第1365回 江戸の狛犬 その2
1、スカイツリーに映える
前回に引き続き、
『江戸狛犬図鑑』に掲載されている狛犬の記録
押上天祖神社(東京都墨田区業平2丁目9-6)
押上天祖神社は南北朝時代、延元年間(1336ー40)の創建と伝わります。
そもそも天祖とは多くは天照大神を指すことが多いようで、
後花園天皇の時代(1428ー64)には神明社とも称していたとのこと。
昭和32年に建立された記念碑によると
昭和20年3月9日の空襲で社殿が焼失したものの、
大正12年の関東大震災を乗り越えた神輿庫は無事だった、とのこと。
現在の神輿庫は新しくなっているのでどこかで建て替えてしまったのでしょうね。
2、戦災よりの復興
狛犬も昭和32年9月の復興によるもの。
サイズを測るのを忘れましたが、岩塊の上に鎮座するスタイルで、頭上を確認できませんでしたが宝珠の痕跡はなさそうです。
口もしっかり閉じて精悍な顔つきの吽像。
胴体の装飾はシンプルで前脚の二の腕付近の毛並み以外はつるんとした印象。
平成になって建てられた灯籠にも火窓のところに狛犬らしきものが張り付いています。
十二支の彫刻があったり、台座の植物様の表現も非常に立体的です。
凝った石像彫刻が継続して奉納されているところを見ると、この社が
地元の人々にとって大きな存在であることがよくわかりますね。
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