第1281回 2022/4/12〜4/18の歴史ニュース

1、おっさんロス

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。

昨日その第15回の放送があったのですが、佐藤浩一さんの名演技が光りましたね。

Twitterでは

#上総介を偲ぶ会

がトレンド入りするほど。

私もすっかり魅了されてしまいました。

それはさておき、本日も気を取り直して、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ニュースヘッドライン

①栃木県大田原市の侍塚古墳でレーダー探査の結果を公表 R5

②京都府宇治市の任天堂資料館建設予定地で発掘調査 R12

③群馬県藤岡市で歴史資料を電子データ化した「デジタル博物館」の無料公開を開始 R6

https://www.tokyo-np.co.jp/article/170059

④滋賀県米原市の文化財担当職員が伊吹山に関する研究内容をまとめた本「伊吹山風土記」を出版 R7

https://www.chunichi.co.jp/article/448623

⑤長崎県東彼波佐見町の窯元で、敷地内に埋められた昭和10年代の波佐見焼約4千個発見 R24 C

⑥奈良市の唐招提寺で、 鑑真和上坐像を安置する 御影堂の修理工事が完了 R

⑦韓国の文大統領が北岳山法興寺跡の礎石に座って説明を聞いたことが炎上 R15

⑧個人所有の仏像が奈良県吉野町のものだと判明し、里帰り R9

⑨新潟市の新潟医療福祉大で学内に「自然人類学研究所」を開所 R7

⑩ 静岡市が東京都民約1000人を対象に行ったイメージ調査で2023年1月に開館予定の歴史文化施設「静岡市歴史博物館」への来館希望者が65%あったなどとする結果を公表 R24

https://ovo.kyodo.co.jp/ch/mame/a-1755575

3、またもや近代遺跡の話題

いかがだったでしょうか。

皆様の気になる話題もあったでしょうか。

個人的にはなんと言っても⑤の話題。

昭和10年代の遺物とはいえ、埋められたものを掘り出したら発掘じゃないんですか?と聞きたくなります。

すでに何度か本連載でも紹介していますが、

平成10年に発出された文化庁次長通知には

(1)埋蔵文化財として扱うべき遺跡の範囲 として

1 おおむね中世までに属する遺跡は,原則として対象とすること。
2 近世に属する遺跡については,地域において必要なものを対象とすることができること。
3 近現代の遺跡については,地域において特に重要なものを対象とすることができること。

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/pdf/hokoku_03.pdf


と列記されています。

今回のケースは3の近現代遺跡ですから、その地域において「特に重要」なものでなければ「埋蔵文化財として扱うべき遺跡の範囲」に含めない、ということになります。

「特に重要」って誰が決めるのでしょうか。

自治体の首長とか教育長でしょうか。

自治体の諮問機関として設置された文化財保護審議委員に諮ったりするのでしょうか。

担当職員の匙加減でしょうか。

遺跡として取り扱うかどうか、は大きな問題です。

そのあたりのプロセスを明確にしていかないとまずいのでは、と個人的には思います。

今回はいくら愛好家が望んでいるからといって出土品を配布したりもしています。

陶磁器の町、として名高いところですので近代の磁器窯なんてありふれたもので

いちいち保護しておくことはできない、ということなのでしょうか。

なんだかもやもやします。

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。


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