第539回 この国の民であることを誇りに思う

1、寿ぎ申し上げます

即位礼正殿の儀が本日無事執り行われました。

もうTVもネットもそれ一色でしたね。

といっても、この儀式のために役割を果たされている方も大勢いたでしょうし、

祝賀のために無料公開などが各地の博物館でも行われていたようなので

同業者の皆様も出勤の方が多かったことと思います。

国民の祝日といいながら、それを支える方がいるということに感謝ですね。

2、儀式の流れ

今年は改元と新天皇即位に関する行事がもり沢山なので

自分のためにも整理してみることにしました。

まず今日行われた「即位礼正殿の儀」は諸外国でいうと戴冠式にあたるものです。

先立つ5月1日、令和になった初日に「剣璽等承継の儀」がありましたよね。

その前日、4月30日に「退位礼正殿の儀」という天皇が退位され、

三種の神器のうち、剣と勾玉、御璽と国璽が引き渡されるというものでした。

ここで元号が変わってから、今日までは正式に即位されていないという状態だったわけですよね。

そしていま現在行われているのが「饗宴の儀」という宮中晩餐会。

本来は「祝賀御列の儀」という祝賀パレードが行われる予定でしたが、

台風19号の被災を受け、来月の10日に延期になりました。

国民の思いに寄り添う陛下らしい、と思うとともに

再度準備をする関係者の方の心労にも思いを致すと複雑な気持ちになってしまいます。

人智を超えた自然の力の前に、祈りを捧げることこそ天皇の役割なのかもしれませんね。

そう考えると、改元の日から中途半端な状態が続いていた期間が終わり

正式に天皇が即位されたということで、一安心という気持ちになります。

3、豊富な話題

さて、正殿の儀は正味一時間もかからないものでしたが、

Twitterを見ていても論点が沢山あって

どれを掘り下げるか迷うほどですね。

まずは衣装について

黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)

という聴き慣れない言葉を耳にした方も多いかと思います。

まず袍(ほう)というのは中国に由来する、日本の朝廷の正式な服のこと。

よく衣冠束帯(いかんそくたい)という表現がされますが、そのトップスにあたる部分のことです。

黄櫨染(こうろぜん/はじぞめ)というのは植物由来の伝統的な染め方のことで、

平安時代初期の嵯峨天皇の頃から、天皇専用の色に定められたそうです。

つまりあの発色の着物を見れる機会そのものがレアということ!

といいつつ、私もTLに流れてきた知ったのですが

京都の広隆寺にある太子堂に安置されている聖徳太子像は

歴代天皇からこの袍を下賜されて着せられる習いになっているようですので

いずれは今日の儀式で使われたものを実際に見ることができる日が来るかもしれませんね。

あとは天気の話題。

天叢雲剣の霊力で雨が降っているから縁起がいいとか

陛下がお言葉を始めると急に晴れたとか

大きな虹が出たとか

現地にいない身としては実感できないことですが

斎主としての天皇の底力を見た思いです。

吉兆なのか不吉なのかはいずれ分かることでしょうし。

むしろどう結びつけるかはそれぞれ感じ方次第ですが

私自身は前向きに捉える方が幸せなのではないかと思います。

近年は特に災害が続いているような気がしますが、

ようやく新天皇の即位を迎えることで、気持ちも新たにできるのではないでしょうか。

我が国では古来よりそのようにしてきたことは紛れもない事実でしょう。

歴史の中に自分もいるのだと思わせてくれる一日でした。


本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。





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