「えっ?」て声が聞こえた。
その辺りも何か狙いがあったのかな。

画像24

画像24

そして、8作品目。
東京笹塚ボーイズ『朝の気配』。
年が変わって、2020年。
あいつがやってきた。
全世界のにっくき敵、新型コロナウイルス。

この舞台そのものは2月で、まだそんなに「まさかここまで全世界を脅かすことになるとは」レベルではなかったので、まだマスクとかしてなかったし、入場制限や検温・消毒などもなく普通に入ることができる頃だった。

画像25


千秋楽、観劇後のトークライブで、ゲストスピーカーの映画監督さんが「印象に残った役者さんは誰?」の問いで、亜蘭ちゃんを挙げていました。
ハッキリ言って、光栄です!!

画像26

画像27


ここから先は、周知のとおり新型コロナウイルスが猛威を奮い、色んなイベントや催し物が軒並み延期・中止になるという事態に発展。
演劇の世界も当然のごとく、舞台中止・延期のリリースが流れたのでした。

ここからは、【写真禁止・終演後の面会禁止・差し入れ・花束禁止】という制限下のもとで、ギリギリ開催できた舞台ばかりなので、ダイジェストで。

10作品目 若手演出家コンクール2019【ゴーストノート】
※完全無観客で配信のみ。これもコロナの影響ですね。

11作品目 スカレッティーナ演劇研究所講演【屋上庭園】

画像28


12作品目 スカレッティーナ演劇研究所朗読劇【たなごころ】

画像29


13作品目 スカレッティーナ演劇研究所朗読劇【乱歩】

画像30


そして・・・
引退作・14作目【牛山ホテル】

画像31

画像32

画像33


2018年9月から2021年12月まで。
3年3か月の役者としての活動を終えました。

<所感>
まず、自分自身としての率直な気持ちは感謝、残念至極、そしてエール、この3つです。

思い起こせば3年前。
Twitterで知り。生まれて初めて『舞台演劇』というものに出会い、そして初舞台を観劇したとき。
千秋楽を観劇し、カーテンコールで涙する彼女を見て「推していこう」と決めた時の帰りの電車の中で、一番最初に考えたことは、『この子が役者を卒業するときに、どんな状況で自分は送り出すのだろうか??多くの「推し」を持つ人々と同じように、自分のことなど忘れ去られてしまって、ひっそりと終わってしまうのではないか?』
半分以上、そう覚悟していました。

しかし、最後の『牛山ホテル』の舞台を観劇して、当初想像していた時とは正反対の状況で引退を見届けることができました。

役者を辞めるという報を受けた時。
何も力になってあげられなかった。
自分はもっと何か出来ることがあったのではないか。

コロナで流れてしまった、山梨凱旋舞台。

画像34

幻となってしまいましたが、これが開催されていれば、もう少し別の道があったのではないかと思います。

最後に。
亜蘭ちゃんが舞台で輝く姿を見ることが、どれだけ生きる糧になったか。
感謝に堪えません。
最高のひと時をありがとう。
お疲れさまでした。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?