第607回 2019年の歴史関連10大ニュース海外編
1、まずは海外から
2018年11月から始めた、毎週月曜日にTLで見かけた歴史ニュースをまとめる企画。
一年の振り返りということで全て遡って読み返してみました。
なんとたくさんのニュースがあったことでしょう。
平均10件程度としても500件ほどの話題を紹介していることになります。
海外の話題に絞ってもそれなりに数があったことは間違いありません。
せっかくですので今年の10大ニュースとしてまとめてみよう!
と思い立ったものの、何とも選定が難航しました。
基準としたのは
幅広い地域、時代の話題であること。
掘り下げたくなる、というか
雑談のネタとしたくなる、というか
その感覚を重視しています。
毎週の連載ではTwitterでの反応を数字で表記してフォロワーさんたちの関心度を測っていましたが、
独断と偏見で、皆さんに知ってもらいたいものを優先しているとも言えますね。
2、貴方が知っていたのはいくつありますか
①曹操の墓から出土したのは最古の白磁か
この話題は今年、東京国立博物館を皮切りに巡回してた「三国志展」の番宣ではないか、という疑いもありますが、個人的に陶磁器ネタは外せません。
最近は鏡も問題も絡んでまだまだネタを提供してくれそうです。
流石は稀代の大英雄。
②トルコのカマン・カレホユック遺跡で酸化鉄を多く含む分銅型の塊を発見。ヒッタイト帝国時代よりも古い、紀元前2250〜2500年の地層から
鉄といえばヒッタイト、のイメージが強かったのですが
その通説に疑問を呈する調査成果です。
②ブルガリア東部スヴィシュトフでワラキア公ヴラド3世の軍勢が使用したとみられる砲弾が出土
串刺し公として恐れられ、ドラキュラのモデルにもなってしまったヴラド3世が城を攻めたとされる時期に否定される砲弾の跡。
世界的に知名度の高い人物だからこそ、世界中に関連遺跡の調査成果が公開されていくのでしょう。
③南シベリアで2000年前の墓から出土したベルトバックルが話題
一瞬、オーパーツか!?
と思わせてくれますが、単にサイズと形状がスマートフォンみたいだというだけの話題。
④デンマーク国立博物館の考古学者カリン・フレイ氏が研究成果を発表。青銅器時代にドイツとデンマークを頻繁に行き来していた女性がいたことが明らかに。
古代人は現代人が思うよりもっと軽やかに、広範囲を飛び回っていたのかもしれませんよね。
⑤中国河南省洛陽市で二里頭夏都遺跡博物館が開館
発掘調査成果が続々と報じられる中国。一昔前は伝説の中だけで語られていた夏王朝も様相がはっきりとしてきました。
⑥ロシアのスモレンスクでナポレオンのロシア遠征に加わったシャルルエチエンヌ・ギュダン将軍の遺骨であると判明
近代史においても発掘調査が果たすべき役割は大きいということを示す成果。
⑦イスラエル北部ナザレ近郊テル・レヘシュ遺跡で1世紀ごろに建てられたシナゴーグ(ユダヤ教会堂)の跡を発見
イスラエルの調査成果も今年はたくさん報じられました。
聖書というよりどころがあるからこそ、その記述に関連づけられる遺跡を重要視する、ということもあるのでしょう。
⑧ソウル市が北朝鮮・ロシアと共同で李舜臣関連遺跡発掘を推進
お隣の国からも調査成果の報道はたくさんありましたが、あえて未来志向の話題を。
北方領土をめぐる我が国とロシアの共同調査も話題になりましたが、
学術交流が国と国との友好を深めることにつながってくれると
世界はもっと平和になりますよね。
⑨古代エジプトの都市アマルナの共同墓地から壁画に描かれる「円錐」の正体を探る資料が出土
絵画に描かれていた謎の物体。その正体を明らかにするような出土品に巡り会えた時の興奮は察するに余りあります。
⑩カナダのブリティッシュ・コロンビア(BC)州シーモアバレーで日系人の街の跡を発掘
ラストは100年にも満たないごく最近の遺跡。
考古学的手法が光の当たらない現代史の暗がりにもスポットを照らしてきます。
3、殿堂入りも
いかがだったでしょうか。
あえてあまり知られていない話題を入れ込んだこともありましたが、
貴方の興味を引くようなニュースもあったでしょうか。
みなさんご存知のノートルダム寺院の火災は殿堂入りということにしておきます。
誰が考えても今年1番のビックニュースであることは間違いないでしょうから。
ちょうど一年前にはまとめた去年の10大ニュースでも
ブラジルの国立博物館の火災が衝撃的で印象に残っています。
来年こそは明るいニュースが殿堂入りするような年になって欲しいですね。
明日は日本編に取り掛かりますので、ぜひそちらもお付き合いくださるとありがたいです。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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