第1295回 2022/5/17〜23の歴史ニュース

1、文化教養の素晴らしさ

昨日久しぶりに映画館に行って「シン・ウルトラマン」を鑑賞してきました。

幼い頃に見ていたウルトラマンの世界を尊重しつつ、「シン・ゴジラ」同様、21世紀の世界に自然に溶け込ませているのがしっくりきました。

俳優さんの配役もハマり役で、エンタメ性も高く感じました。

そこで感じたのは、30年以上も前に履修した文化(特撮ヒーローもの)が

再度現代の文化を享受するのに福音となる、という幸い。

母国語でこれほどまで多様で没頭性の高いサブカルチャーに溢れている国で生きることがなんと恵まれていることか。

それはさておき、本日も気を取り直して、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ニュースヘッドライン

①福島県南相馬市博物館で企画展「震災復興と発掘調査」を開催。6月12日まで R21

②北海道奥尻町の青苗遺跡から出土した勾玉を再調査へ R15 C

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/679034

③茨城県結城市の全焼した国登録有形文化財酒蔵の商品を買って応援へ R16

④甲府市の山梨県立博物館で企画展「心を描く縄文人―人面・土偶装飾付土器の世界―」を開催。6月12日まで R14

https://www.asahi.com/articles/ASQ5C76G9Q53OXIE004.html

⑤愛媛県伊方町立町見郷土館に20年ぶりの新人学芸員 R21 C

⑥ウクライナ政府が4月に沈没したロシアの黒海艦隊旗艦「モスクワ」について、水中文化遺産に登録 R15

⑦愛媛県美術館で特別展「名刀は語る」を開催。6月12日まで R2

⑧行方不明だった伊達政宗作「達磨図」を約90年ぶりに市内で発見 R14

⑨中国国家文物局は「2021年中国考古学界の十大新発見」を発表 R16

⑩トルコのマルディン県ミドヤトで最大7万人が居住できたとみられる約2000年前の地下遺跡を発見 R8

3、文化遺産だって政治利用される

いかがだったでしょうか。

皆様の気になる話題もありましたでしょうか。

個人的に最も衝撃だったのは⑥の恐ろしく速い遺産認定。

文化遺産が政治的な意図、国威掲揚に利用されている感は否めませんが、

水中考古学の観点から見ても、将来的に間違いなく価値を持ってくるであろう遺産を保護することは間違いなく必要になろうかと思います。

我が国ではまだまだその域まで達していないのだろうな、との印象です。

⑤の話題はTwitterでは批判的なコメントが目につきました。

20年ぶりに地域の郷土資料館に新人学芸員が採用された、という部分だけ見れば、よかったね、という反応になりそうですが

今春、大学を卒業し、地域おこし協力隊として伊方町に着任した。

という部分に引っ掛かりを感じた方が多かったようです。

確かに「地域おこし協力隊」は永続的な雇用に結びつかない、という理屈は尤もです。

ですが伊方町は人口8000人ほどの小さな町。

九州に向かって突き出た佐田岬半島に位置し、市内に鉄道もない交通の便は決して良くない場所です。

四国電力の原子力発電所が立地し、その経済的恩恵を受けながらも過疎地域指定を受けるなど課題が多くあるようです。

そこで採用された学芸員は多くの役割を求められることになるのは必定。

「地域おこし協力隊」としての期限つきの学芸員を採用してマッチングをするのはやむを得ない、と思ってしまいます。

これを日本全国どこでも行ってしまうとか、お手軽採用で次々人を変えて使い回す、という発想であるとしたら問題ですよね。

地域に溶け込んでくれるなら正職員で採用する、という前向きの検討であってほしいものです。

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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