第1246回 2022/1/11〜17の歴史ニュース

1、トンガからの衝撃

いやーびっくりしましたね。

地震も感じなかったのに津波注意報。

今回は大きな被害もなかったようですが、

せめて今後のための教訓は各自が現場で築成できたのではないでしょうか、

さて、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ニュースヘッドライン

①岩手県盛岡市の県立博物館でテーマ展「教科書と違う岩手の歴史-岩手の弥生~古墳時代-」を開催。2月6日まで R22

②福岡県宗像市の光岡六助遺跡で遺跡見学会 R8

③佐賀県唐津市の特別名勝「虹の松原」で市に伐採を申請して不許可になっていたことが2021年7月に判明 R2 C

④神戸市の雲井遺跡の発掘調査現場でショベルカーが横転する事故 R8 C

⑤佐賀県の佐賀大学で学芸員不在が続く R16

⑥岐阜県関ヶ原町の関ケ原古戦場記念館で「新収蔵品展」を開催。2月6日まで R15

⑦京都市の花園大学図書館で、太平洋戦争中にカンボジアの世界遺産アンコール遺跡群を撮影したとみられる写真を発見 R14


⑧約3600年前の「ミノア噴火」が引き起こした津波の犠牲者が160キロ以上離れたトルコの海岸で初めて見つかる R8

⑨奈良市西大寺で7m四方の巨大な掛け軸を公開 R9

⑩神奈川県座間市で郷土資料館整備に向けた有識者の意見書取りまとめる R50 C

3、事件は何度も起きている

いかがだったでしょうか。

今週もさまざまな話題が上がってきました。

一番反応が大きかったのが⑩の郷土資料館整備の話題。

本来は前向きな話題になりそうなものですが、

保管状況が悪化する収蔵品を廃棄するための基準作りを求めた

との文言がインパクトが大きすぎて。

確かに民俗資料などは嵩張りますし、

同じものが重複しがちです。

だからと言って新たな整備計画に「廃棄」前提の基準が作られようとしているとは驚きです。

もう目を背けられない時期に来ている、ということでしょうか。

どこの自治体でも収蔵能力が不足し、廃校になった小学校などを活用して

なんとかやりくりしているのが実情です。

発掘調査で出土した資料も、報告書に掲載されたり、展示などで活用されるのは一握りで、その他の資料の多くは収蔵されたままなかなか日の目を見ることができません。

むかしとある自治体で一旦整理した出土品のうち、公開活用に供する可能性が低いものを穴を掘って埋めたという事件があり、

文化庁から再発掘を指示されていたと記憶しています。

出土資料以外は廃棄が許されるのでしょうか。

そうならないように寄贈を受ける時に基準を明確化しているところは多いと思いますし、出土品についても取り上げる段階で取捨選択が行われ「現地保存」がなされることはありますが、「廃棄」するための基準を設けているということは寡聞にして知りません。

誰が判断するのでしょうか。

現場の担当者、役所内の決裁権限者、自治体の文化財審議委員。

誰がどのように責任を負うのか、負わされるのか恐ろしくなりますね。

自分が「廃棄」と判断した資料の中に、のちに再評価されるものは本当になかったのか。

でもおそらくは現実的には「基準」を設けて廃棄することで、本来守るべき価値の高い文化財に使うリソースが残る、ということになっていくのでしょう。

驚いたのは⑧の話題。

まさか3600年前の火山噴火による津波を彷彿とさせるような事件が実際に怒ってしまうとは。

今後の分析に歴史学的な知見も取り入れていって欲しいものです。

③の事件は同じく国の特別名勝を抱える自治体の職員として

とても他人事には思えません。

その伐採は文化財の価値を損ねない行為なのか、

損ねるとしても必要最低限なのか。

それらをしっかりと検証した上でないと許可を出す方としては

難しいと思います。

そうこうしているうちに事故が起こってしまった場合はどうなるのか。

考えさせられる話題です。


今年も序盤から大きな問題が百出している感じですが

なんとか乗り切っていきましょう。

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。







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