第532回 2019/10/8〜14の歴史ニュースまとめ
1、月は心を映す
災害から1日経って、昨日の台風一過の典型のような快晴から
また今日は朝から曇天です。
まだ大変な思いをされている方が多いでしょうから
せめて天気だけでも気持ちの晴れるような空を期待してしまいますね。
それにしても昨日の月は綺麗だった。
みる者の心持ち次第でまた見え方が違うということですかね。
さて、いつものようにTLで見かけた歴史に関するニュースを集めました。
ヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。
2、10件のニュース
①岡山県瀬戸内市の備前長船刀剣博物館で山鳥毛を一般公開 R42
② 青森県三戸町の三戸城跡で現地説明会。16世記後半から17世紀前半の大規模な盛土跡を公開 R15 C
③ 京都府長岡京市の埋蔵文化財センターで、出土した進駐軍専用のジュース瓶を展示 R15
④ 冷泉家時雨亭文庫が定家本の『若紫』を新たに発見 R87 C
⑤奈良県田原本町と天理市にまたがる清水風遺跡で女性シャーマン風の先刻がある弥生土器が出土 R118 C
⑥中国内モンゴル自治区の化德県四麻溝遺跡で放射性炭素年代測定の結果9000年前という結果 R27
⑦岡山県倉敷市の寺院が豊臣秀吉が宇喜多領内を通過する軍に狼藉を禁じた書状を発見 R55
⑧和歌山県田辺市道湯川集落跡で中世の掘立柱建物跡などを発見 R56
⑨静岡県の駿府城でしゃちほこ状の金箔瓦が出土 R29 C
(もとツイートに貼っていたリンクが切れてしまったので別のソース)
10 神奈川県横須賀市の浦賀奉行所跡で発掘調査成果の現地説明会 R10
3、どれも深堀したい話題ですが
いかがだったでしょうか。
今回も多様な話題が盛り沢山でしたね。
もっともリアクションが多かったのは
⑤の弥生土器に明らかに女性像と思われる刻書があった話題。
女性シャーマンというと卑弥呼をどうしたって連想してしまいますよね。
卑弥呼の時代よりもかなり遡って大和国には女性シャーマンが重要な役割を果たす社会があったということに繋がるのかどうか。
みんな大好きや邪馬台国所在地論争にも飛び火しそうなネタですね。
続いて多かった④の源氏物語の話題については、すでにこのブログでも触れました。
⑦の味方の土地で乱暴狼藉を働くことを禁じた文書の話題も気になります。
あるフォロワーさんからも指摘がありましたが、織田軍はそのあたりのところ
他の大名よりもしっかり管理していたイメージがありますね。
中世といえば、乱取りといって人もさらって売り飛ばしてしまうような世界観ですが
この辺りのことは以前触れた藤木久志氏の著作に詳しいですね。
その中世の常識から外れて、庶民を保護したからこそ他の大名との差別化ができて、支持されるようになる、
そんな認識でしたが、確かな文書資料に裏付けられたものではなかったのかもしれません。
秀吉軍だけが突出して先進的だった可能性もありますが、
一つ見つかるとなぜか連鎖して関連資料が見つかることがよくあるので
他の地域でも織田配下が発給した類似文書が見つかるかもしれませんね。
最後に⑧の熊野古道沿いに栄えた中世宿場町の話題。
もう現在では人が住まなくなった集落というところがなんとも寂しく
考古学とか歴史学の社会に果たす役割について
また想いを巡らせてしまいますね。
集落を出て行ってしまった子孫の方に、かつての栄光を想わせるような
歴史的資料を提示できる、と前向きにとらえるべきか。
社会のあり様が変わって、ある時代には重要視された場所は見向きもされなくなる一方で
災害の危険性がもともと高い場所にも無理くり造成して、人口を増やしてしまう地域もあることに
なんとなく無常感を感じてしまったり。
また歴史好きの方とこんな取り止めのないことを語り合いたいです。
本日も最後までお付き合いくださり、ほんとうにありがとうございました。
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