第629回 2020/1/14〜20の歴史ニュース
1、そろそろ正月気分も抜けてきたところ
センター試験も終わりましたし、正月飾りをお焚き上げする「どんと祭」も終わってもう年度末、という感じですね。
さて、毎週月曜日はフォロワーさんたちがTLに流してくれた
歴史ニュースをまとめてご紹介します。
ヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。
前回はこちら。
2、古民家保存への危機感は高まっている
①北野天満宮境内で経筒が出土 R63
②石川県小松市で北陸新幹線高架下に八日市地方遺跡の出土品を展示する施設を整備する方針 R23
③ 長崎市長崎学研究所が800年代前半の業務記録や給与明細などを記した約50点を古書店で発見 R49 C
④上野戦争前日の西郷隆盛の書簡を古書店で発見 R18
⑤熊本市の塚原歴史民俗資料館で「熊本市遺跡発掘速報展」を開催。2月24日まで R38 C
⑥岡山県が文化財保存活用大綱を策定 R14
⑦モンゴルでチンギスハンの息子一族の墓を発見か R41 C
⑧日本最古級と言われる京町家が解体 R229 C
⑨国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)は、各国には国際条約によって文化財の保護が義務付けられており、イランと米国は条約を順守しなければならないと表明 R25 C
⑩2020年の大河ドラマが「鎌倉殿の13人」に決定 R30
11中国浙江省杭州市の浄慈寺美術館で、宋代の茶器を展示する「慧日峰下-宋代僧家茶事」展が開幕 R41
12奈良県桜井市の箸墓古墳において物質を透過する素粒子「ミューオン」を用いた探査が開始 R60 C
13宮城県涌谷町で町指定文化財で藩政期に建築された武家住宅を、町地域おこし協力隊員に住居として無償で貸与 R20
14武田信玄から織田信長への感謝状発見 R8
15京都府向日市の旧旅籠「冨永屋」解体へ R20 C
3、文化財格差社会
いかがだったでしょうか。
貴方の琴線にふれるような話題もありましたか。
今回リアクションがもっとも多かったのは⑧の古民家の話題。
過去最高数のいいねだったのかもしれない。
解体前から最古級の古民家である、と指摘されていたのに
結局保存することができず、解体後に発掘調査を行ったところ、
室町時代まで遡ることが確実視される成果が上がったといいます。
15も京都の古建築が解体されてしまう、という話題でした。
インバウンド効果で再開発が盛んに行われているからなのか
最近は京都周辺の古民家の話題が多いですよね。
個人的に関心の高かった⑥の話題はすでに別稿で触れました。
13の町の指定文化財を「地域おこし協力隊」だからといって住まわせていいのか、という問題についても同様、自治体が古民家をこれまでと同じ方法で保存していくのは困難になっていくことが前提にあります。
⑥の大綱には県としてこの問題に取り組んでいくか、ということも含めて
域内の文化財を今後どうマネジメントしていくかが問われているのでしょう。
ミヤギはどうなってるんでしょう…
先行者利益、というのが正しい表現かわかりませんが
国の思惑に寄り添って真っ先に補助金をもらって計画を策定するのが1番賢い自治体です。
後発組になればなるほど制度ががんじがらめになって融通の効かない補助金となり、
成果としてもあまり旨味がない、ということになるのはありがちのパターンです。
これからはしっかりと計画を策定して、指針を明確にしているところと
それができない自治体との格差は広がっていくことでしょう。
そして世界レベルで文化財の保存が問われているのが⑨のユネスコの声明。
全く実効性がなかったとしても組織の目的上、態度を表明しなくてはいけない、ということなのでしょう。
文化財をめぐる状況は決して予断を許さないままです。
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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