第 132回 未来を考えるために必要なこと
1、そろそろ本気で考えてみましょう
友人に勧められて、下記の新書を読みました。
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書) / 河合 雅司 #読書メーターhttps ://bookmeter.com/books/11961390
大きく2部構成になっていて
第1部は人口減少カレンダーと題して
豊富なデータとともにいずれやってくる危機が時系列で並べられています。
第2部は日本を救う10の処方箋と題して
筆者が考える、今取り組むべき施策が挙げられています。
2、危機は必ずやってくるのか
まずはやってくる危機について
2024年には国民の3人に1人は65歳以上になるとか、2040年には自治体の半数が消滅するとか、どこかで聞いたことのある問題も具体的な数字を突きつけられると、より危機感が増します。
若い層が減れば当然ですが、輸血も足りなくなるとか、大都市の方が高齢者の実数は増えていくとか目から鱗の話題も多く提供されます。
一方で豊かな地方が大都市から人口を吸い上げる、というこれまでと逆方向の人口動態が予測されているあたりは、逆に光明に感じます。
3、薬にも毒にもなる
筆者が挙げる処方箋のうち、
24時間営業を減らすなど、多少の不便さを受け入れるマインドや、産業を全方位維持していくのではなく、日本の得意分野に資源を集中して競争力をつける方向性などは、全く同意できます。
一方で、住民税の按分を伴う「セカンド市民制度」や受給額の一部を死亡時に返還する「社会保障循環制度」などは、正直反対です。
まず、根本的に私は「小さな政府」を理想にしています。自治体の税収が減り、若手職員の人手も不足するのであれば、どうしたって業務をスリム化しなくては組織を維持することはできません。
昨今の災害で指摘されるように、ギリギリ通常業務をこなせる人数の職員しかいなければ、非常事態に対応することはできないでしょう。
いくら素晴らしい思想に基づいた施策でも、新たに煩瑣な手続きが必要になる事業を起こすことは安易に承服しかねます。
さらに、遠く離れた自治体間の合併、例示されているのは
高齢化が先行し、介護施設に空きがある地方と、慢性的な不足に悩む都市部という関係性の文脈で東京都と島根県、
鉄道沿線というパイプで繋がる例として、神戸・広島・福岡
などですが
これも非現実的に思えてしまいます。
現場の末端で感じるリアルとしては、中間自治体の都道府県の存在が非常に疑問なので、
道州制にして広域連携を行うことと
県の権限と財源を市区町村に移譲して、自由に競い合わせた方が切磋琢磨できて効率的であるように思います。
縁あって来月著者の講演会に行けることになったので、それを受けてもう少し掘り下げられれば、と思います。
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