第1359回 2023/1/10〜16の歴史ニュース

1、火に当たって

どんと祭と呼ぶ、正月飾りをお焚き上げする行事が終わると、一気に正月気分が抜ける、そんな心持ちです。

それはさておき、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ニュースヘッドライン

①ウクライナの国境警備隊が古代ローマ時代の集落の跡を発見 R37 C

②鳥取県南部町で東京の首都50年の記念はがきを発見 R18

③岡山県倉敷市で、水戸藩主・徳川斉昭の未発見の書簡16点を発見 R6

④文化庁の新庁舎(京都市上京区)が完成 R9 C

⑤宮城県丸森町大内の直売所に藩制時代から地域に伝わるとされる伝統の門松を設置 R6

⑥宮城県女川町の新たな町誌が30年ぶりに完成 R15 C

⑦沖縄県中城村の中城跡で十字などの記号が刻まれた「刻印石」が137個発見 R17 C

⑧福島県飯舘村佐須の山津見神社で、2013年4月の火災で焼失を免れた資料2点を発見 R15

⑨岩手県大槌町の吉祥寺で、江戸中期に建てられた仏塔の内部と地下から、「一字一石経」が大量に発見 R11 C

⑩長野県千曲市の県立歴史館が武田信玄書状の購入費用315万円の寄付を募るクラウドファンディングを開始 R7 C

3、戦後と復興

いかがだったでしょうか。

みなさまの気になる話題もあったでしょうか。

個人的には本業として関わりが深くなりそうなのは④の話題。

みなさんご記憶でしょうか。

東日本大震災の後に、首都機能が東京一極集中しているのはまずい、ということで

首都機能移転の必要性が説かれたことを。

大山鳴動して鼠一匹、

鳴物入りで協議が始まったものの、いつものパターンでだんだん尻すぼみになって

結局本格的に機能移転するのは文化庁くらいになりました。

もともと文化庁の業務内容と京都、というか関西とは相性がいいのでしょう。

面白いのは東京の知り合いが、今まで文化庁の調査官を招聘するのに

交通費なんてかからなかったのに、今度から京都からの出張旅費を負担しないといけなくなった!

と騒いでいたこと。

いままで地方が負担していたことすら知らなかったんですね…

今後は私も京都に出張できるかなぁ。

続いて話題にしたいのは①の話題。

戦争、という極限状態にあっても埋蔵文化財調査を行うことができるのか、という問題を考えさせられます。

東日本大震災の際に一方的に「遺跡発掘が復興の足枷」と報道されたことを思い起こすに

我が国でも人ごとではなくなる日が来るかもしれません。

戦略的に重要な地点だけれども、そこは遺跡だから陣地化するための土木工事は避けよう、とか

ちゃんと発掘調査をしてからにしよう、とか

言うわけないですよね。

そうならないための努力を最大限していくのみですね。

最後は⑤の地元ミヤギの話題。

仙台市博物館が中心となって各地で「仙台門松」という伝統的な正月飾りを復興しようという取り組みがなされてます。

伝統的な風景だ、と思い込んでいるものは

実は近代国家によって均一化された景色でしかない、という場面は往々にしてありますが、

SDGsとか持続可能性とかいう流行りに乗っかって、本来地元で手に入る材料を使って、その土地の気候にあった風習であったものを復興していくことは、とても明るい話題になるのではないかと思います。

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。


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