第808回 古墳だけではない名取の歴史
1、晴れた日は資料館めぐり日和
本日は久々に梅雨空から解放されて晴れ間が広がったので
ちょっとだけ遠出して、名取市の歴史民俗資料館に行ってきました。
今年の5月31日にオープンしたばかりの資料館。
まずは外に復元された10分の1サイズの雷神山古墳が目をひきます。
東北最大の規模を誇る前方後円墳で、主軸 168mを測ります。
三段築成で、葺石が施され、出土した壺型埴輪から古墳時代前期、4世紀の末頃に造られたと考えられています。
前方部の一部が既に破壊を受け、現代の墓地になっているところもあり、
市指定に留まっているようです。
2、ちょうどいい規模感
さて展示室は大きく分けて「考古の展示室」と「歴史の展示室」に分かれています。
受付のある考古の展示室に入ると
映像スクリーンがあってガイダンスと空中からみた遺跡などの解説動画が流れています。
元データがGoogleアースなのですが、我が家の子どもたちも見慣れている動きなので特に関心は示さず、
次の時代ごとの海岸線を示した映像の方に食いついていました。
縄文時代前期・後期・弥生時代・鎌倉時代以降と4つ時代で切り取られ
海岸線がスムーズに変遷してく映像になっているので、理解がしやすかったようです。
これはうちの資料館でもやってみたい仕組みですね。
展示室内に入ると旧石器時代から古代まで、発掘された遺跡の紹介と出土遺物を展示しながら学ぶことができます。
個人的に気になったものをいくつか紹介すると
縄文時代の異形の石器
弥生時代の稲刈りの道具
古墳時代の大型の土器(しかも搬入品?)
3、中世以降はこちら
一方「歴史と民俗の展示室」は名取熊野三山の歴史と中世の遺跡群、
近世の宿場町の歴史、
民俗資料
がバランス良く展示されていました。
特に観応の擾乱に伴う攻防戦で名前が登場する「名取要害」ではないかとされる高舘城跡や、熊野信仰に関わる霊場とされる大門山遺跡の出土遺物についてはもっとじっくり見たかったところですが、
子ども達と一緒だったので、まあこんなもんでしょう。
そうそう第1回企画展として古墳の展示も行っておりました。
たぶん被葬者をマスコット化したのであろうキャラが、
顔見知りの名取の職員さんに見えてしまうのは気のせいだろうか…
4、現役で使っているからこそ
資料館では埋蔵文化財関係の届出もこちらで受け付けているようで
事務仕事も調査研究も展示もここで完結しているのだろうなぁ、
とちょっと羨ましくなりました。
それはさておき、展示で触れらており、前から気になっていた重要文化財の古民家、洞口家住宅も帰りに寄ってきましたが
現役での使用感たっぷりなのに人気がなくて気まずかったので
ちょっとだけ覗いて失礼しました。
お昼時だったから不在だったのかな?
短時間でしたが気になっていたところを実見できて満足でした。
このまま夏が来てくれたらいいのに。
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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