第1352回 2022年の歴史ニュース その4 その他編

1、歴史ニュース総まとめ

年間歴史ニュースまとめもいよいよ最終回。

その他編ですが、実は一番10個の話題に絞るのが苦労しました。

ちなみに昨年はこの10件でした

https://note.com/tunawataridori/n/n807a7696d9ae

2、10大ニュースヘッドライン

①東京都杉並区で図書館・郷土資料館を臨時休館にして職員を保健所業務に


②宮城県仙台市の伊達政宗騎馬像が地震で傾く

③フランスのルーブル美術館でモナリザにケーキが投げつけられる

④富山県砺波市教育委員会は、地元の増山城など県内50カ所の城郭を巡ったことを証明する認定証を作成

⑤広島県三原市の市歴史民俗資料館に展示されている約200年前の落雁が、現存する国内最古の和菓子と判明

⑥最古の文字とされたのは油性マーカーの痕跡だった!?

⑦凸版印刷がくずし字解読アプリを開発

⑧全国のテレビ塔で初めて名古屋が国の重要文化財に指定

⑨奈良県桜井市の長谷寺ではメタバースを使った文化発信の実証実験へ

⑩オーストラリアの西オーストラリア州ジューカン峡谷の遺跡をめぐり、破壊した会社が先住民グループに補償


3、10件に選べなかったのでまとめながら追加


今年も文化財の危機、災害の話題に事欠きませんでした。

②の話題に関連して、3月16日の地震では図書館の被害も報告されていました。

まだまだ次の災害がいつくるかわからない中で、どう対処していくべきか、

闘いは続きます。

ウクライナの文化財被害も続報が入り、危機的な状況が伝えられています。

ただ一筋の光明のような話題も。

日本の伝統技術が遠く離れた国や地域の文化財、ひいては歴史を守ることに寄与する、とても嬉しいことです。

大きく見れば日本という国に親しみを持ってもらうことにも繋がって欲しいところです。

一方で遺跡を破壊した責任を誰が、誰に対して負うのか、という問題に一石を投じた⑩の報道は画期的です。

我が国でも遺跡の発掘調査費用や保存費用・活用のための費用を誰が持つのか、という話題は度々話題に出ますが、その都度現場の努力でその場は解決してきました。

本当にこの形でいいのか、常に問い続けていかなくてはいけないと思います。


③に関連して名画に対する毀損行為が相次いだことについては、業界団体が強く言えないことにちょっと残念な気持ちです。



前向きな話題として、とても新しい重要文化財の話題⑧に触れましたが、「最古の国宝」も注目です。

国宝や重要文化財に指定されることがゴールではもちろんありませんが、知ってもらえる大きなきっかけになることは間違いありません。

そして先端技術の活用は文化財の未来に明るい話題を提供し続けてくれています。

⑦の話題は私が特に古文書解読ができないので、とても期待している分野ですし、

メタバースは行政がDXにすら苦慮しているなかで、どんどん民間が活用していることに光明を見出しているところです。

やはり文化財の「活用」には民間主導であるべきだろうと、私は思います。

行政にはできることの縛りが多すぎるのです。

行政の担当者の役割は「活用」できるようにしっかりと調査してデータを公開すること、

適切な「活用」となるよう助言・指導を行うこと、

遠回りですがそれに尽きるのではないかと思います。

来年ももっと色々な話題が出てくることに期待します。

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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