第1396回 2023/8/29〜9/5の歴史ニュース
1、秋までもう手が届くかな
先週までのカンカン照りとは打って変わって、今週は雨が続きます。
気温も下がってくれればいいのに。
さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと表記しています。
前回はこちら。
2、ニュースヘッドライン
①京都市考古資料館で特別展示「おこしやす、古墳時代へ」を開催。11月19日まで。 R7 C
②イタリア中部のラティナ海岸で2世紀の壺を発見 R12
③九州大学の研究者らが鹿児島県種子島の広田遺跡から出土した古代の人骨に意図的な変形があることを発見 R2
④英国王妃アン・ブリーンの祈祷書の余白から消された文字を発見 R2
⑤長野県長野氏の戸隠神社で院坊(小寺院)が広範囲に立ち並んでいたとみられる痕跡をレーザー測量で発見 R11
⑥戦時中の金属供出を免れた梵鐘の裏には滋賀県の技師の思い R7
⑦アメリカのスミソニアン国立自然史博物館が所蔵するヒトの脳標本のほとんどが非倫理的な方法で収集されたものと判明 R3
⑧奈良市の佐紀古墳群でレーザー測量の費用をクラウドファンディングで募集 R13
⑨岩手県遠野市立博物館で「遠野物語と呪術」の展示会。9月24日まで R3
⑩文化庁は、文化財の保存修復のために欠かせない植物など原材料の生産者らを対象にした表彰制度を創設 R12
3、文化財を守るということ
いかがだったでしょうか。
皆様の気になる話題もありましたでしょうか。
個人的にはやはり⑥の滋賀県の技師さんの志に打たれました。
全てが戦争のため、軍事優先になっていく時代に流されることなく、
歴史的価値のあるものを守るという強い意志と
それを可能にするための調査と理論武装。
文化財を生業とする者はかくありたいですね。
続いては③の人骨考古学の話題でしょうか。
という専門家のコメントも印象的です。
縄文時代は我々が思う以上に身体に手を加えて、集団としての一体感や
通過儀礼(成人かどうか)を実現していたのでしょうね。
有名なものとしては抜歯(健康な歯にも関わらず、特定の歯を抜く)がありますし、
耳飾りもかなり穴を拡張して大きなものをつけられるようにしていたことがわかります。
そして⑩の話題。
例えば原材料の一つ、植物のトロロアオイは掛け軸や古文書などの修復に必要な和紙を作る際に使われる。需要が限られているため、労働に見合った収入を得るのが難しいとの声もある。主要産地の茨城県では栽培の継続に苦労している。
一例として挙げられているのは和紙ですが、
漆製品についても常に供給が足りないという声も聞こえてきます。
ふるさと文化財の森事業として、原材料の採取地を保存、育成していこうという取り組みは前から行われていました。
続いて材料の生産者を顕彰することで文化財保存の下支えをしていこうということなのでしょう。
単純に賃金補助ではダメなのでしょうかね。
職人さんは金銭よりも名誉を重んじる、という観念があるのでしょうか。
技術を守っていくことは大変なことですね。
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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