第972回 2020年の歴史ニュース海外編
1、ニュースまとめのまとめ
毎週月曜日にTLで見かけた歴史ニュースをまとめる企画。
今年も毎週継続してきましたので、年間で500件ほどのニュースをご紹介できたことになります。
年末ということで、全くの個人的な基準で10大ニュースという形でまとめてみたいと思います。
昨年同様、まずは海外のニュースから。
ちなみに昨年の分はこちら
2、これが世界の10大ニュース
①中国河南省洛陽で見つかった唐代の官僚、李訓の墓標が吉備真備によって描かれたものだと判明
②チェコ北西部の町オストロフ近くで紀元前5256年ごろの木製井戸枠を発見
③ローマの創始者ロムルスの墓を発見か
④イタリア・ヴェネツィアにある聖ラザロ島アルメニア・カトリック教会で「5000年前の剣」を発見
⑤古代イスラエル人たちが宗教儀式の際に精神活性化のために大麻を使っていた可能性が非常に高いとテルアビブ大学(Tel Aviv University)考古学研究所が発表
⑥モンゴルのウランバートル大学らの調査で匈奴の都と思われる遺跡を発見
⑦アメリカのワシントンDCの聖書博物館が所蔵する「死海文書」が全て偽物であることが判明
⑧中国内モンゴル自治区で北魏の祭天遺構の調査
⑨英国でストーンヘンジの地下にトンネル計画
⑩ギリシャのパルテノン神殿にエレベーターを設置
3、世界でも同じ悩みを
いかがだったでしょうか。
振り返ってみると多くのニュースがあり、10件に絞る作業は難航しました。
できるだけ、時代や地域、話題の方向性などが多様になるように選んでみました。
さらに特筆すべきは遊牧民族の遺跡の発掘調査成果に目を見張るものがある、ということでしょうか。
⑥の匈奴の都や、⑧北魏の祭天遺構については世界史的に大きな影響を与えるものになるでしょう。
⑨と⑩については遺跡の保護と活用という大きなテーマに関わる問題です。
まさに昨日のnoteでも触れましたが、
遺跡や文化財を守るためには資金が必要で、
それを観光という形で稼ごうとすれば、軋轢がでてくることも少なくありません。
本来は険しい道のりを辿った者だけが拝むことのできる景色を、
より多くの人に味わってもらうための工作物が加わっていくことは本当にいいことなのか、を問いかけるものです。
さらには景観を損ねるということは、遺跡の持つ本来の価値を気づかなくさせることもあり得るのです。
例えば太陽が昇る方向、山がどう見えるかなどが遺跡の重要な要素だったりする例を最近のnoteでも取り上げました。
新たに通説を塗り替えるような発見があったことを喜ぶとともに
それがいずれ観光資源化していくことにもなるのだと思うと複雑な心境です。
答えが出ない問いはひとまず置くとして、
ぜひ貴方の気になった歴史ニュースも教えていただけると幸いです。
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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