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途中下車いたします

高校野球で金足農業が甲子園出場を決めたらしい。
僕はというと、野球は忘却バッテリーしか知らない、ニワカもニワカであるが、本校が数年前に甲子園決勝まで駒を進めたことは流石に覚えている。
嘘、言われて思い出したのがホントだ。
しかも、今年のエースは当時のエースの弟らしい。
競馬でも兄弟揃って走ることなんて珍しい訳で、素直に尊敬である。

さっき数年前といったが、もう6年も前らしい。時間の流れが年々早く感じるようになってきている。このまま死まで加速してほしい。それは置いておいて、当時、金農を下して優勝をしたのが、名門大阪桐蔭である。

僕でも流石に知っている。くっそつえぇ高校野球の、所謂、トップランカーという奴だ。詰まるところ、甲子園優勝に最も近い高校になる訳だな。
恐ろしい練習量を誇っているそうで、あのPL学園を凌ぐ練習量らしい。練習中には監督が日本一を連呼してくるなんてのも目にした。凄まじい。
勝って当たり前、そういう精神なんだろう。

まぁこういう学校なので、入る生徒もそれを覚悟して入ってくるんだろうが、こんな厳しい練習でレギュラーになれないなんて子も出てくる訳だ。それでも、甲子園に1番近い場所として、ここを選んでくるのか。いやはや、そんなガンギマリお化けと一緒に仕事をして勝てるわけがない。やっぱり僕はニートになっておく。

そろそろ本題に入ると、「人生とはレールの上を進んでいくようなものだね」という話がしたい。いや、なんの繋がりもねぇじゃんと言いたいだろう。だから結論から話すのは嫌なんだ。

人生の選択肢とは、往々にして自分で選択していくものであるが、多くの人が小さい頃の夢として、プロサッカー選手だったり、歌手だったり、はたまた、人気YouTuberだったりする訳だ。ちなみに僕の夢は内閣総理大臣だった。プロ野球選手、というのもその1つであろう。
大阪桐蔭に野球選抜で入ってくる子達というのはこのプロ野球選手へのレールへ乗っている人々が殆どであろう。しかし、そこからレギュラーになれなかったり、怪我をしてしまったりでドロップアウトしていく者も多い。というかプロになった後にそうなる者もあるし、大抵は小学校、中学校あたりでドロップアウトしてしまっている。その後、サラリーマンになったり、フリーターになったり、自分の初めての夢を叶えられる人というのは一握りだよな。

別に将来の夢に限らない。いい大学に入って、いい企業に就職して、結婚して子供をつくって、老後を慎ましく暮らす。これがステレオタイプとしての生き方であることは、皆さんもよく分かっていると思う。
さっき総理大臣とか言っていたが、別に本当になりたかったかと言われるとNOである。ただ、普通の人間でいたくなかったのだ。

詰まるところ、こういうステレオタイプに乗っ取りたくなかったというのが答えなのである。それなのに、いい中学からエスカレーターして良い大学に行き、就職活動で無事ドロップアウトした。
まぁ良い機会なんだと思う。
ここで有名企業に行っていたら、ステレオ軌道に乗っていたかも知れないし、はたまた鬱で退職してドロップアウトしていたかも知らない。

よく、線路を脱線しても、違う線路があって、なんとか生きていけますよと言われるが、断じてそんなことはない。間違いなく貧困死への快速列車にしかなっていない。でもなんとなく、この脱線状態に居たいのが、今の僕の心情であることを、薄々僕は勘づいている。勿論、焦りもめちゃくちゃあるし、親や友人に多大なご心配をかけている自覚はある。この先が真っ暗なことも気が付いてはいるのだ。

でも、途中下車ということにはしてくれないだろうか。なにか、何者かになれないだろうかと模索していくことを諦めたくはない気持ちなのだ。人生を切り売りしてでも、人の羨望を集めるような人間になりたいのだ!

総理大臣と続いて、普通の人間ではない、何者かになりたいって、あぁ、こういうことなんだろう。人の羨望を集めたかったのだ。ましてや、こんなロクデナシでも何者かになれるって証明したかったんだなと、今更になって自覚した。

次の電車が来るまで、自分探しという名の、下町散策をさせて下さい。

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